転移した前立腺がんの治療法

「前立腺がんが骨に転移しています」と告げられたとき、多くの方が思い浮かべるのは「もう長くない」という言葉かもしれません。しかし前立腺がんは、転移が見つかってからの時間が、ほかの多くのがんに比べてはるかに長いという特徴を持っています。年単位で治療を続けながら、仕事を続けたり、旅行に行ったり、孫の成長を見届けたりしている方が実際に大勢いらっしゃいます。

そしてこの数年、転移した前立腺がんの治療は大きく変わりました。最初の治療で薬を2剤・3剤と重ねる考え方が定着し、2025年秋には日本で初めて「がん細胞を狙って体の内側から放射線を当てる薬」が保険で使えるようになりました。

この記事では、転移した前立腺がんの治療の全体像を、公的統計と学会診療ガイドライン、査読付き論文に基づいて整理します。そのうえで、治療を続けながら自宅で暮らすために何ができるのかという在宅医療の部分を、一段深く掘り下げます。

この記事の内容

  1. まず数字を正しく読む — 前立腺がんの統計
  2. 「転移がある」と「末期」は同じではない
  3. 転移はどこに、どんな症状で現れるか
  4. 治療の全体像 — 3つの局面で考える
  5. 最初の治療(mHSPC)— もう「ホルモン注射だけ」ではない
  6. 転移があっても前立腺に放射線を当てることがある
  7. ホルモンが効かなくなったあと(mCRPC)の順番
  8. 体の内側から当てる放射線 — ルテチウム治療
  9. 骨を守るという治療
  10. ホルモン療法の副作用は「長く付き合う」問題
  11. 【在宅】通院が難しくなってからが在宅医療の出番
  12. 【在宅】ホルモン療法も骨の注射も、自宅で続けられる
  13. 【在宅】本当に困るのは「おしっこ」と「歩けること」
  14. 【在宅】痛みと、在宅でできること・難しいこと
  15. 【在宅】急変時・看取り・レスパイト・話し合い
  16. ご家族の観察ポイントと受診の目安
SECTION 01

まず数字を正しく読む — 前立腺がんの統計

前立腺がんは、日本人男性が最も多く診断されるがんです。国立がん研究センターのがん統計(2026年7月22日更新)では、次のようになっています。

診断される数(2023年)102,094
死亡数(2024年)13,670
5年相対生存率(2018年診断例)95.7%

人口10万人あたりの罹患率は168.8例、死亡率は23.4人です。罹患数が10万人を超えているのに死亡数が1万4千人弱にとどまっている点が、このがんの性格をよく表しています。

ただし「5年相対生存率95.7%」という数字を、そのまま転移がある方に当てはめることはできません。この95.7%は早期に見つかった方を含めた全体の平均だからです。国立がん研究センターが2025年11月19日に公表した集計(2012〜2015年診断例、5年純生存率)では、限局(前立腺内にとどまる)で105.6%、遠隔転移がある状態で52.0%と報告されています。

数字を並べるときの注意(4点)
  • 集計年がそろっていません。罹患は2023年、死亡は2024年、生存率は2018年診断例と、それぞれ元になっているデータの年が違います。同じ年の患者さんを追いかけた数字ではありません。
  • 「95.7%」と「52.0%」は別のものさしです。前者は全国がん登録の5年相対生存率(2018年診断例・全体)、後者は5年純生存率(2012〜2015年診断例・遠隔転移例)。計算方法も対象集団も違うので、引き算をして意味を読み取ることはできません。
  • 限局の105.6%が100%を超えているのは誤りではありません。前立腺がんのように生存率の高いがんでは、検診を受けるなど普段から健康に気を配っている方が多く、同年代の一般集団より死亡が少なくなるため、100%を超えることがあります(国立がん研究センターも同趣旨の注記を付けています)。
  • 生存率の数字には最新の治療が反映されていません。2018年に診断された方の5年後を見た数字ですから、2025年に日本で承認された放射性リガンド療法も、2026年に適応が広がった薬も、この数字には一切含まれていません。今から治療を始める方の見通しは、この数字より良い可能性があります。
SECTION 02

「転移がある」と「末期」は同じではない

当院の視点

前立腺がんは「転移してからが長い」がんです

多くのがんでは、遠隔転移が見つかった時点で治療の選択肢が急速に狭まり、月単位の見通しを話し合うことになります。前立腺がんはここが違います。男性ホルモン(アンドロゲン)を抑える治療がよく効くため、転移が見つかった時点から数年単位の治療期間があるのが普通です。

そして治療の道のりには、はっきりした「区切り」があります。最初はホルモンを抑える治療がよく効く時期(去勢感受性)。やがてホルモンを抑えていても病気が動き出す時期が来ます(去勢抵抗性=CRPC)。この切り替わりは、多くの場合まずPSAという血液検査の数値の上昇として現れ、体の調子が悪くなるより先に分かります。

つまり「ステージⅣ=末期」ではありません。ステージⅣは広がり方の分類、末期は治療で病勢を抑えられなくなり、生活を支えることが治療の中心になる時期を指します。転移が見つかってから末期と呼ばれる時期に至るまでに、何年もの距離があることが珍しくないのです。

転移した前立腺がんの経過 ── 3つの局面 ① 去勢感受性(mHSPC) ホルモンを抑える治療が よく効いている時期 数か月〜数年続くことが多い ② 移行期(PSAが動く) 体調は変わらないのに PSAだけが上がり始める ここで次の手を準備する ③ 去勢抵抗性(mCRPC) ホルモンを抑えていても 病気が進む状態 薬を順番に切り替えていく この線のどこにいるかで、治療の目的も暮らし方も変わります ①②の時期 = 「がんを抑え込む」ことが治療の中心。通院しながら普通の生活を続けている方が大半です。 ③の時期 = 「効く薬を切らさない」ことと「骨を守る・痛みを取る」ことを並行して進めます。 ③の後半で通院が負担になってきたときが、在宅医療を組み合わせるタイミングです。
図1:転移した前立腺がんの経過。ステージⅣという診断名は変わらなくても、①〜③のどこにいるかで治療の目的も生活の設計もまったく違います。
SECTION 03

転移はどこに、どんな症状で現れるか

前立腺がんの転移には強い偏りがあります。圧倒的に多いのが骨で、次いで骨盤内やお腹のリンパ節。肺や肝臓といった内臓への転移は、比較的あとの時期に出てきます。この「骨に集まる」という性質が、前立腺がんの療養を特徴づけています。

転移の場所と、そこから起こること 骨転移 ── 最も多い 背骨・骨盤・肋骨・大腿骨の付け根に多い ・じっとしていても続く、夜に強まる痛み ・体重をかけたときの痛み(歩行時・立ち上がり) ・骨折、背骨の神経の圧迫(しびれ・脱力) 「腰痛が続く」で見つかることが少なくありません リンパ節転移 骨盤内 → 腹部大動脈周囲へ広がる ・多くは無症状で画像だけで分かる ・尿管が押されると水腎症(腎機能が落ちる) ・足のむくみ、下腹部の重さ 痛みがないまま腎臓が弱ることがあります 前立腺そのもの(局所) ・尿が出にくい、途中で止まる、頻尿 ・尿が出なくなる(尿閉) ・血尿、血の塊で管が詰まる ・直腸が押されて便が出にくい 在宅で最も頻繁に対応が必要になる場所です 内臓転移(肺・肝臓) ・頻度は骨より低く、比較的あとの時期 ・咳、息切れ、だるさ、食欲低下 ・内臓に転移があると経過が速まりやすい ・使える薬が絞られることがある 治療方針が変わる分かれ目になります
図2:転移の場所と症状。前立腺がんでは骨転移が圧倒的に多く、療養の質を左右する最大の要素になります。
この2つはすぐに連絡してください

① 背中や腰の痛みに加えて、足のしびれ・力が入らない・尿が出にくい/漏れるが新しく出たとき。背骨の転移が神経を圧迫している可能性があります(脊髄圧迫)。数時間から数日の対応の差が、その後歩けるかどうかを分けます。

② 半日以上まったく尿が出ず、下腹部が張って苦しいとき。尿閉です。我慢しても改善しません。

SECTION 04

治療の全体像 — 3つの局面で考える

転移した前立腺がんの治療は、「男性ホルモンを断つ」ことが土台で、その上に何を重ねるかという構造になっています。土台の部分をアンドロゲン遮断療法(ADT)と呼び、注射(LH-RHアゴニストやGnRHアンタゴニスト)または精巣摘除術で行います。これは去勢抵抗性になったあとも、原則としてずっと続けます。

治療の組み立て ── 土台の上に何を重ねるか 【土台】アンドロゲン遮断療法(ADT)= 注射または精巣摘除術 診断のときから最後まで続ける。ここを止めると病気が動き出します。 ① 去勢感受性(mHSPC)— 最初の治療で「重ねる」 ADT + 新しいホルモン薬(アビラテロン/エンザルタミド/アパルタミド/ダロルタミド) ADT + 新しいホルモン薬 + ドセタキセル(3剤併用=トリプレット) 転移の数が少ない場合は、前立腺への放射線治療を加える選択肢もあります(SECTION 06) ② 去勢抵抗性(mCRPC)— 効く手を順番に使っていく ・新しいホルモン薬(まだ使っていないもの) ・抗がん剤(ドセタキセル → カバジタキセル) ・PARP阻害薬(オラパリブ/タラゾパリブ) ・ラジウム223(骨転移のみのとき)/ルテチウム治療(PSMA陽性のとき) どれを先に使うかは、転移の場所・体力・過去の治療・遺伝子の情報で決めます 【全期間で並走】骨を守る薬・痛みへの放射線・症状の緩和・生活を支える医療
図3:治療の全体像。「土台のADT」は最後まで続き、その上に重ねるものが局面ごとに変わっていきます。
SECTION 05

最初の治療(mHSPC)— もう「ホルモン注射だけ」ではない

かつては、転移が見つかったらまずADT単独で始めるのが標準でした。現在は違います。最初から複数の薬を組み合わせたほうが、生存期間が延びることが複数の大規模試験で示されたためです。

3剤併用(トリプレット)のエビデンス

ARASENS試験は、転移のあるホルモン感受性前立腺がんの1,306例を対象に、ADT+ドセタキセルにダロルタミドを上乗せするかどうかを比べた国際共同第Ⅲ相試験です。上乗せした群で死亡リスクが32%低下しました(ハザード比0.68、95%信頼区間0.57〜0.80、p<0.001/Smith MR ら、NEJM 2022)。日本人も148例が参加しています。この結果を受けて、日本では2023年2月にダロルタミドを含む3剤併用が承認されました。

同様に、PEACE-1試験ではADT+ドセタキセルにアビラテロンを上乗せする形で全生存期間の延長が示されています(Fizazi K ら、Lancet 2022)。

「重ねればよい」わけではありません
  • 3剤併用はドセタキセル(点滴の抗がん剤)を使えることが前提です。体力・年齢・持病によっては、抗がん剤を含まない2剤併用(ADT+新しいホルモン薬)のほうが総合的に良い選択になります。
  • 薬が増えれば副作用も重なります。好中球減少(感染しやすくなる)、しびれ、だるさ、肝機能障害などの頻度は2剤併用より高くなります。
  • ガイドラインが示すのは「この状況ではこれが推奨される」というであり、その中で何を選ぶかは、ご本人が治療に何を求めるかによって変わります。「一番強い治療」が「一番良い治療」とは限りません。
選択肢どんな方に向くか主な負担
ADT単独高齢で持病が多い、他の治療の負担が大きいと判断される場合ホットフラッシュ、骨密度低下、筋力低下
ADT+新しいホルモン薬
(2剤)
現在の標準の一つ。抗がん剤を使わずに済ませたい場合飲み薬の毎日の内服、だるさ、高血圧、肝機能、薬剤によりけいれん・皮疹など
ADT+新しいホルモン薬
+ドセタキセル(3剤)
転移の数が多い・進行が速い・体力が保たれている場合点滴通院(3週ごと6回程度)、白血球減少、脱毛、しびれ、爪や皮膚の変化
SECTION 06

転移があっても前立腺に放射線を当てることがある

当院の視点

「転移があるなら元の場所を治療しても意味がない」は、前立腺がんでは正しくありません

転移がある状態で元の腫瘍(原発巣)に治療を加えることは、多くのがんでは生存期間を延ばしません。ところが前立腺がんでは、転移の数が少ない方に限って、前立腺への放射線治療が生存期間を延ばすことが証明されています。

英国とスイスの117施設で2,061人が参加したSTAMPEDE試験のarm Hがそれです。当初の報告(Parker CC ら、Lancet 2018)では、転移量が少ない群で死亡リスクが32%低下(ハザード比0.68、95%信頼区間0.52〜0.90、p=0.007)。一方、転移量が多い群では効果が認められませんでした(ハザード比1.07)。中央値61.3か月まで追跡した最終報告(Parker CC ら、PLoS Medicine 2022)でも、転移量の少ない群での有効性はハザード比0.64(95%信頼区間0.52〜0.79)と維持されています。

ここで大事なのは、効く人と効かない人がはっきり分かれるという点です。骨転移の個数が増えるにつれて効果は連続的に小さくなり、おおむね3か所程度までで恩恵が大きいと報告されています。「転移がある=原発巣の治療は無駄」でもなければ「誰にでも当てるべき」でもない。骨シンチグラフィやCT、必要に応じてPSMA-PETで転移の数と場所を確かめたうえで判断する治療です。

もう一つ、生存期間とは別の意味もあります。前立腺が大きいまま残っていると、あとになって尿が出にくくなる、血尿が続く、尿管が詰まるといった局所の困りごとが起こります。放射線でこれを減らせるなら、自宅で過ごす時間の質にも直接効いてきます。

転移の「数」で判断が変わる ── STAMPEDE arm H 転移量が少ない群 骨転移が少数(おおむね3か所程度まで) 内臓転移がない 死亡リスク 約36%低下(HR 0.64) 前立腺への放射線を加える意義がある 転移量が多い群 骨転移が多発、または内臓転移あり 全身に広がっている状態 生存期間の延長は認められず(HR 1.07) 全身の薬物療法を優先する 同じ「ステージⅣ」でも、転移の数を数えることに実際的な意味があります ・治療前の画像検査(骨シンチグラフィ・CT・MRI)で転移の数と場所を確認する ・少数なら「前立腺への放射線を加えるか」を主治医と相談する価値がある ・症状がなくても、あとの尿のトラブルを減らす目的で検討されることがあります
図4:転移量による効果の違い。ハザード比は中央値61.3か月追跡時点の最終報告(PLoS Medicine 2022)の値です。
SECTION 07

ホルモンが効かなくなったあと(mCRPC)の順番

ADTを続けていてもPSAが上がり、画像で病気が進んだ状態を去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)と呼びます。ここからは「効く手を、良い順番で、切らさずに使う」ことが治療の中心になります。日本で使える主な選択肢を整理します。

種類薬剤・治療特徴と注意点
新しいホルモン薬
(ARSI)
アビラテロン、エンザルタミド、アパルタミド、ダロルタミド飲み薬。すでに使ったものと同系統に切り替えても効きにくいため、別の系統や別の治療への切り替えを検討します。
抗がん剤ドセタキセル、カバジタキセル点滴。骨髄抑制・感染に注意。前立腺がんでは痛みの軽減効果も期待できます。
PARP阻害薬オラパリブ(アビラテロン併用)、タラゾパリブ(エンザルタミド併用)いずれも飲み薬。DNAの修復に関わる遺伝子の異常がある方でとくに効果が高いとされます。
放射性医薬品ラジウム223(骨転移のみ)、ルテチウム治療(PSMA陽性)放射線を出す薬を注射します。実施できる施設が限られます。
骨を守る薬デノスマブ、ゾレドロン酸がんを縮小させる薬ではなく、骨折や神経の圧迫を減らす薬です。全期間で並走します。

遺伝子の検査と、2026年に変わったこと

前立腺がんの一部には、BRCA1/BRCA2をはじめとするDNA修復に関わる遺伝子の異常があります。ここに当たる方にはPARP阻害薬がよく効きます。日本泌尿器科学会は2025年6月に、この検査の使い方についての提言を公表しています。

そして2026年3月23日、PARP阻害薬タラゾパリブの効能・効果が「BRCA遺伝子変異陽性の遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺癌」から「遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺癌」へ拡大されました。TALAPRO-2試験の全生存期間の最終解析に基づくもので、遺伝子検査の結果を問わずエンザルタミドとの併用で使えるようになったという変更です。

「検査は要らなくなった」という意味ではありません
  • 遺伝子の異常がある方のほうが、PARP阻害薬の効果は大きいと考えられています。どの治療をどの順番で使うかを決めるための情報としての価値は変わりません。
  • BRCAの異常は、血縁のご家族の健康にも関わることがあります。検査を受けるかどうかは、ご家族への影響も含めて説明を受けたうえで決めるべきことです。
  • がんゲノムプロファイリング検査は結果が出るまでに数週間かかります。体力が落ちてから提出しても、結果が出たときには使える状態でなくなっていることがあります。検討するなら早めに、というのが実務上の要点です。
SECTION 08

体の内側から当てる放射線 — ルテチウム治療

当院の視点

2025年、日本の前立腺がん治療に「放射性リガンド療法」が加わりました

前立腺がんの細胞の表面には、PSMA(前立腺特異的膜抗原)というタンパクが多く出ています。ここに結合する分子に放射性物質のルテチウム-177をくっつけた薬がルテチウムビピボチドテトラキセタン(プルヴィクト)です。注射すると薬が全身をめぐり、PSMAが出ている場所=がんのあるところに集まって、その場で放射線を出します

日本では2025年9月19日に「PSMA陽性の遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺癌」を対象として承認され、2025年11月12日に薬価収載・発売されました。国内初の放射性リガンド療法です。用法は1回7.4GBqを6週間隔で最大6回の点滴静注です。

根拠となったVISION試験(Sartor O ら、NEJM 2021)では、新しいホルモン薬と抗がん剤の治療歴がある方で、全生存期間の中央値が15.3か月 対 11.3か月、死亡リスクが38%低下しました(ハザード比0.62)。抗がん剤を使う前の段階で調べたPSMAfore試験では、画像で見た無増悪生存期間が11.6か月 対 5.6か月(ハザード比0.41)と報告されています。

放射線治療を専門にしてきた立場から一つ付け加えると、この治療の本質は「見えたところに当たる」ことです。PET検査で光った場所に薬が集まるのですから、事前の検査結果がそのまま治療の設計図になります。だからこそ、PSMA-PETで陽性であることの確認が必須とされているのです。

検査から治療までの流れ ── 「見えたところに当てる」 STEP 1 去勢抵抗性で遠隔転移 があることを確認 治療歴も要件になります STEP 2 PSMA-PET/CT検査 PSMA陽性かを判定 陰性ならこの治療は適応外 STEP 3 実施施設へ紹介・予約 薬の手配に時間が必要 施設数が限られています STEP 4 6週間隔で 最大6回の点滴 各回とも入院します 在宅で療養している方が知っておきたい、この治療の「現実的な条件」 ・投与後しばらくは体から放射線が出るため、放射線管理区域の病室に入院します(施設により1泊2日〜3泊4日程度) ・入院中は病室から出られず、ご家族の面会も制限されます ・入院中は身の回りのことや排泄をご自身で行える必要があり、施設によっては認知機能の低下が制限になります ・PSMA-PETを実施できる施設が地域によって限られ、検査から治療までの調整に時間がかかります ・6回すべて受けるとおよそ8か月。その間、6回の入院を組み込んだ生活設計が必要になります = 「受けられるか」だけでなく「今の暮らしと両立できるか」も含めて考える治療です
図5:ルテチウム治療の流れと条件。有効性が示された治療ですが、実施には入院と施設要件が伴います。
SECTION 09

骨を守るという治療

前立腺がんの療養では、骨を守ることが、がんを叩くことと同じくらい重要です。骨折や脊髄圧迫が一度起これば、そこから寝たきりになり、生活が一気に変わってしまうからです。

手段内容知っておきたいこと
骨修飾薬デノスマブ(4週ごとの皮下注射)、ゾレドロン酸(点滴)骨折や神経圧迫などの「骨に関わる出来事」を減らします。カルシウムとビタミンDの補充が必須(低カルシウム血症の予防)。
歯科受診骨修飾薬を始める前の歯科チェック、開始後の口腔ケア顎の骨の壊死(顎骨壊死)を防ぐため。抜歯が必要ならなるべく開始前に。始めたあとも定期的な口腔ケアを続けます。
緩和的放射線治療痛む骨転移への照射。8グレイ1回の照射がよく使われます1回で終わるため通院負担が小さく、体力が落ちた方にも行いやすい治療です。効果が出るまで数日〜数週間かかります。
ラジウム223骨転移に集まるα線を出す注射(4週ごと最大6回)骨転移のある去勢抵抗性前立腺がんが対象で、日本では2016年3月承認。内臓転移がある方には適応がありません
転倒予防・リハビリ手すり、段差解消、歩行補助具、下肢の筋力維持薬と同じくらい効果があります。骨転移の場所によっては動作の制限が必要なので、事前に確認します。
脊髄圧迫 ── 早いほど、歩ける可能性が高くなります ① 前ぶれ 背中や腰の痛みが 今までと違って強い 夜間・横になると痛む 数日〜数週間続きます ② ここで連絡 足のしびれ・ぴりぴり 力が入りにくい つまずくようになった この段階での連絡が鍵です ③ 進行 立てない・歩けない 尿が出ない/漏れる 便の感覚がなくなる 緊急対応が必要です ④ 固定 麻痺が残る 回復が難しく なります ご家庭での合図は「痛みの強さ」ではなく「神経の症状が出たかどうか」です 痛みが強いかどうかより、しびれ・力の入りにくさ・排尿の変化が新しく出たことのほうが重要な情報です。 「歩きにくくなった」「スリッパが脱げるようになった」といった変化も、ご家族が最初に気づく手がかりになります。 迷ったら様子を見ずに連絡してください。放射線治療や手術は、早い段階ほど効果があります。
図6:脊髄圧迫の進み方。②の段階で連絡できるかどうかが、その後歩けるかどうかを大きく左右します。
SECTION 10

ホルモン療法の副作用は「長く付き合う」問題

ADTは何年も続く治療です。だからこそ、副作用は「一時的に我慢するもの」ではなく暮らしの中で管理していくものとして考える必要があります。

起こることどう現れるか対応
ホットフラッシュ急にかっと熱くなり汗が出る。夜間に起きて眠りが浅くなる重ね着で調節、室温管理、寝具の工夫。つらければ薬で軽減できることもあります
骨密度の低下自覚症状がないまま進み、転倒で骨折しやすくなるカルシウム・ビタミンD、日光、荷重をかける運動、必要に応じ骨粗鬆症の薬
筋力低下・体重増加筋肉が落ちて脂肪が増える。階段や立ち上がりがつらくなる抵抗運動(軽い筋トレ)が最も有効。歩くだけでは筋肉量は守れません
だるさ・意欲の低下「年のせい」と片づけられがちだが治療の影響のことも貧血・甲状腺・うつの鑑別を。生活リズムを保つことが土台になります
代謝への影響血糖・脂質・血圧が上がりやすくなる定期的な採血。かかりつけ医との連携で管理します

この中で、在宅医療の場で最も重要なのは筋力低下です。ADTによる筋肉量の減少と、骨転移による活動量の低下と、加齢が重なると、「まだ薬は効いているのに動けない」という状態になりかねません。がんの治療がうまくいっているうちにこそ、リハビリを生活に組み込んでおく意味があります。

HOME CARE

ここからは在宅医療の話です

転移した前立腺がんの治療は、年単位で続きます。その途中で「病院まで行くこと自体が一番の負担になる」時期が必ず来ます。ここから先は、治療を続けながら自宅で暮らすために何ができるのかを、制度と具体的な処置の両面から掘り下げます。

SECTION 11

通院が難しくなってからが在宅医療の出番

訪問診療と往診は別のものです

よく混同されますが、この2つは違います。

  • 訪問診療=あらかじめ計画を立てて、定期的に(多くは月2回)医師が自宅に伺うもの。継続的な管理が目的です。
  • 往診=具合が悪くなったときに、要請を受けて臨時に伺うもの。

訪問診療を受けている方は、必要なときに往診も受けられます。「何かあったとき駆けつけてもらえる」という体制は、定期的な訪問診療が土台にあって初めて成り立ちます。

よくある誤解:「まだ末期ではないから在宅医療は早い」

訪問診療の条件は「末期であること」ではなく「通院が困難であること」です。骨転移で長く座っていられない、待ち時間に耐えられない、付き添う家族が仕事を休めない——こうした理由で通院の負担が大きいなら、それは十分に在宅医療の対象です。

抗がん剤や放射線治療のために病院に通いながら、日々の管理は自宅で受けるという組み合わせもできます。「在宅に移る=治療をやめる」ではありません。

「末期の悪性腫瘍」になると訪問看護の枠が広がります

介護保険の要介護認定を受けていても、厚生労働大臣が定める疾病等(別表第七)に該当すると、訪問看護は医療保険で提供されます。「末期の悪性腫瘍」はこの別表第七に含まれます。

「末期の悪性腫瘍」に該当すると訪問看護の枠が広がります 通常(介護保険の訪問看護) ・ケアプランの支給限度額の範囲内 ・ほかのサービスと限度額を分け合う ・原則として週の回数に制約がある ・訪問看護ステーションは原則1か所 状態が変わると足りなくなることがあります 末期の悪性腫瘍(別表第七) ・医療保険での訪問看護に切り替わる ・週の日数制限がなく毎日の訪問も可能 ・1日に複数回の訪問ができる ・2〜3か所のステーションを併用できる 介護保険の限度額を圧迫しません 40〜64歳の方も「がん(末期)」は介護保険の16特定疾病に含まれるため、介護保険のサービスを利用できます。
図7:末期の悪性腫瘍に該当した場合の訪問看護の枠。状態が急に変わったときに、回数を増やして対応できるようになります。
SECTION 12

ホルモン療法も骨の注射も、自宅で続けられる

当院の視点

前立腺がんは、在宅で「治療そのもの」を続けやすいがんです

これは前立腺がんの大きな特徴です。多くのがんでは、通院が難しくなった時点で治療の選択肢がほとんど失われます。ところが前立腺がんの土台の治療であるADTは数か月に1回の注射であり、訪問診療で継続できます。

LH-RHアゴニストには1か月製剤・3か月製剤・6か月製剤があります。3か月製剤や6か月製剤に切り替えれば、注射のための通院は年に2〜4回で済みます。そしてその注射自体を自宅で行えば、通院はゼロにできます。GnRHアンタゴニストの4週ごとの皮下注射も同様です。

骨を守るデノスマブ(4週ごとの皮下注射)も自宅で投与できます。合わせて必要なカルシウムとビタミンDの補充も、内服の管理として在宅で完結します。新しいホルモン薬は飲み薬ですから、処方と副作用の確認ができれば通院は要りません。PSAや腎機能・肝機能・カルシウムの採血も訪問時に行えます。

つまり「病院に行けなくなったから治療をやめる」という筋書きを、前立腺がんではかなりの部分まで避けられるということです。専門的な判断が必要な場面では泌尿器科と連携しながら、日々の治療は自宅で続ける——この形が現実的に組めます。

治療・検査在宅で継続できるか補足
LH-RHアゴニスト注射できます3か月・6か月製剤への切り替えで負担をさらに減らせます
GnRHアンタゴニスト注射できます4週ごとの皮下注射
新しいホルモン薬(飲み薬)できます血圧・肝機能・むくみ・けいれんなどの確認を訪問時に行います
デノスマブ皮下注射できます低カルシウム血症の予防と歯科との連携が前提です
PSA・採血のフォローできます訪問時に採血し、結果を電話や次回訪問で説明します
点滴の抗がん剤病院で行います投与は通院、副作用の管理と発熱時の対応は在宅で分担できます
ラジウム223・ルテチウム治療病院で行います放射線管理区域が必要です。前後の体調管理は在宅で支えます
緩和的放射線治療病院で行います8グレイ1回の照射なら、1日の外出で完結できることが多いです
SECTION 13

本当に困るのは「おしっこ」と「歩けること」

当院の視点

前立腺がんの在宅療養で夜間に呼ばれる理由は、ほぼこの2つです

教科書には書かれにくいことですが、実際に在宅で前立腺がんの方を診ていると、緊急の連絡の大半は排尿のトラブル動けなくなったことに集約されます。がんそのものの進行より先に、この2つが生活を壊しにきます。

【排尿】前立腺は尿の通り道を取り囲んでいますから、がんが大きくなれば尿が出にくくなります。急に出なくなる(尿閉)と、下腹部が張って強い苦痛を伴います。これは在宅で導尿やカテーテル留置を行えば、その場でほぼ確実に楽になる症状です。血尿が続いて血の塊で管が詰まることもあり、膀胱洗浄や太めのカテーテルへの交換で対応します。あらかじめカテーテルを常備し、家族がどこに連絡するかを決めておくだけで、救急搬送を避けられる場面がかなりあります。

もう一つ、痛みを伴わないまま進行するものとして水腎症があります。リンパ節転移や局所の進行で尿管が押されると、尿が腎臓から流れず腎機能が落ちます。だるさ・食欲低下として現れ、採血で初めて気づくことも少なくありません。片側だけなら経過を見ることもありますが、両側なら尿管ステントや腎瘻の相談が必要になります。この処置を受けるか受けないかは、あらかじめ話し合っておく価値のある問いです。

【歩けること】骨転移は、痛みより先に「動作」に現れます。立ち上がるのに手をつくようになった、階段で足が上がらない、片足に体重をかけると痛む——こうした変化は、骨折や脊髄圧迫の前ぶれのことがあります。訪問時に歩き方を見て、手すりの位置を変え、ポータブルトイレを寝室に置き、荷重を避ける動作を一緒に練習する。地味ですが、これが最も転倒骨折を減らします。

前立腺がんの在宅療養は、「がんを治すこと」ではなく「トイレに自分で行けること」を守る仕事である場面がとても多いのです。

在宅で備えておくと役に立つもの
  • 尿の記録:出た回数、量、色。血尿の色の変化は写真に撮っておくと判断しやすくなります
  • カテーテルと洗浄用の生理食塩水:血尿がある方は、詰まったときに備えて事前に用意しておきます
  • 連絡先を紙で貼っておく:クリニック・訪問看護ステーションの番号を、電話のそばに大きな字で
  • 頓用の痛み止めの事前処方:痛みが強くなってから連絡して薬を届けるまでの時間を減らせます
  • 寝室の動線:夜間のトイレまでの距離を短くする。転倒の多くは夜間の排尿時に起こります
SECTION 14

痛みと、在宅でできること・難しいこと

前立腺がんの痛みは2種類あります

種類どんな痛みか対応
骨転移の痛み体重をかけたとき・動いたときに強まる。じっとしていると軽い動く前に頓用の鎮痛薬を使う「先回りの服用」が有効。緩和的放射線治療、骨修飾薬も併用します
神経の痛み電気が走る、じんじんする、しびれを伴う。骨盤内の神経が巻き込まれたとき通常の鎮痛薬が効きにくく、神経障害性疼痛の薬を追加します。放射線治療や神経ブロックが有効なこともあります

飲めなくなったときは、貼り薬や持続皮下注射に切り替えます。細い針を皮下に留置してポンプで少しずつ薬を送る方法で、痛いときにご本人がボタンを押して追加できる仕組み(PCA)もあります。在宅で導入でき、訪問看護師が管理します。

腎機能が落ちているときの痛み止め
  • 水腎症や脱水で腎機能が低下していると、薬の成分が体にたまり、眠気・吐き気・混乱・体のぴくつきが出ることがあります。
  • これは「痛み止めが効きすぎた」のではなく「代謝が追いつかなくなった」状態です。少量から始める、種類を変える、投与経路を変えるといった調整で改善します。
  • 薬を替えることは後退ではなく調整です。体の状態に合わせて選び直すのが、この時期の当たり前の作業だとお考えください。

在宅でできること・難しいこと

在宅でできること病院での対応が必要なこと
ホルモン注射(1・3・6か月製剤)の継続点滴の抗がん剤の投与
デノスマブの皮下注射、内服の管理ラジウム223・ルテチウム治療
採血(PSA・腎機能・肝機能・カルシウム)放射線治療の照射
導尿・尿道カテーテルの留置と交換、膀胱洗浄尿管ステント留置・腎瘻造設
医療用麻薬の調整、持続皮下注射(PCA)骨折に対する手術・脊椎の固定
点滴(脱水・感染時)、酸素の導入輸血(実施可能な場合もあり、要相談)
褥瘡の処置、リンパ浮腫のケア、リハビリCT・MRIなど画像による評価
看取り、家族への支援、24時間の相談体制専門的な検査に基づく治療方針の変更
SECTION 15

急変時・看取り・レスパイト・話し合い

自宅で亡くなっても、警察を呼ぶ必要はありません

この点をご存じない方が多いので、はっきり書いておきます。医師法第20条のただし書きにより、診療を受けていた患者が、その診療に関連した傷病で亡くなった場合、最後の診察から24時間を超えていても、改めて診察したうえで死亡診断書を交付できます(平成24年8月31日 医政医発0831第1号)。

在宅で経過を診ている患者さんが自宅で亡くなられたとき、慌てて救急車を呼ぶ必要も、警察に連絡する必要もありません。まずクリニックか訪問看護ステーションに電話してください。夜中でも構いません。

レスパイト入院

介護しているご家族が休むための短期入院です。「疲れたから」で十分な理由になります。介護する側が倒れれば在宅療養は続きません。むしろ、元気なうちに一度使っておくほうが、必要になったときにスムーズです。

話し合っておきたいこと(ACP)

前立腺がんは経過が長い分、話し合う時間があります。だからこそ、まだ余裕のあるうちに考えておけることがあります。

  • どこで過ごしたいか:自宅か、病院か、施設か。気持ちは変わってよいものです
  • 遠方の専門治療をどこまで受けに行くか:ルテチウム治療のように、実施施設が限られ入院が必要な治療をどう位置づけるか。これは前立腺がんに特有の、とても具体的な問いです
  • 尿が出なくなったとき、腎瘻やステントを入れに行くか:入れれば腎機能は保てますが、そのための入院と処置が必要です
  • 点滴と栄養をどこまで行うか:終末期には、輸液を減らしたほうが浮腫や痰が減って楽になることがあります
  • 苦痛が取れないときの鎮静について:どんな選択肢があるのかを、あらかじめ聞いておく
  • 伝えておきたいこと:医療の話ではありませんが、これが一番大切だという方も多くいらっしゃいます
在宅療養を支えるチーム ご本人とご家族 自宅で過ごす日常 訪問診療医 全体の方針・処方・処置・看取り 訪問看護師 日々の観察・カテーテル・注射 ケアマネジャー サービス調整・福祉用具の手配 訪問リハビリ 歩行の維持・転倒予防・動作指導 泌尿器科・がん治療の主治医 薬物療法・放射線治療の方針を継続 薬局・歯科 薬の配達・口腔ケア(顎骨壊死の予防)
図8:在宅療養を支えるチーム。病院での治療を続けながら、日々の管理を在宅チームが担う形が組めます。
SECTION 16

ご家族の観察ポイントと受診の目安

見るところ気にしてほしい変化
尿の出方回数が減った、勢いがない、半日以上出ていない、下腹部が張っている
尿の色赤い、血の塊が混じる、濃くなった(写真に残しておくと役立ちます)
歩き方つまずく、片足をかばう、立ち上がるのに手をつくようになった
足の感覚しびれ、力が入りにくい、感覚が鈍い(新しく出たものは特に重要)
痛みの出方これまでと違う場所・違う質の痛み、夜間に強まる背部痛
食事と体重食べられる量、体重の変化、飲めているか
意識とつじつまぼんやりする、話が合わない、日中に眠り込む(薬や脱水の影響のことも)
口の中歯ぐきの腫れ、痛み、あごの違和感(骨修飾薬を使っている場合)

連絡の目安(3段階)

段階状態対応
すぐに連絡半日以上尿が出ない/足のしびれや脱力が新しく出た/立てなくなった/強い痛みが我慢できない/38度以上の発熱で震えを伴う時間帯にかかわらず電話してください
その日のうちに血尿が続く/食べられない日が続く/薬を飲めていない/ぼんやりする時間が増えた日中に連絡し、往診の要否を相談します
次回の訪問でむくみが少し増えた/便秘気味/眠りが浅い/だるさが強い記録しておいていただくと調整しやすくなります

ふくろう訪問クリニックにできること

  • 通院が負担になってきた段階からご相談いただけます。「末期」でなくても対象です
  • ホルモン療法の注射(1・3・6か月製剤)、骨を守る注射、内服管理、採血をご自宅で継続します
  • 尿道カテーテルの留置・交換、膀胱洗浄、導尿などの排尿トラブルへの対応を行います
  • 骨転移の痛みの調整、医療用麻薬の管理、持続皮下注射(PCA)に対応します
  • 院長は放射線治療専門医です。緩和的放射線治療やルテチウム治療など、放射線に関わる治療を受けるべきかどうかの相談、実施施設との連携をお手伝いできます
  • 病院での治療を続けながらの併用が可能です。泌尿器科の主治医と連携して進めます
  • 24時間の連絡体制と、ご自宅での看取りに対応しています

福岡市早良区を中心に訪問診療を行っています。まずはお電話でご相談ください。

参考文献

  1. 国立がん研究センター がん情報サービス「がん統計(前立腺)」.罹患102,094例(2023年)、死亡13,670人(2024年)、5年相対生存率95.7%(2018年診断例)、罹患率168.8・死亡率23.4(人口10万対).2026年7月22日更新.
  2. 国立がん研究センター プレスリリース「2012-2015年の4年間に診断されたがんの5年生存率を公表」.前立腺の5年純生存率:限局105.6%、遠隔転移52.0%.2025年11月19日.
  3. 日本泌尿器科学会・日本放射線腫瘍学会・日本医学放射線学会 編『前立腺癌診療ガイドライン 2023年版』メディカルレビュー社,2023年10月20日(2025年アップデートあり).
  4. Smith MR, Hussain M, Saad F, et al. Darolutamide and Survival in Metastatic, Hormone-Sensitive Prostate Cancer. N Engl J Med. 2022;386(12):1132-1142. DOI: 10.1056/NEJMoa2119115(ARASENS試験、n=1,306、OS ハザード比0.68、95%CI 0.57-0.80、p<0.001)
  5. Fizazi K, Foulon S, Carles J, et al. Abiraterone plus prednisone added to androgen deprivation therapy and docetaxel in de novo metastatic castration-sensitive prostate cancer (PEACE-1): a multicentre, open-label, randomised, phase 3 study with a 2×2 factorial design. Lancet. 2022;399(10336):1695-1707. DOI: 10.1016/S0140-6736(22)00367-1
  6. Parker CC, James ND, Brawley CD, et al. Radiotherapy to the primary tumour for newly diagnosed, metastatic prostate cancer (STAMPEDE): a randomised controlled phase 3 trial. Lancet. 2018;392(10162):2353-2366. PMID: 30355464(低転移量群のOS ハザード比0.68、95%CI 0.52-0.90、p=0.007)
  7. Parker CC, James ND, Brawley CD, et al. Radiotherapy to the prostate for men with metastatic prostate cancer in the UK and Switzerland: Long-term results from the STAMPEDE randomised controlled trial. PLoS Med. 2022;19(6):e1003998.(中央値61.3か月追跡、低転移量群のOS ハザード比0.64、95%CI 0.52-0.79)
  8. Sartor O, de Bono J, Chi KN, et al. Lutetium-177-PSMA-617 for Metastatic Castration-Resistant Prostate Cancer. N Engl J Med. 2021;385(12):1091-1103. DOI: 10.1056/NEJMoa2107322(VISION試験、OS中央値15.3か月 対 11.3か月、ハザード比0.62)
  9. ノバルティスファーマ株式会社 プレスリリース「PSMA陽性転移性去勢抵抗性前立腺がんの治療における日本初の標的放射性リガンド療法として『プルヴィクト®静注』の承認を取得」2025年9月19日.
  10. 日本医学放射線学会・日本核医学会・日本放射線腫瘍学会「放射性リガンド療法『177Lu-PSMA-617』承認に際してのお知らせ」2025年10月.
  11. ファイザー株式会社 プレスリリース「抗悪性腫瘍剤『ターゼナ®カプセル』、去勢抵抗性前立腺がんに対する適応追加承認取得」2026年3月23日(TALAPRO-2試験のOS最終解析に基づく効能・効果の拡大).
  12. 日本泌尿器科学会「前立腺癌に対するPARP阻害薬の適応判断を目的とした遺伝子検査の至適運用に向けた提言」2025年6月.
  13. Parker C, Nilsson S, Heinrich D, et al. Alpha emitter radium-223 and survival in metastatic prostate cancer. N Engl J Med. 2013;369(3):213-223. DOI: 10.1056/NEJMoa1213755(ALSYMPCA試験)
  14. 日本医学放射線学会・日本核医学会・日本泌尿器科学会・日本放射線技術学会「塩化ラジウム(Ra-223)注射液を用いる内用療法の適正使用マニュアル 第二版」.
  15. 厚生労働省医政局医事課長通知「医師法第20条ただし書の適切な運用について」平成24年8月31日 医政医発0831第1号.

※ 本記事は一般の方向けの情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療方針を示すものではありません。実際の治療は、主治医とご相談のうえ決定してください。掲載している統計値・承認状況は執筆時点のものです。薬剤の適応や保険の取り扱いは変更されることがあります。