コロナワクチン、2026-2027年シーズンはどれを打つ?
今シーズン使えるワクチンの違い、公費の対象と自己負担、そして当院がコスタイベを選ぶ理由
10月になると、また「コロナのワクチン、どれを打てばいいですか」というご質問が増えます。今シーズンは、例年よりも答えづらい事情が二つあります。ひとつは、ワクチンに入っている株と、いま実際に流行っている株が、これまでよりも離れていること。もうひとつは、費用が自治体ごとにばらばらになり、福岡市では去年一気に高くなったことです。
この記事では、行政が決めた今シーズンの枠組み、使えるワクチンの違い、そして当院が採用しているコスタイベ(レプリコンワクチン)について、いいところも足りないところも含めて整理します。
先に結論
- 「どれを打つか」より「打つかどうか」のほうが、はるかに大きい差になります。製剤ごとの重症化予防効果を直接比べた試験は存在せず、どれを選んでも重症化を防ぐ効果は期待できます。
- 今シーズンのワクチン株(LP.8.1・XFG)と、いま日本で増えている株(BA.3.2系統=通称「セミ株」)はかなり離れています。それでも接種が勧められるのは、狙いが「感染をゼロにすること」ではなく「重症化を防ぐこと」だからです。
- 当院はコスタイベを採用します。理由は「抗体が高く、12か月後まで差が保たれた」というデータが、年1回・次の接種まで間があく在宅の患者さんの事情に最も合うからです。ただし18歳以上限定、副反応が特に軽いわけではない、という制約もあります(当院では2人1組でのご予約は不要です)。
まず制度:誰が対象で、いつ、いくらか
新型コロナワクチンは2024年10月から、インフルエンザと同じ予防接種法のB類疾病の定期接種になりました。B類には接種の努力義務も自治体からの接種勧奨もありません。本人が希望した場合のみ行う接種です。
・65歳以上の方
・60〜64歳で、心臓・腎臓・呼吸器の機能に障害があり身の回りの生活が極度に制限される方、またはHIVによる免疫の機能に障害があり日常生活がほとんど不可能な方(おおむね身体障害者手帳1級相当)
回数は年度に1回、期間は国の定めでは10月1日〜翌年3月31日が基本ですが、実際の受付期間は自治体ごとに異なります。対象外の方も、自費(任意接種)であれば接種できます。
費用の話を正直に
2024年度は、国が1回あたり8,300円を助成していたため、多くの自治体で自己負担は7,000円前後、福岡市では3,200円でした。この国の助成が2024年度末で終了したため、2025年度からは各自治体が独自にいくら補助するかで金額が大きく変わっています。
福岡市の2025年度の自己負担は12,000円で、福岡県内で最も高い水準でした。そして接種率は、2024年度の15.4%から2025年度は5.3%へ落ち込みました。報道によれば、市はこれを受けて2026年度の助成額を引き上げ、自己負担を県内他自治体並みの8,000円程度に抑える方向で検討しており、9月の市議会に関連予算案を提出する方針とされています。
図2:出典=西日本新聞(2026年7月)、厚生労働省「新型コロナワクチン接種の令和6年度の費用負担について」(自治体向け説明会資料、令和6年3月15日)。生活保護受給世帯・市県民税非課税世帯の方などは自己負担が免除される制度があります。確定額と対象は必ず福岡市の案内でご確認ください。
接種率が3分の1に落ちた背景に費用があるとすれば、それは「医学的に不要になったから打たなくなった」のではありません。お金の問題で打てなかった方がいる、ということです。自己負担が下がるなら、去年見送った方こそ今シーズンは検討する価値があります。
今シーズンのワクチン株は「LP.8.1」
どの株に合わせてワクチンを作るかは、毎年5月ごろに国の小委員会で決まります。2026年5月26日の会議で、2026/27シーズンは「1価のLP.8.1をワクチン抗原とする」ことが決まりました。これはWHOの専門家グループ(TAG-CO-VAC)が同じ月に出した推奨と同じ内容です。
あわせて、XFG(通称ストラタス)とNB.1.8.1(通称ニンバス)も、流行株に対して広く頑健な中和抗体を誘導する抗原として使ってよいとされました。実際、ファイザーもモデルナも武田も、今シーズンはXFGを抗原株に選んでいます。LP.8.1・XFG・NB.1.8.1はいずれもJN.1という共通の祖先から分かれた近い仲間で、互いにある程度は効き合う関係です。
ところが、いま流行っているのは別の系統です
ここが今シーズンいちばん誠実にお伝えしないといけない点です。国の資料にも明記されているとおり、2026年5月の時点で日本国内はNB.1.8.1系統とBA.3.2系統が多くを占めていました。そして春から夏にかけて、置き換わりはBA.3.2系統の側へ進んでいます。
BA.3.2は、2024年11月に南アフリカで見つかった系統です。もとになったBA.3は2022年初めにいったん世界から姿を消しており、それが長い潜伏を経て再登場したことから、研究者のあいだで「Cicada(セミ)」という通称がつきました(WHOやCDCの正式名称ではありません)。WHOは2025年12月5日にこれを「監視下の変異株(VUM)」に指定しています。
問題は、BA.3.2がこれまでの主流だったJN.1系統から系統樹の上で大きく離れていることです。米CDCの報告では、LP.8.1と比べてウイルスが細胞にくっつく部分(受容体結合ドメイン)に20か所、その隣のN末端領域に35か所の違いがあるとされています。単純に言えば、これまでの免疫が見慣れていない形をしている、ということです。
図1:LP.8.1・XFG・NB.1.8.1はJN.1系統というひとつの家系ですが、BA.3.2はその外側から来ています。
では、ズレたワクチンを打つ意味はあるのか
あります。ただし理由をきちんと分けて説明する必要があります。
まず厚生労働省の資料自身が、「JN.1系統のワクチンがBA.3.2系統に対してどれだけ効くかは、動物実験の段階では製剤ごとに結果が異なり、ヒトでのデータは限定的である」と率直に書いています。今後も情報収集を続ける、という但し書きつきです。これは隠されている話ではなく、公開された審議資料に書かれています。
一方で、同じ会議に武田薬品が提出したヒトの臨床試験データは、少し違う景色を見せています。追加接種を受ける前の時点で、BA.3.2に対する抗体価はJN.1系統に対する抗体価よりむしろ高く、JN.1系統のワクチンを追加接種すると、BA.3.2系統に対する抗体もJN.1系統と同程度まで上がった、という結果です。理由は、私たちが武漢株やBA.1〜BA.5系統に何度もさらされてきた記憶(免疫インプリンティング)を持っているからだと説明されています。動物実験で見えたほど悲観的ではない、ということです。
・株がズレている以上、「かからなくなる」効果は期待しすぎないほうがいいのは事実です。
・一方、重症化を防ぐ働きは、中和抗体だけでなく細胞性免疫が支えており、株のズレに比較的強いことが知られています。定期接種の目的も「重症化予防」と法律上定められています。
・そして日本人の多くはすでに複数回の曝露歴があり、追加接種はその記憶を呼び戻す作業になります。
今シーズン使えるワクチン
2026年8月20日時点で公表されている情報を整理します。承認や供給の発表は9月にかけて続くため、最終的な顔ぶれは変わる可能性があります。
図3:出典=各社プレスリリース(ファイザー 2026年8月17日、モデルナ・ジャパン 2026年8月19日、武田薬品 2026年6月26日)、Meiji Seika ファルマ 医療関係者向けサイト(2026年6月25日付「2026-2027年シーズンの供給に関しては決まり次第ご連絡」)。
今シーズンの新顔はエムネクスパイクです。モデルナの次世代製剤で、1回量0.2mL・mRNA 10μg(従来のスパイクバックスの5分の1)で、海外第Ⅲ相試験でスパイクバックスに対する相対的な有効性が確認されています。従来のスパイクバックス12歳以上用は、今年度は販売されません。
選び方の基本:優劣ではなく「相性」で選ぶ
最初に、いちばん大事なことを繰り返します。これら5製剤の重症化予防効果を直接比較した臨床試験は存在しません。比べられているのは中和抗体の値であって、入院や死亡といった結果ではありません。しかも、中和抗体が何倍あれば何%守られる、という換算式(防御の代理指標)は、いまだに確立していません。
ですから「このワクチンのほうが優れている」という言い方は、どの製剤についても言い過ぎになります。現実的な選び方は、こうなります。
| こんな方は | 相性のよい選択肢 |
|---|---|
| mRNAワクチンで強い副反応が出た | ヌバキソビッド(組換えタンパク)。B型肝炎ワクチンなどと同じ、実績のある作り方です |
| 1人で・思い立ったときに打ちたい | コミナティ、エムネクスパイク、ダイチロナ。1人分ずつ用意でき、扱う医療機関も多い(コスタイベも、当院では1人からご予約いただけます) |
| 次の接種まで間があく/通院が難しい | コスタイベ。抗体の持続が長かったというデータがあります(SECTION 08) |
| 18歳未満・お子さん | コミナティ(6ヵ月以上)またはスパイクバックス小児用。コスタイベは対象外です |
| 特にこだわりがない | その医療機関で今日打てるもの。これが最も確実で、最も現実的です |
「いちばん良いワクチンを調べてから」と考えているうちに、流行の波が来て、結局打たないまま冬が終わる。これが実際にいちばん多いパターンです。製剤の差より、接種する/しないの差のほうが桁違いに大きいということは、頭の片隅に置いておいてください。
コスタイベとは何か──レプリコンのしくみ
コスタイベは、米アークトゥルス社が創製し、Meiji Seika ファルマが国内で開発した自己増幅型mRNAワクチン(レプリコンワクチン)です。2023年11月に、この方式としては世界で初めて日本で承認されました。
従来のmRNAワクチンは、注射したmRNAが1本から1個のスパイクタンパク質を作り、そこで分解されて終わります。コスタイベはこれに加えて、RNAを複製する酵素(レプリカーゼ)の設計図を積んでいます。細胞に入ったmRNAが自分自身のコピーを作るため、少ない量でより多くの抗原を、より長い時間つくり続けられる、というのが原理です。実際、mRNAの量はコスタイベが5μg、コミナティが30μgと、およそ6分の1です。
PMDAの審査報告書には、しくみが明記されています。レプリカーゼはベネズエラウマ脳炎ウイルス由来ですが、ウイルスの殻をつくる遺伝子の部分がスパイクタンパク質の設計図に置き換えられているため、接種によって感染力のあるウイルス粒子ができることはありません。また、ヒトの細胞は逆転写酵素を持たないため、mRNAが自分のDNAに組み込まれることもありません。増幅は一時的で、動物実験では接種後7〜8日ごろまでmRNAが高めに保たれ、2週間から1か月ほどで従来型と同じように低下します。
当院がコスタイベを採用する理由
理由1:抗体の高さが、12か月後まで保たれた
国内11施設で828名を対象に、コスタイベとコミナティをランダムに割り付けて比べた第Ⅲ相試験があります。接種1か月後の中和抗体の幾何平均抗体価は、コミナティの1.43倍(95%信頼区間 1.26〜1.63)でした。抗体が4倍以上に上がった人の割合も65.2%対51.6%で、13.6ポイント(同 6.8〜20.5)上回りました。オミクロンBA.4-5対応の2価製剤で行った別の第Ⅲ相試験(930名)でも、BA.4-5に対する抗体価は1.49倍(同 1.26〜1.76)でした。
当院がより重視しているのは、その後の追跡です。同じ試験の12か月時点の解析が『The Lancet Infectious Diseases』に報告されており、3か月目以降、コミナティ側の抗体が先に下がっていくため、両者の差はむしろ開き、12か月後もおよそ2倍の差が保たれていました。50歳以上の年齢層でも同じ傾向でした。
図4:差が開いていくのは、コスタイベが上がり続けるからではなく、比較対象の抗体が先に下がるためです。
理由2:発症予防効果を、プラセボと比べた試験がある
免疫の数値だけでなく、実際の発症で確かめた試験もあります。ベトナムで行われた15,510名のプラセボ対照試験では、2回接種7日後から2か月間の発症予防効果は56.6%(95%信頼区間 48.7〜63.3)でした。重症のCOVID-19に対する有効性は95.3%(同 80.5〜98.9)と報告されています。
ただしこれはデルタ株が流行していた時期に、ワクチン未接種の方に2回接種した試験です。今シーズンの株・今シーズンの製剤・追加接種としての効果を示したものではありません。この点は正確にお伝えしておきます。
理由3:年1回という設計に、いちばん素直に合う
コロナワクチンの定期接種は、法令で年度に1回と決まっています。10月に打った方は、次の機会まで12か月あります。一方で、これまでのmRNAワクチンは感染予防効果が2〜3か月で目立って落ちることが知られていました。冬の後半に流行の波が来たとき、10月に打った免疫がどれだけ残っているかは、実は毎年の課題でした。
「1回で、長く」という設計思想は、この年1回という制度と最も相性がよいものです。当院が選ぶ理由の中心は、ここにあります。
コスタイベの弱いところも書いておきます
推しているものについてこそ、弱点を先に言っておくべきだと考えています。
副反応が「軽い」わけではありません
ネット上では「少量だから副反応が少ない」と説明されることがありますが、国内の直接比較試験の数字を見ると、そう単純ではありません。注射した場所の反応(腫れ・しこり・赤み)はコスタイベのほうが明らかに少ない一方で、頭痛・悪寒・筋肉痛といった全身の反応はコスタイベのほうがやや多めでした。
図5:「腕は楽だが、体はやや重い」というのが、数字から見たコスタイベの副反応の姿です。
そのほかの制約
・18歳以上のみです。18歳未満を対象とした臨床試験は実施されていません。
・前回のコロナワクチンから少なくとも3か月あける必要があります。
・電子添文に「本剤の予防効果の持続期間は確立していない」と明記されています。抗体が12か月保たれたことと、予防効果が12か月続くことは、同じではありません。
・承認条件として、最新の有効性・安全性について文書で説明し、文書で同意をいただいてから接種することが求められています。他のワクチンにはない手続きです。
・現在流通しているのは2人用バイアルのため、医療機関によっては2名そろわないと接種できないことがあります(当院は接種日をまとめて調整するため、2人1組でのご予約は必要ありません)。
・妊娠中の方は、有益性が上回ると判断される場合のみの接種となります。
市販後の安全性はどうか
販売開始からの市販直後調査(5か月時点の中間報告)では、因果関係を否定できない副反応が535例1,993件、うち重篤なものが8例11件、死亡が3例と報告されています。重篤例の内訳は電子添文から予測できる既知の事象が中心で、死亡例はいずれも高齢・多疾患の方で、直接の関連は確定していません。分母となる推定接種者数が数万人規模であることを踏まえると、既存のmRNAワクチンと大きく異なる安全性シグナルは、現時点では出ていないと言えます。
ただし、レプリコン方式は実用化から日が浅く、10年20年という長期の安全性データはまだありません。これはコスタイベに限らず、新しい医薬品すべてに共通する事実です。ここを「わかっている」と言い切ることは、私にはできません。
「シェディング」の心配について
コスタイベについては、接種した人から接種していない人へワクチン成分が伝播する(シェディング)という懸念が、2024年にSNSや一部のメディアで大きく広がりました。ご家族から質問を受けることも実際にあります。
結論から申し上げると、これを裏づける科学的な知見はありません。厚生労働省は「これまでに、レプリコンワクチンを受けた方から他の方にワクチンの成分が伝播するという科学的知見はない」と明示しています。
しくみの上でも、そうなる経路がありません。SECTION 07で触れたとおり、コスタイベが体内でつくるのはスパイクタンパク質と複製酵素であって、ウイルス粒子ではありません。ウイルスの殻をつくる遺伝子そのものが積まれていないので、人から人へ移りうる形のものが出来上がりません。生ワクチン(弱毒化した生きたウイルスを使うもの)でシェディングが起こりうるのとは、根本的に条件が違います。
不安そのものは否定されるものではありません。ご家族のなかで意見が割れているとき、「打つ・打たない」の結論を急がず、何が心配なのかを具体的に一つ挙げてみることをお勧めしています。多くの場合、その一つには答えがあります。そして、どうしても納得できない方に無理に勧めることはしません。ほかに4種類のワクチンがあります。
当院の視点──訪問診療の現場から
1在宅の患者さんには「追加でもう1回」という選択肢が事実上ありません。外来であれば、冬の途中で「そろそろ抗体が落ちてきたので」と受診し直すことができます。訪問診療では、そうはいきません。年に1回、決まった時期に打つ。それがすべてです。だからこそ「12か月後もまだ差が保たれていた」というデータが、当院にとっては他院よりも重い意味を持ちます。抗体価が防御効果と一対一で対応しないことは承知したうえで、持っている手札のなかで、いちばん長く持ちそうなものを選ぶという判断です。
2ワクチンだけでは足りません。高齢の方、とくに認知症のある方は、コロナにかかっても典型的な症状が出ないことがよくあります。熱が出ないまま、食事量が落ちる、ぼんやりする、転ぶ。そういう形で始まります。ですから当院では、ワクチンを打っていただいたうえで、必ずご家族と「いつもと違うと感じたら、その日のうちに連絡する」という取り決めを作ります。そして、発熱時に検査をどこで受けるか、抗ウイルス薬を使う方針にするかどうかを、元気なうちに決めておきます。
3同居のご家族と介護者の接種が、実はいちばん効きます。寝たきりの方がウイルスに出会う経路は限られています。ご家族、ヘルパー、看護師、そして私たちです。ご本人が打てない事情がある場合ほど、周囲を固める意味が大きくなります。
4「今年は見送る」という判断も、きちんと選択肢です。看取りが近い段階の方に、副反応で数日間つらい思いをしていただくことが、本当にご本人のためになるのか。そこは一律には決められません。当院では、残された時間の過ごし方をうかがったうえで、打たないという結論に一緒にたどりつくこともあります。それは敗北ではなく、判断です。
図6:これは当院の考え方であり、他院の判断を否定するものではありません。かかりつけの先生と相談してお決めください。
場面別の早見表
| こんなとき | 目安 |
|---|---|
| いつ打つのがよいか | 10月〜11月。インフルエンザワクチンと同じ時期でかまいません |
| インフルとの同時接種 | 医師が認めれば可能。間隔の制限もありません |
| 帯状疱疹・肺炎球菌と同時に | 同様に可能ですが、副反応の切り分けが難しくなるため当院では日をずらすことが多いです |
| 前回の接種からの間隔 | コスタイベは3か月以上。定期接種としては年度に1回です |
| 最近コロナにかかった | 回復後、体調が戻ってからで大丈夫です。時期は主治医とご相談を |
| 65歳未満で持病がある | 手帳1級相当の障害がなければ定期接種の対象外です。自費接種になります |
| 費用が心配 | 非課税世帯などは自己負担の免除制度があります。区の健康課へご相談を |
| 寝たきりで通院できない | 訪問診療のなかで接種できる場合があります。ご相談ください |
| 接種後に胸の痛み・動悸 | まれに心筋炎・心膜炎の報告があります。速やかに受診してください |
| 接種後30分以内の異変 | アナフィラキシーの可能性。その場で医療者にお伝えください |
よくあるご質問
流行っている株とワクチンの株が違うなら、打っても無駄では?
「感染をゼロにする」目的なら、期待は控えめに見るべきです。ただし定期接種の目的は重症化の予防で、こちらは中和抗体だけでなく細胞性免疫が支えており、株のズレに比較的強いことが知られています。武田薬品が国の会議に出したヒトのデータでも、JN.1系統のワクチンを追加接種するとBA.3.2系統に対する抗体もJN.1系統と同程度まで上がっていました。
去年打ったので今年は打たなくてもいいですか。
感染を防ぐ力は数か月で目立って落ちます。年1回の接種が推奨されているのはそのためです。ただし打つかどうかは本人の希望によります。ご事情を含めて主治医とご相談ください。
コスタイベとコミナティ、結局どちらが効きますか。
入院や死亡といった結果で直接比べた試験はないため、「どちらが効く」とは言えません。比べられているのは抗体の値だけで、抗体が何倍あれば何%守られるという換算式も確立していません。コスタイベの抗体が高く長く保たれたことは事実ですが、それがそのまま臨床効果の差になるとは証明されていません。
レプリコンワクチンは体内でずっと増え続けるのですか。
いいえ。増幅は一時的です。動物実験では接種後7〜8日ごろまでmRNAが高めに保たれますが、接種直後の濃度を超えることはなく、2週間から1か月後には従来型と同じように低下します。また、感染性のウイルス粒子はできず、ヒトのDNAに組み込まれることもありません。
副反応が心配です。いちばん軽いのはどれですか。
断言できるデータはありませんが、mRNAワクチンで強い反応が出た方には、作り方の異なるヌバキソビッド(組換えタンパク)を選択肢としてご説明することがあります。コスタイベは、注射した場所の反応は少なめですが、全身の反応はコミナティよりやや多めというのが試験の数字です。
今年の福岡市の自己負担額はいくらですか。
本稿執筆時点では確定していません。2026年7月の報道では8,000円程度に引き下げる方向で検討中とされ、9月の市議会で決まる見込みです。確定しだい、当院でもご案内します。
ふくろう訪問クリニックでは、福岡市早良区を中心に、緩和ケア・難病・精神科・認知症を専門とする訪問診療を行っています。通院が難しい方のワクチン接種についても、訪問のなかでご相談を承ります。
「打つべきか迷っている」「家族と意見が合わない」というご相談も、遠慮なくお寄せください。結論を押しつけることはいたしません。
※本記事は2026年8月20日時点で公開されている情報にもとづく一般的な解説であり、個別の診断や治療方針を示すものではありません。承認・供給・費用の情報は今後変わる可能性があります。接種の可否は必ず主治医とご相談ください。
※本記事の内容について、記載した製薬企業からの資金提供・便宜供与は一切受けていません。
参考文献・資料
- 厚生労働省健康・生活衛生局感染症対策部予防接種課「2026/27シーズン向け新型コロナワクチンの抗原組成について」第4回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会研究開発及び生産・流通部会 季節性インフルエンザワクチン及び新型コロナワクチンの製造株について検討する小委員会 資料1、2026年5月26日
- 同 議事録(2026年5月26日開催分)
- 武田薬品工業株式会社「2026シーズン新型コロナワクチン株選定について」同小委員会 提出資料、2026年5月26日
- 国立健康危機管理研究機構(JIHS)「新型コロナワクチン製造株」2026年6月更新
- 埼玉県衛生研究所「埼玉県全域における最新のCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)のゲノム情報」2026年7月30日現在
- World Health Organization. TAG-VE Risk Evaluation for SARS-CoV-2 Variant Under Monitoring: BA.3.2. 2025年12月5日
- Centers for Disease Control and Prevention. SARS-CoV-2変異株BA.3.2の早期検出とサーベイランス(全世界、2024年11月〜2026年2月). MMWR, 2026年(巻号は原典をご確認ください)
- ファイザー株式会社 プレスリリース「オミクロン株XFG変異株対応COVID-19ワクチン『コミナティ筋注シリンジ12歳以上用』等 製造販売承認を取得」2026年8月17日
- モデルナ・ジャパン株式会社 プレスリリース「2026/2027シーズン用にオミクロン株XFG対応の新型コロナワクチン『エムネクスパイク筋注シリンジ12歳以上用』の承認取得」2026年8月19日
- 武田薬品工業株式会社 プレスリリース「SARS-CoV-2オミクロン株XFGを抗原株とした『ヌバキソビッド筋注1mL』の製造販売承認事項一部変更承認申請について」2026年6月26日
- Meiji Seika ファルマ株式会社「コスタイベ筋注用」電子添文(2024年9月改訂・第2版)
- Meiji Seika ファルマ株式会社「コスタイベ筋注用 市販直後調査 第5回中間報告(販売開始から5ヵ月間)」
- 独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)「コスタイベ筋注用 審査報告書」令和5年11月
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- 厚生労働省「新型コロナワクチンQ&A」(レプリコンワクチンに関する見解を含む)
- 厚生労働省「新型コロナワクチン接種の令和6年度の費用負担について」新型コロナウイルスワクチンの接種体制確保に係る自治体向け説明会(第34回)資料、令和6年3月15日
- 厚生労働省「10月からの定期接種化等について」令和6年度第2回予防接種自治体向け説明会 資料、令和6年9月24日
- 西日本新聞「福岡市がコロナワクチン接種助成引き上げへ 自己負担8千円程度に」2026年7月
- 福岡市「新型コロナワクチン接種について」

