臨床試験で確かめること

「第Ⅲ相試験で有効性が示された」というニュースを見たとき、その薬について何がわかっていて、何がまだわかっていないのか。臨床試験の段階(相/フェーズ)は、その答えを読み取るための地図です。

この記事では、第Ⅰ相から第Ⅳ相まで、それぞれの段階がどんな問いに答えようとしているのか、どれくらいの人数と期間がかかるのか、そして前期第Ⅱ相・後期第Ⅱ相(フェーズⅡa/Ⅱb)といった細かい区分が何を意味するのかを整理します。

あわせて、2025年に改正された薬機法の条件付き承認制度、2026年に完成した国際的な臨床試験の実施基準(ICH E6(R3))など、直近の制度の動きにも触れます。

SECTION 01「臨床研究」「臨床試験」「治験」は同じ言葉ではない

まず言葉の整理から始めます。ニュースや説明文書ではこの3つがほぼ同じ意味で使われがちですが、日本の制度上は入れ子の関係にあり、それぞれ適用されるルールが違います。

臨床研究は、人を対象とした医学研究の総称です。カルテを後から集計するだけの観察研究も含まれます。そのうち、意図的に薬を使ったり治療を割り付けたりして効果を確かめるものが臨床試験(介入研究)です。さらにそのなかで、国の承認を得るための資料を集めることを目的とした臨床試験だけが治験と呼ばれます。治験は医薬品医療機器等法(薬機法)に定義された法律用語で、GCP省令(医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令)を守る法的義務があります。

治験ではない臨床試験のうち、①未承認・適応外の医薬品等を用いるもの、②製薬企業等から資金提供を受けて医薬品等を用いるもの、この2つは特定臨床研究として臨床研究法の規制を受けます。この法律は、降圧薬ディオバンをめぐる研究不正事案を契機に2017年に制定されたものです。

図1 言葉の入れ子構造(ベン図)と、それぞれに適用されるルール 臨床研究 (人を対象とする研究の全体) 臨床試験=介入研究 (薬を使う・割り付けるなど手を加える) 治験 承認申請の資料を集める 薬機法・GCP省令 特定臨床研究 未承認・適応外/企業資金 臨床研究法 非特定臨床研究 (承認薬を承認どおりに使う研究) 観察研究(法の対象外) 治験 薬機法・GCP省令(遵守義務) 承認申請に提出する臨床試験成績の資料を集める試験。企業が依頼するもののほか、 研究者が自ら計画・実施する「医師主導治験」もある。PMDAへの治験届が必要。 特定臨床研究 臨床研究法(遵守義務) ①未承認・適応外の医薬品等を用いる臨床研究 ②製薬企業等から資金提供を受けた 医薬品等の臨床研究。認定臨床研究審査委員会(CRB)の審査とjRCT登録が必要。 非特定臨床研究・観察研究 臨床研究法(努力義務)・倫理指針 承認済みの薬を承認どおりに使う臨床研究など。基準の遵守は努力義務にとどまるが、 倫理審査と説明・同意は別途必要。観察研究は原則として法の対象外。 ★ 2025年には臨床研究法の施行規則等が改正され、多施設共同研究の全体に責任を負う   「統括管理者」が新たに位置づけられた(国際的な実施体制との整合をとるため)。

図1:4つの言葉は横並びではなく、大きな円のなかに小さな円が入る関係にあります。治験と特定臨床研究は重なりません(治験は臨床研究法の「臨床研究」から除かれています)。治験だけが薬機法の規制下にあり、GCP省令の遵守が法的義務になります。「臨床試験に参加しませんか」と言われたとき、それが治験なのか特定臨床研究なのかで、守られている枠組みが変わります。

SECTION 02「相」は順番の呼び名であって、目的の分類ではない

第Ⅰ相・第Ⅱ相・第Ⅲ相という言い方は広く使われていますが、国際的なルールであるICH E8「臨床試験の一般指針」は、この点についてはっきりと釘を刺しています。開発の相という概念は臨床試験を分類する基礎としてふさわしくない、というのです。

理由は単純で、ひとつの試験が複数の相にまたがることがあるからです。指針は、相ではなく試験の目的で分類するほうが望ましいとし、①臨床薬理試験、②探索的試験、③検証的試験、④治療的使用、という4つの区分を示しています。相はあくまで「典型的にはこの順番で行われる」という記述表現にすぎません。

図2 ICH E8の「目的による分類」と、それが行われることの多い相 臨床薬理試験 主に第Ⅰ相(ほかの相でも) 忍容性の評価、体内での動き(吸収・分布・代謝・排泄)と薬理作用の把握。 治療効果をみることを目的としない試験が中心。 探索的試験 主に第Ⅱ相 目標とする効能に対して効きそうかを探る。用量と反応の関係を調べ、次の段階で 検証すべき用法・用量、評価項目、対象患者の絞り込みを行う。 検証的試験 主に第Ⅲ相 有効性を統計的に証明する。安全性の全体像をつかむ。用量と反応の関係を確認し、 承認申請の根拠となるデータをそろえる。 治療的使用 主に第Ⅳ相(承認後) 実際の診療での有効性・安全性を確かめる。まれな副作用の把握、特別な集団 (高齢者・腎障害・多剤併用など)での使い方の検討。

図2:相と目的はおおむね対応しますが一対一ではありません。「第Ⅱ相試験」と書かれていても、実際にやっていることは薬物動態の詳細な検討かもしれませんし、逆に第Ⅰ相試験で効き目の手がかりが得られることもあります。

この記事の読み方。以下では慣例に従って相ごとに説明しますが、大事なのは番号ではなく「その試験は何を確かめようとしているのか」です。相の番号は、その問いを推測するための手がかりだと考えてください。

SECTION 03第Ⅰ相で確かめるのは「効くか」ではなく「どこまで入れられるか」

第Ⅰ相は、その薬が初めて人に投与される段階です(first-in-human)。ここで確かめようとしているのは有効性ではありません。中心にあるのは次の問いです。

  • 1
    どこまで量を増やせるかごく少量から始めて段階的に増やし、許容できない副作用(用量制限毒性=DLT)が出る手前の量を探ります。ここで決まるのが最大耐量(MTD)です。
  • 2
    体の中でどう動くか血液や尿の中の薬の量を測り、どれくらいの速さで吸収され、どのように代謝・排泄されるかを調べます(薬物動態)。食事の影響や、肝機能・腎機能による違いもこの段階の課題です。
  • 3
    次の段階でいくら使うかMTDと薬物動態のデータから、第Ⅱ相で試す推奨用量(RP2D)を決めます。第Ⅰ相の最終的な成果物はこの1つの数字だと言ってもいいくらいです。

対象者は通常は健康な志願者です。ただしICH E8は、強い毒性を持つ医薬品──たとえば抗悪性腫瘍薬──では健康な人に投与すること自体が不適切なので、患者さんを対象に行うと明記しています。抗がん剤の第Ⅰ相試験に「参加しませんか」と声がかかるのはこのためで、この場合は治療的な意図も同時に含まれます。

古典的な「3+3デザイン」の考え方

用量の増やし方には決められた手順があります。もっとも古典的で、いまも抗がん剤の第Ⅰ相で使われることが多いのが3+3デザインです。

図3 用量漸増(3+3デザイン)の判定の流れ 1 ある用量に、まず3人に投与する 一定期間(多くは最初の1サイクル)内に、あらかじめ定義した用量制限毒性が出るかを見る。 2 3人とも問題なし → 次の用量へ増量 DLT 0/3人 増量幅もあらかじめ決められている。新たな3人で同じ判定を繰り返す。 3 3人中1人に発生 → 同じ用量に3人追加して6人にする DLT 1/3人 6人中1人にとどまれば増量、6人中2人以上ならその用量は「行き過ぎ」と判断する。 4 3人中2人以上に発生 → その用量で増量を止める DLT 2以上/3人 ひとつ下の用量で6人まで評価し、そこが最大耐量(MTD)となる。 この試験の成果物:第Ⅱ相推奨用量(RP2D) MTDそのものとは限らない。安全性・薬物動態・効き目の手がかりを総合して、MTD以下の用量が選ばれることもある。 ★ 分子標的薬や免疫療法では「量を増やすほど効く」とは限らないため、最大耐量を目指す考え方は   見直されつつある。FDAは腫瘍領域の用量最適化を促す取り組み(Project Optimus)を進めている。

図3:3+3は単純さゆえに広く使われてきましたが、少人数の判定なので推定の幅が大きいという弱点があります。近年はベイズ流の統計手法を使った漸増デザインも増えています。

期間と人数の目安。第Ⅰ相試験の人数は数十人(おおむね20〜80人程度)、期間は世界の臨床試験データベースを解析した研究では中央値1.6年と報告されています。ただし「6か月で終わる試験」から「5年かかる試験」まで幅は非常に大きく、この数字は目安にすぎません。

SECTION 04第Ⅰ相より前がある──「第0相」とマイクロドーズ試験

近年は、第Ⅰ相の前にごく小さな試験を挟んで候補物質を早く絞り込む方法があります。日本では「探索的臨床試験」、米国では exploratory IND、俗に第0相(フェーズ0)と呼ばれます。

代表がマイクロドーズ臨床試験です。厚生労働省のガイダンス(2008年)とICH M3(R2)(2010年に国内通知)が実施の枠組みを定めており、投与量の合計が100マイクログラム以下、かつ薬理作用が想定される用量の100分の1以下という、効果も副作用もまず期待できない極微量を投与します。目的はただひとつ、その物質がヒトの体内でどう動くかを早く知ることです。

投与量が極端に少ないぶん、通常の第Ⅰ相を始めるのに必要な動物実験のパッケージも軽くて済みます。ICH M3(R2)は、マイクロドーズ2種類、薬効量以下の単回投与1種類、薬効量までの反復投与2種類の、合計5つのアプローチを示しています。

注意すべき点。第0相は「安全性が確認された」ことを意味しません。投与量が小さすぎて、安全性についても有効性についても何も言えないのが前提です。第0相の結果だけを根拠に有望さを語る情報には距離を置いてください。なお日本では、この手法は期待されたほど定着していないという指摘もあります。

SECTION 05第Ⅱ相──前期(Ⅱa)と後期(Ⅱb)で問いが違う

第Ⅱ相は「探索的試験」です。効きそうな患者さんに実際に使ってみて、効き目の手がかりをつかみ、使う量を決める段階です。ここは実務上、はっきり2つに分かれます。日本の制度でも、PMDAの治験相談の区分に前期第Ⅱ相試験後期第Ⅱ相試験という言葉が正式に登場します。

前期第Ⅱ相(フェーズⅡa):そもそも効くのか

確かめるのは概念実証(proof of concept)です。狙った病気・狙った患者集団で、期待した方向の変化が本当に起きるのか。対照群を置かない単群試験のことも多く、あらかじめ「これ以下なら開発を中止する」という基準を決めておいて、途中で見切りをつける設計(2段階デザインなど)がよく使われます。

後期第Ⅱ相(フェーズⅡb):いくら使えばいいのか

確かめるのは用量と反応の関係です。複数の用量群を置き、プラセボや標準治療と比べて、効果と副作用のバランスがもっとも良い用量・用法・投与期間を決めます。ここで決めた用法・用量が、そのまま第Ⅲ相の設計に持ち込まれます。同時に、第Ⅲ相で使う主要な評価項目と、必要な症例数の見積もりもここで固まります。

ここが最大の関門です。2014〜2023年の臨床開発データを解析したCiteline(Biomedtracker)の集計では、第Ⅱ相を通過して第Ⅲ相へ進むのは28%にとどまります。第Ⅰ相(47%)、第Ⅲ相(55%)と比べて突出して低く、開発中止の最大の発生源です。「動物実験でうまくいった」「第Ⅰ相で安全だった」から先が、いちばん険しい。
代替エンドポイントという近道と、その代償。第Ⅱ相では、生存期間のように結論が出るまで何年もかかる指標ではなく、腫瘍の縮小率(奏効率)、血圧の下がり幅、HbA1cの変化といった代替指標で判断します。これは開発を早めるために必要な工夫ですが、代替指標が改善しても最終的な生存や症状の改善につながらなかった例は珍しくありません。第Ⅱ相の結果が華々しく報じられた薬が第Ⅲ相で消えていく背景には、この構造があります。

SECTION 06第Ⅲ相で確かめるのは「たまたまではない」こと

第Ⅲ相は「検証的試験」です。第Ⅱ相までで見えた効き目が、偶然や思い込みで生じたものではないことを証明する段階です。そのために、いくつもの仕掛けが組み込まれます。

  • 1
    ランダム化(無作為割付)誰がどちらの治療を受けるかを、くじ引きで決めます。医師も患者さんも選べません。これによって、年齢・重症度・生活背景といった目に見えない差が、両群にほぼ均等に散らばります。
  • 2
    盲検化どちらを飲んでいるか、患者さんにも(二重盲検なら医師にも)わからないようにします。「効くはずだ」という期待は、症状の申告にも医師の評価にも影響するからです。
  • 3
    対照群標準治療がある病気なら標準治療と、なければプラセボと比べます。「飲んだら良くなった」だけでは、自然経過なのか薬のおかげなのか区別できません。
  • 4
    主要評価項目をひとつに固定する試験を始める前に「何をもって成功とするか」を1つ決め、公開の登録システムに登録します。終わってから都合のいい指標を選び直すこと(結果の後出し)を防ぐためです。
  • 5
    症例数の事前設計本当は差がないのに「あった」としてしまう危険(第一種の過誤)と、本当は差があるのに見逃す危険(第二種の過誤)の許容度を決めたうえで、必要な人数を計算します。人数が足りない試験は、良い薬を捨ててしまう可能性があります。

比べ方にも種類があります。既存の治療より優れていることを示すのが優越性試験、効果は同程度だが副作用が少ない・使いやすいといった利点を主張したいときは非劣性試験が選ばれます。ニュースで「同等の効果」と書かれていたら、それは優越性を示せなかったのではなく、はじめから非劣性を狙った試験だった可能性があります。

ⅢaとⅢb。承認申請の前に行う第Ⅲ相をⅢa、申請後・承認前に追加で行う試験をⅢbと呼び分けることがあります。Ⅲbは、他剤との比較や生活の質の評価など、承認そのものには必須でないが臨床現場で必要になる情報を集める目的で行われます。

SECTION 07承認後も終わらない──第Ⅳ相と製造販売後の仕組み

第Ⅲ相までに集まるのは、せいぜい数千人分のデータです。しかも参加できるのは適格基準を満たした、比較的状態の整った患者さんに限られます。発売後にはじめてわかることが必ず残ります。

日本では、承認後に次のような仕組みが動きます。

仕組み確かめること
市販直後調査販売開始からの一定期間、重篤な副作用を早期に把握するため、企業が医療機関に集中的に情報提供と注意喚起を行い、副作用情報を集める。
製造販売後調査
(使用成績調査など)
実際の診療で使われた患者さんの情報を集め、治験では組み入れられなかった高齢者・腎障害・多剤併用といった条件での安全性を確認する。
製造販売後臨床試験承認後に、あらためて臨床試験の形で有効性や安全性を確かめる。第Ⅳ相と呼ばれるのは主にこれ。
再審査制度新有効成分の医薬品は、定められた期間が過ぎたあとに、集まったデータをもとに有効性・安全性をあらためて国が確認する。
医薬品リスク管理計画
(RMP)
その薬について「まだわかっていないこと」「特に注意すべきこと」を承認時に文書化し、それをどう監視し、どう医療現場に伝えるかを計画として公表する。

ここで押さえておきたいのは、承認は「安全性が証明された」というゴールではなく、「今わかっている範囲では利益が上回ると判断した」という中間地点だということです。頻度が1万人に1人といった副作用は、数千人規模の第Ⅲ相では原理的に検出できません。発売後に注意喚起が追加されたり、まれに販売が中止されたりするのは、制度が失敗したからではなく、制度がそのように設計されているからです。

SECTION 08数字で見る──何割が次に進み、どれくらいかかるのか

各段階の通過率と所要期間を、公表されている解析からまとめます。

図4 A:次の段階に進む割合(2014〜2023年の臨床開発、Citeline/Biomedtracker) 共通の目盛:0〜100% / 数値は各段階を通過した割合 0% 100% 第Ⅰ相 → 第Ⅱ相 47% 第Ⅱ相 → 第Ⅲ相 28% 第Ⅲ相 → 承認申請 55% 承認申請 → 承認 92% 第Ⅰ相に入った薬が最終的に承認される割合=6.7%(過去の集計のなかで最も低い水準) 図4 B:各相の試験にかかる期間の中央値(2000〜2015年の40万件超を解析) 共通の目盛:0〜4年 0年 4年 第Ⅰ相 1.6年 第Ⅱ相 2.9年 第Ⅲ相 3.8年 第Ⅰ〜Ⅲ相を合計した期間の中央値は、がん以外で5.9〜7.2年、がん領域では13.1年と報告されている。

図4:AとBは別々の解析(対象期間もデータベースも異なる)です。並べて読むための参考値であり、掛け合わせて計算するような使い方には向きません。

数字が食い違って見えるとき、たいていは分母が違います。
1. 日本製薬工業協会は「新薬開発の成功率は約31,000分の1」としています。図4Aの「6.7%(約15分の1)」とは桁が3つ違いますが、矛盾ではありません。前者は合成された化合物を分母にした数字、後者はすでに人への投与にたどりついた薬を分母にした数字です。
2. 「新薬の開発には9〜16年」「9〜17年」「10年以上」といった幅も、起点をどこに置くか(化合物の発見か、非臨床試験の開始か、最初の治験届か)で変わります。
3. 第Ⅱ相の通過率も、集計によって28%・30.7%・35.5%などと差があります。集計対象の年代、使ったデータベース、そして「成功」を次相への移行とみるか試験の統計的成功とみるかの定義の違いによるものです。
いずれの数字も「おおよそこの桁」として読み、出典と分母を確かめてから比べるのが安全です。

段階ごとの早見

図5 各段階で確かめること(右端は対象と規模の目安) 第0相/探索的臨床試験 数人〜十数人・数か月 極微量を投与し、体内での動きだけを早く知る。候補物質の絞り込みが目的で、 安全性についても有効性についても結論は出せない。実施されない開発も多い。 第Ⅰ相 20〜80人程度・中央値1.6年 安全に投与できる量の上限(最大耐量)と、体内での動き。原則は健康な志願者だが、 抗がん剤など毒性の強い薬は患者が対象。成果物は第Ⅱ相推奨用量。 前期第Ⅱ相(フェーズⅡa) 数十〜100人程度 狙った病気で、そもそも効きそうかという手がかり(概念実証)。対照群を置かない 単群試験も多く、途中で見切りをつける基準をあらかじめ決めておく。 後期第Ⅱ相(フェーズⅡb) 100〜300人程度・第Ⅱ相全体で中央値2.9年 用量と反応の関係。複数の用量群を比べ、効果と副作用のバランスが最も良い 用法・用量を決める。第Ⅲ相の評価項目と必要症例数もここで固める。 第Ⅲ相 数百〜数千人・中央値3.8年 有効性が偶然でないことの検証。ランダム化・盲検化・対照群を置き、事前に決めた 主要評価項目で判定する。長期に使ったときの安全性もここで確認する。 第Ⅳ相/製造販売後 数千〜数万人・年単位で継続 実際の診療での有効性・安全性。まれな副作用、長期使用の影響、高齢者や腎障害、 多剤併用といった治験では組み入れられなかった条件での使い方を確かめる。

図5:人数はいずれもおおよその目安です。希少疾患では第Ⅲ相でも数十人ということがありますし、ワクチンの第Ⅲ相では数万人規模になることもあります。

SECTION 09順番どおりに進まない試験が増えている

ここまで相を順番に説明してきましたが、実際の開発では相をまたぐ試験が主流になりつつあります。第Ⅰ/Ⅱ相試験、第Ⅱ/Ⅲ相試験といった表記を見かけるのはそのためで、ひとつの試験計画のなかで、前半の結果を受けて後半に切れ目なく移行します(シームレスデザイン)。

また、患者数が少ない希少がんなどでは、大規模な第Ⅲ相を組むこと自体が難しく、第Ⅱ相で良い結果が得られた段階で承認申請が行われることがあります。

さらに、ひとつの大きな枠組み(マスタープロトコル)のなかに複数の小試験を入れ子にする設計も広がりました。

図6 マスタープロトコルの3つの型 バスケット試験 1つの薬 × 複数の病気 同じ遺伝子変異など共通の特徴をもつ患者を、がんの種類を問わず集めて1つの薬を試す。 例:BRAF V600変異をもつ複数のがんにベムラフェニブを投与した第Ⅱ相試験(2015年)。 アンブレラ試験 1つの病気 × 複数の薬 同じ病気の患者を遺伝子の特徴で分け、それぞれに合いそうな薬を割り当てて同時に試す。 対照群を共有できるため、必要な人数と時間を減らせる。例:肺扁平上皮がんのLUNG-MAP。 プラットフォーム試験 薬が途中で出入りする継続型 試験の枠組みを走らせ続けたまま、有望な薬を追加し、脱落した薬を外していく。 例:新型コロナのRECOVERY試験は、2年足らずで10剤以上の是非に決着をつけた。

図6:米国FDAは2022年に腫瘍領域のマスタープロトコルに関する指針を最終化し、2023年末には領域を広げた指針案を、さらに2026年にはその改訂版を公表しています。制度の側も追いかけている段階です。

この流れが患者さんにとって意味すること。従来なら「対象になる試験がひとつもない」だった希少なタイプの患者さんにも、参加できる枠が生まれやすくなりました。一方で、試験の構造が複雑になったぶん、説明文書を読んで自分がどの群に入りうるのかを理解するのは難しくなっています。わからないところは遠慮なく質問してよい場面です。

SECTION 10誰が見張っているのか──日本の仕組み

治験は、企業や医師が「やりたいからやる」だけでは始まりません。次のような手続きが挟まっています。

仕組み役割
治験届治験を始める前に、各相ごとにPMDA(医薬品医療機器総合機構)へ届け出る。初めて人に投与する治験などでは、一定期間の調査を経なければ開始できない。
GCP省令治験の実施基準。参加者の人権・安全・福祉の保護と、データの信頼性の確保を求める法令。守られていないデータは承認の根拠として使えない。
治験審査委員会
(IRB)
その試験を実施してよいかを、医療機関から独立した立場で審査する。医療の専門家以外の委員も加わる。実施中も継続して審査する。
jRCT厚生労働省が運用する臨床研究・治験の公開データベース。WHOが認める一次登録機関でもある。2020年以降、新規の治験の登録先はここに一本化された。
医師主導治験企業ではなく医師・研究者が自ら計画し実施する治験。企業が採算面で手を出しにくい希少疾患や小児の薬で重要な役割を果たす。
臨床研究中核病院国際水準の臨床研究・医師主導治験の中心を担う病院として医療法に位置づけられ、厚生労働大臣が承認する。九州では九州大学病院と長崎大学病院が承認を受けている。
国際的な実施基準が2026年に完成しました。臨床試験の国際基準であるICH E6は、1996年の初版、2016年の改訂(R2)を経て、2025年1月に原則とAnnex 1が採択され、2026年7月にAnnex 2が採択されて改訂(R3)が完了しました。試験の性質に応じてリスクの大きさに見合った管理を行う考え方(プロポーショナリティ)や、分散型臨床試験・リアルワールドデータの位置づけが盛り込まれています。日本ではこれを反映するGCP省令の改正作業が進んでいます。

SECTION 11早く承認する仕組みと、そこにあるトレードオフ

ここまで見てきたとおり、通常の道のりは10年前後かかります。命に関わる病気で待てない人がいる以上、途中を短くする制度が必要になります。日本には、優先審査、先駆的医薬品指定制度、条件付き承認制度などが用意されています。

そして2025年5月、この分野で大きな法改正がありました。令和7年薬機法等改正(令和7年法律第37号)です。背景には、海外で承認された薬が日本で使えるようになるのが遅れる「ドラッグ・ラグ」と、そもそも日本で開発されない「ドラッグ・ロス」の問題があります。とくに小児用医薬品は、ドラッグラグ品目の約4割を占めるとされてきました。

  • 1
    条件付き承認制度の見直し重篤で代替する適切な治療法がないなど医療上の必要性が高い医薬品について、探索的試験(第Ⅱ相相当)の段階で臨床的有用性が合理的に予測できる場合に承認できるようになりました。従来の制度は承認の取消し規定がなく、欧米の同種の仕組みに比べて適用件数が少なかったため、取消し規定を新設したうえで対象を広げるという組み直しが行われています。
  • 2
    市販後の検証がセットになる条件付きで承認された薬は、発売後に検証的な臨床試験などを行うことが条件になります。そこで有効性が確認できなければ、承認は取り消されます。「早く出す」ことは「確かめる量を減らして出す」ことなので、確かめる作業を後ろにずらす代わりに、外す仕組みを用意した、という構造です。
  • 3
    小児用医薬品の開発計画が努力義務に大人向けの新薬を承認申請する製造販売業者に対し、小児用の開発計画を作り、それに基づいて資料を集めることが努力義務とされました。あわせて、計画を策定した場合は再審査期間の上限を12年まで延ばせるようになります。運用の考え方は2026年2月に通知され、2026年5月1日から適用されています。
私たちが読み取るべきこと。「条件付き承認」「迅速承認」と書かれた薬は、通常の薬より確かめられている量が少ない状態で使われ始めています。それが悪いという話ではなく、そういう約束のもとに前倒しされた薬だ、という前提で使う必要があるということです。効果が思ったほどでない、あるいは予期しない副作用が後から見つかる可能性は、通常の承認薬より高くなります。

SECTION 12「治験に参加しませんか」と言われたときに確かめること

ご本人やご家族が実際に治験を勧められる場面があります。そのときに確かめておきたいことを整理します。

図7 参加を決める前に確かめておきたい7つのこと 1 この試験は何を確かめようとしているのか 安全な量を探す試験なのか、効き目を確かめる試験なのか。相の番号より、この中身が大事。 2 プラセボ(偽薬)に割り付けられる可能性はあるか あるなら、その確率と、その間の標準治療がどうなるのか。割付は本人も医師も選べない。 3 通院と検査はどれくらい増えるか 通常の診療より頻度も項目も増えるのが普通。付き添う家族の負担も含めて見積もる。 4 費用はどうなるか 治験薬や試験のための検査は依頼者の負担、通常診療と共通する部分は保険が使える。 5 健康被害が起きたときの補償と治療はどうなるか 補償の内容は試験ごとに異なる。説明文書のどこに書いてあるかを指してもらう。 6 やめたくなったらやめられるか いつでも、理由を言わずに撤回できる。撤回しても以後の診療で不利益を受けない。 7 jRCTに登録されているか、審査を受けているか 登録番号を教えてもらい、公開情報を自分で確かめられる。ここが確認できない話は疑う。 これらは全部、説明文書に書かれているべき事項です。その場で決めず、持ち帰って読む時間をもらってかまいません。

図7:治験では、文書による説明と同意(インフォームド・コンセント)が法令上の義務です。「口頭で説明したから」で済ませる話ではありません。

治験に入れないとき──拡大治験と患者申出療養

適格基準からわずかに外れる、あるいは組入れが終わってしまった。そういうときのために、2つの制度があります。

拡大治験(人道的見地から実施される治験)は、生命に重大な影響がある重篤な病気で、既存の有効な治療法がない場合に、承認申請の根拠となる最終段階の治験(「主たる治験」)の薬を、その基準を満たさない患者さんに提供する仕組みです。2016年から運用されています。ただし制約があります。実施できるのは主たる治験を実施した(している)医療機関に限られ、担当できる医師もその治験の責任医師・分担医師に限られます。実施は法的義務ではなく、薬の供給に余裕がないなどの理由で実施されないこともあります。要望は主治医から治験の実施者に対して行われます。

患者申出療養は、患者さんの申出を起点に、未承認の医薬品等を保険外併用療養費制度の枠組みで使えるようにする制度です(2016年4月〜)。臨床研究中核病院を通じて国に申請し、専門家の会議で妥当性が評価されます。ただし患者申出療養にかかる費用は全額自己負担で、薬剤費に加えて研究支援の人件費やデータ管理の費用も含まれるため高額になりうること、途中でやめても準備にかかった費用は患者さんの負担になることは、あらかじめ知っておく必要があります。

順番があります。未承認薬を使いたいという相談があったとき、制度上はまず「主たる治験に参加できないか」、次に「拡大治験につなげられないか」を検討し、それでも該当するものがない場合に患者申出療養を考える、という流れが想定されています。
FUKUROU CLINIC
当院の視点

放射線治療専門医として、また訪問診療の現場で、「治験」という言葉が持ち出される場面に何度も立ち会ってきました。そこで感じていることを4つ書きます。

  • 1
    相の番号より、「何を確かめる試験か」を聞いてほしい「第Ⅰ相」と聞くと最先端の治療に思えますが、第Ⅰ相が確かめているのは安全に投与できる量です。逆に「第Ⅲ相」と聞くと確立した治療のようですが、その薬が効くかどうかはまさにこれから決まるところです。番号は難易度でも期待度でもありません。担当医に聞くべきひとことは「この試験は何を確かめようとしているんですか」です。
  • 2
    在宅で療養している方の多くは、そもそも適格基準に入りません全身状態の指標、併存疾患、臓器機能の数値、そして週に何度も通院できること。治験の適格基準はこれらを厳しく求めます。当院がお会いする患者さんの多くは、この時点で対象外です。ご家族から「治験は受けられないんでしょうか」と聞かれることがありますが、対象にならないことは見放されたことではありません。むしろ、その方に合わない介入を受けずに済んだ、と読むこともできます。緩和的な治療も、症状を取る工夫も、その方に対して現在いちばん確かめられている医療です。
  • 3
    「未承認の最先端治療」をうたう自由診療との見分け方治験と自由診療の見分け方は、値段でも「最先端」という言葉でもありません。確かめるのは3つです。jRCTなどに登録され誰でも計画を読めるか。医療機関から独立した委員会の審査を受けているか。そして、費用の出所と補償が文書で示されているか。この3つが揃わないものは、たとえ「フェーズⅡ」と名乗っていても、制度上の臨床試験ではありません。数十万円から数百万円を請求されているなら、なおさら立ち止まってください。ご家族だけで判断せず、一度お聞かせいただければと思います。
  • 4
    拡大治験は、主治医が動かないと始まりません拡大治験は、患者さんが直接申し込む制度ではなく、主治医が治験の実施者に要望を出すところから始まります。つまり、主治医が制度を知らなければ、その道は存在しないのと同じになります。当院は在宅を担う診療所であり、治験を実施する施設ではありませんが、患者さんやご家族が「こういう薬があると聞いた」と口にされたとき、それを黙って流さず、拡大治験の対象になりうるのか、がん相談支援センターにつなぐべきか、まず調べる役割は担えると考えています。他院に通院中の方でも、がん相談支援センターは無料で相談を受け付けています。

SECTION 13場面別・こう読むという早見表

目にした表現読み取り方
第Ⅰ相試験を開始初めて人に投与する段階。効くかどうかはまだ何もわかっていない。ここから承認まで進むのは1割前後。
第Ⅰ相で安全性を確認「重い副作用が出ずに投与できる量が見つかった」という意味。安全な薬だという意味ではない。
第Ⅱ相で有望な結果効き目の手がかりが得られた段階。第Ⅲ相へ進めるのは3割弱で、ここから消える薬がいちばん多い。
奏効率○%腫瘍が一定以上縮んだ人の割合。生存期間が延びることを直接示す数字ではない。
第Ⅲ相で主要評価項目を達成事前に決めた指標で統計的な差が示された。ただし差の大きさが臨床的に意味のある幅かは別問題。
第Ⅲ相で有意差なし効かないと証明されたのではなく、示せなかったということ。人数不足や対象の選び方が原因のこともある。
既存治療と同等の効果非劣性試験の可能性が高い。優越性を示せなかったのではなく、はじめから同等を狙った設計。
条件付きで承認探索的な段階のデータで前倒しされた承認。市販後に検証できなければ取り消される前提で使われる。
海外で承認済み・国内未承認ドラッグ・ラグ。個人輸入ではなく、まず治験・拡大治験・患者申出療養に該当しないかを主治医と確認する。
発売後に注意喚起が追加数千人規模の治験では検出できない頻度の副作用が見つかったということ。制度が働いた結果でもある。
フェーズⅡと称する自由診療jRCT登録・独立した委員会の審査・費用と補償の明示がなければ、制度上の臨床試験ではない。
治験の対象外と言われた適格基準を満たさなかったということ。拡大治験や患者申出療養の可否を、主治医経由で確認できる。

SECTION 14よくある質問

プラセボを飲まされて、治療を受けられないまま終わることはありますか。

がんのように無治療で放置することが倫理的に許されない病気では、プラセボ単独ではなく「標準治療+新薬」対「標準治療+プラセボ」という形をとるのが一般的です。標準治療がない病気ではプラセボ対照になることもあります。どちらなのかは説明文書に必ず書かれているので、そこを指して確認してください。また、割付は途中で自分の希望では変えられません。

治験に参加すると、費用は安くなるのでしょうか。

治験薬そのものや、その試験のために追加で行う検査の費用は依頼者が負担するのが原則です。一方、診察料や入院料といった通常の診療と共通する部分には保険が適用されます。加えて、通院にかかる負担に対して「負担軽減費」が支払われることがあります。ただし内容は試験ごとに違うので、金額と支払い方を事前に確認してください。安くなるかどうかを参加の理由にするのは勧めません。

途中でやめたら、その後の治療で不利益を受けませんか。

受けません。参加は完全に自由意思で、いつでも、理由を説明せずに撤回できます。撤回しても通常の診療は継続され、不利益な取り扱いを受けないことは、説明文書に明記されているはずの事項です。もしそう書かれていなければ、その点こそ質問してください。

第Ⅲ相を飛ばして承認された薬は、信用してよいのでしょうか。

「信用できない」ではなく、「確かめられている範囲が狭い」と考えてください。希少疾患や重篤で代替治療のない病気では、大規模な第Ⅲ相を待っていると多くの患者さんが間に合いません。その判断としての前倒しです。2025年の薬機法改正では、こうした前倒し承認に取消し規定が設けられ、市販後に有効性を検証できなければ承認を外せるようになりました。使う側としては、効果と副作用を通常より丁寧に見ていく必要がある薬だ、という理解が適切です。

高齢で在宅療養中でも参加できる治験はありますか。

数は限られますが、皆無ではありません。近年は、来院を減らして在宅で経過を追う「分散型臨床試験」の考え方が国際的な基準にも盛り込まれ、参加者の集団を不必要に狭めないことが原則として掲げられています。とはいえ現時点では、通院や検査の要件が実質的な壁になっている試験がほとんどです。まずは通院先の担当医か、がん相談支援センターに、現在の状態で対象になりうるかを聞いてみるのが早道です。

日本で行われている治験を、自分で調べることはできますか。

できます。厚生労働省のjRCT(臨床研究等提出・公開システム)で、企業治験・医師主導治験・特定臨床研究を検索できます。PMDAのウェブサイトでは、拡大治験の対象となりうる「主たる治験」の情報も公開されています。ただし、そこに載っているのは参加者を募集するための情報ではなく、あくまで計画の公開です。参加を希望する場合は、必ず担当医を通して進めてください。

ふくろう訪問クリニックからのご案内

ご本人やご家族が、治験や未承認治療の話を持ちかけられて迷っておられるとき、その情報が制度上どういう位置づけのものなのかを一緒に整理することはできます。「こういう治療があると聞いたのですが」という切り出し方で結構です。訪問診療の場でも、ご相談としてお受けしています。

当院は福岡市早良区を中心に、緩和ケア・難病・精神科・認知症の在宅医療を行っています。通院が難しくなった方の療養について、まずはご連絡ください。

参考文献・出典
  1. ICH E8「臨床試験の一般指針」(平成10年4月21日 医薬審第380号)独立行政法人医薬品医療機器総合機構
  2. ICH E6(R3)「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)ガイドライン」原則およびAnnex 1:2025年1月採択/Annex 2:2026年7月採択(International Council for Harmonisation)
  3. ICH M3(R2)「医薬品の臨床試験及び製造販売承認申請のための非臨床安全性試験の実施についてのガイダンス」(平成22年2月19日 薬食審査発0219第6号)
  4. 「マイクロドーズ臨床試験の実施に関するガイダンス」(平成20年6月3日 薬食審査発第0603001号)厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知
  5. 医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令(GCP省令、平成9年厚生省令第28号)
  6. 臨床研究法(平成29年法律第16号)および臨床研究法施行規則(平成30年厚生労働省令第17号)
  7. 厚生労働省医政局研究開発政策課「臨床研究法の改正について」
  8. 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律(令和7年法律第37号、2025年5月21日公布)/改正薬機法第14条の2の2、第14条の8の2
  9. 厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会「薬機法等制度改正に関するとりまとめ」令和7年1月10日
  10. 「『成人を対象とした医薬品の開発期間中に行う小児用医薬品の開発計画の策定について』の一部改正について」(令和8年2月27日 医薬薬審発0227第8号)厚生労働省医薬局医薬品審査管理課長通知、令和8年5月1日適用
  11. 「人道的見地から実施される治験の実施について」(令和6年9月13日 医薬薬審発0913第2号)/PMDA「人道的見地から実施される治験について」
  12. 厚生労働省「患者申出療養制度」および保険外併用療養費制度に関する資料(中央社会保険医療協議会)
  13. PMDA「治験相談等(新医薬品)」(前期第Ⅱ相・後期第Ⅱ相の相談区分)
  14. jRCT 臨床研究等提出・公開システム(厚生労働省)
  15. 厚生科学審議会臨床研究部会「治験・臨床試験の推進に関する今後の方向性について 2025年版とりまとめ」令和7年
  16. Wong CH, Siah KW, Lo AW. Estimation of clinical trial success rates and related parameters. Biostatistics. 2019;20(2):273-286. doi:10.1093/biostatistics/kxx069(PMID: 29394327。訂正:Biostatistics. 2019;20(2):366. doi:10.1093/biostatistics/kxy072)
  17. Citeline/Biomedtracker「Why Are Clinical Development Success Rates Falling?」(2014〜2023年の相間移行率および第Ⅰ相からの承認到達率の分析)
  18. Woodcock J, LaVange LM. Master protocols to study multiple therapies, multiple diseases, or both. N Engl J Med. 2017;377(1):62-70. doi:10.1056/NEJMra1510062
  19. Park JJH, Siden E, Zoratti MJ, et al. Systematic review of basket trials, umbrella trials, and platform trials: a landscape analysis of master protocols. Trials. 2019. doi:10.1186/s13063-019-3664-1
  20. Hyman DM, Puzanov I, Subbiah V, et al. Vemurafenib in multiple nonmelanoma cancers with BRAF V600 mutations. N Engl J Med. 2015;373(8):726-736. doi:10.1056/NEJMoa1502309
  21. U.S. Food and Drug Administration. Master Protocols: Efficient Clinical Trial Design Strategies to Expedite Development of Oncology Drugs and Biologics(2022年3月最終化)/Master Protocols for Drug and Biological Product Development(2023年12月ドラフト、2026年改訂)
  22. 国立がん研究センター中央病院「治験・臨床試験とは」/国立がん研究センター がん情報サービス「研究段階の医療(臨床試験、治験など)」
  23. 日本製薬工業協会「くすりの開発」(製薬協ガイド2025)、「くすりの情報Q&A」
  24. 医療法に基づく臨床研究中核病院の承認要件および承認病院一覧(厚生労働省)

本記事は一般の方向けの解説であり、特定の臨床試験への参加や不参加を勧めるものではありません。個別の治療方針は、必ず担当の医師にご相談ください。また、記載した数値は集計対象や定義によって幅があり、公表時点の情報に基づいています。制度は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・PMDAの公表資料をご確認ください。記事中に挙げた製薬企業・医療機関から資金提供や便宜供与は受けていません。