甲状腺がん末期の治療・療養
― 息の通り道と、飲めなくなったときの薬 ―

甲状腺がんは、「もっとも治りやすいがん」として語られることの多い病気です。実際、5年相対生存率は94.7%。数字だけを見れば、末期という言葉とは縁が遠いように思えます。

けれども、その平均の裏側には、まったく性質の違ういくつもの病気が同居しています。20年以上つき合っていく乳頭がんと、診断から数か月で進む未分化がんが、同じ「甲状腺がん」という名前で呼ばれています。そして、進行した甲状腺がんの療養には、他のがんにはあまり見られない特徴が二つあります。ひとつは、主戦場が「息の通り道」であること。もうひとつは、手術のあとに毎日飲んでいる薬が、飲めなくなったときに問題になることです。

このコラムでは、甲状腺がんが進行したときに体で何が起きるのか、どんな治療が残されているのか、そして自宅で過ごすとき何ができるのかを、できるだけやさしい言葉で整理します。在宅診療の部分は、一段深く掘り下げました。

ふくろう訪問クリニック(福岡市早良区)/ 緩和ケア・難病・在宅医療

SECTION 01

数字で見る甲状腺がん ― 平均に隠れているもの

国立がん研究センターの「がん統計」によると、日本で1年間に甲状腺がんと診断されるのは16,505例(2023年)で、内訳は男性4,445例、女性12,060例です。女性が男性のおよそ2.7倍を占めます。一方、甲状腺がんで亡くなる方は1,887人(2024年)(男性597人、女性1,290人)。人口10万人あたりでみると、診断されるのが13.3例、亡くなるのが1.6人です。そして5年相対生存率は94.7%(男性91.3%、女性95.8%)となっています。

この数字を読むときの三つの注意

① 集計の「時点」がそろっていません。罹患数は2023年、死亡数は2024年、生存率は2009〜2011年に診断された方の追跡結果です。生存率だけが十数年前の集計であることは、頭の片隅に置いておいてください。

② 94.7%は「平均」です。ほとんど寿命に影響しない小さな乳頭がんから、診断から数か月で進む未分化がんまでを、すべて足して割った数字です。ご本人の見通しを表すものではありません。

③ 診断される人は増えているのに、亡くなる人は増えていません。1990年代から罹患率が急に上がった一方、死亡率はむしろゆるやかに下がっています。これは超音波検査が普及し、放っておいても生涯症状を出さなかったであろう小さな乳頭がんが見つかるようになったためと考えられています。日本内分泌外科学会のガイドラインは、家族歴や小児期の頸部被ばく歴などのリスクがない無症状の成人に対して、超音波による甲状腺がん検診は行わないことを推奨しています(エビデンスの確実性B/推奨度 弱)。

甲状腺は、のどぼとけの少し下にある、蝶のかたちをした小さな臓器です。左右の羽にあたる部分(葉)が気管を左右から抱きかかえるように付き、その前面を細い橋(峡部)がつないでいます。ここでつくられる甲状腺ホルモンは、体温を保ち、心臓を動かし、食べたものを燃やすという「体の火加減」を担っています。そして甲状腺のすぐ裏の溝を声を出す神経(反回神経)が走り、気管のすぐ後ろを食道が、外側を頸動脈が通っています。狭い場所に、大事なものが密集しているのです。

首という狭い部屋 ― 甲状腺のまわりにあるもの 首を輪切りにした図(からだの前が上、後ろが下) 気管 息の通り道 甲状腺 甲状腺 峡部(左右をつなぐ部分) 食道 甲状腺 気管を左右から挟むように付いている 気管 押される・食い込まれると息が苦しくなる 反回神経/頸動脈 声のかすれ、まれに大量出血の原因になる 食道 飲み込みにくさ・むせの原因になる
図1:甲状腺は左右の葉が気管を挟み、前面の峡部でつながっています。裏側の溝を反回神経が、すぐ後ろを食道が、外側を頸動脈が通ります。この「密集」が、進行したときの症状のかたちを決めます。
SECTION 02

ステージⅣと「末期」は同じではありません

これはどのがんでも大切なことですが、甲状腺がんではとりわけ強調しておく必要があります。理由は二つあります。

ひとつめ。甲状腺がん(乳頭がん・濾胞がん・低分化がん)のステージ分類は、55歳を境に、まったく別の物差しに切り替わります。55歳未満の場合、腫瘍の大きさもリンパ節転移の数も問われません。遠くの臓器への転移があるかないかだけで、Ⅰ期かⅡ期に分類されます。Ⅲ期以上という区分そのものが存在しないのです。つまり40代の方に肺転移が見つかっても、それは「Ⅱ期」です。年齢によって見通しが大きく違うという事実が、分類そのものに組み込まれています。

ふたつめ。実際の生存成績が、他のがんとかなり違います。全国がんセンター協議会加盟施設のデータでは、甲状腺がんの10年相対生存率はⅠ期100%、Ⅱ期100%、Ⅲ期96.2%、そしてⅣ期でも57.3%です。さらに、診断から5年生きた方(5年サバイバー)のその後の5年相対生存率は、男性97.9%、女性99.3%と推定されています。

「ステージⅣ」と「末期」は、別のことを指しています ステージⅣ = 広がりの「地図」 ・どこまで広がっているかの分類 ・診断されたその時点で決まる ・55歳未満はⅢ期以上の区分がない ・Ⅳ期でも10年相対生存率57.3% → 治療の選び方を決めるための地図 末期 = 体力の「時間」 ・治療でがんを抑えきれなくなった状態 ・日ごと、月ごとに変わっていく ・食事量・動ける範囲・眠る時間で判断 ・未分化がんでは数週間で状況が変わる → 過ごし方を決めるための時計
図2:ステージは「どこまで広がったか」の地図、末期は「どれだけ体力が残っているか」の時計。甲状腺がんでは、この二つのずれがとりわけ大きくなります。

ですから、「ステージⅣと言われた」ことと「もう長くない」ことは、甲状腺がんではまったく別の話である場合が非常に多いのです。肺に転移があっても、10年、20年と穏やかに暮らしておられる方は珍しくありません。一方で、次に述べるように、数週間単位で状況が変わるタイプもあります。同じ病名の中に、これほど幅のあるがんは他にありません。

SECTION 03

五つのタイプ ― 経過のかたちがまるで違う

甲状腺がんは、顕微鏡で見たときの顔つきによっていくつかのタイプに分けられます。そして、このタイプの違いが、生存年数も、使える治療も、療養の組み立ても決めてしまいます。「甲状腺がんです」という言葉だけでは、まだ何もわからないと考えてください。

五つのタイプと、経過のかたち 右のグラフは「がんの勢いの増え方」。横軸は時間ですが、目盛りの長さはタイプごとに違います(右端の表示をご覧ください)。 タイプ 診断 時間の経過 ▶ 乳頭がん(約9割) もっとも多い。多くはゆっくり進む。 転移があっても年単位・十年単位で経過する 目盛り:10年〜20年以上 濾胞がん 血流に乗って肺や骨へ飛ぶ。 骨転移が療養の中心課題になりやすい 目盛り:年単位 髄様がん(1〜5%) 約4割が遺伝性。ヨウ素治療が効かない。 血液のカルシトニン値で進み方を見る 目盛り:年単位 低分化がん(0.7%前後) 乳頭・濾胞がんと未分化がんの中間の性質。 ステージ分類は55歳で切り替わる 目盛り:月〜年単位 未分化がん(1〜2%) 週単位で大きくなる。生存期間中央値113日。 約半数が窒息・気道閉塞で亡くなる 目盛り:週〜数か月 同じ横幅でも、経過する時間はごく短い
図3:同じ「甲状腺がん」でも、勢いの増え方も、その経過にかかる時間の長さもまるで違います。グラフの横幅は同じでも、乳頭がんの一目盛りは十年単位、未分化がんの一目盛りは週単位です。未分化がんの数値は甲状腺未分化癌研究コンソーシアム(ATCCJ)の通常型547例の解析より。

未分化がんについて、もう少し具体的に書きます。全国の施設が参加する甲状腺未分化癌研究コンソーシアム(ATCCJ)が集めた677例のうち、通常型と分類された547例(平均68.7歳)では、生存期間の中央値は113日、6か月の疾患特異的生存率は36%、1年生存率は18%でした。1年を超えて生存した方は84例(15%)です。予後を悪くする因子として、①1か月以内の急激な悪化、②5cmを超える腫瘍、③遠隔転移、④白血球1万/µL以上の4項目に加え、甲状腺の外への浸潤と70歳以上が挙げられています。この4項目のうちいくつ当てはまるかを「予後指数」として、積極的な治療を目指すか、苦痛を取ることを優先するかを個別に判断する考え方が提案されています。

未分化がんが疑われたら、遺伝子の検査を急ぐ理由

未分化がんの一部にはBRAF V600Eという遺伝子変異があり、その場合はダブラフェニブとトラメチニブという二つの薬の併用が有効です。ガイドラインでもこの併用は「推奨(エビデンスの確実性B/推奨度 強)」とされています。ただし、この病気は待ってくれません。検査結果が出るまでに病状が進んでしまうことが予想される場合には、先にレンバチニブを始めるという判断もありえます。「調べる時間があるかどうか」自体が、治療方針の一部になるのが未分化がんの難しさです。

SECTION 04

進行したときに現れる症状

甲状腺がんが進行したときの症状は、多くのがんと違って「痛み」から始まらないことがよくあります。首という狭い部屋の中で、何が押され、何に食い込んでいるかによって、出てくる症状が決まります。

進行したときに出やすい七つの症状 1. 息苦しさ・ゼーゼー 気管が押される、食い込まれる 吸うときに音が鳴るのが特徴 → 最も注意すべき症状 2. 声のかすれ 反回神経が巻き込まれる 息もれのような弱い声になる 誤嚥のサインでもある 3. むせ・飲み込みにくさ 食道への広がり、声帯の麻痺 水分でむせやすくなる 発熱があれば誤嚥性肺炎を疑う 4. 首のしこり・皮膚の変化 皮膚を破って外に出ることも におい・浸出液・出血 見た目の変化がつらさになる 5. 骨の痛み 濾胞がんに多い骨転移 背中・腰・肋骨・骨盤 痛みの質が変わったら要注意 6. 咳・息切れ 肺転移。ただし年単位で 無症状のまま経過することも 多い 7. 全身の消耗・食欲低下 体重が落ちる、疲れやすい ホルモン不足でも同じ症状が出るため、 「がんのせい」と決めつけない + タイプ特有の症状 髄様がん:下痢、顔のほてり 手術後:手足や口まわりのしびれ、 こむら返り(カルシウム不足)
図4:症状マップ。1〜3が首の中で起きること、4が外に出てくること、5〜6が離れた場所のこと、7が全身のことです。
SECTION 05

治療はどこまで進んでいるのか

甲状腺がんの治療には、他のがんにはない独特の順番があります。まず手術。次に放射性ヨウ素の内服治療。そして甲状腺ホルモン薬でTSH(甲状腺刺激ホルモン)を抑える治療。ここまでが効かなくなってはじめて、分子標的薬の出番になります。

分化がん(乳頭がん・濾胞がん)の治療の流れ ① 手術 全摘 または 片葉切除 ② 放射性ヨウ素 I-131を内服(要 隔離入院) ③ TSH抑制療法 甲状腺ホルモン薬を多めに ヨウ素が 効かなくなる ④ 分子標的薬 ― まず遺伝子を調べてから選ぶ時代に 遺伝子の異常が見つからない場合 … レンバチニブ/ソラフェニブ(複数の標的をまとめて狙う薬) BRAF V600E … ダブラフェニブ+トラメチニブ / RET … セルペルカチニブ NTRK融合遺伝子 … ラロトレクチニブ、エヌトレクチニブ / TMB高値 … ペムブロリズマブ
図5:治療の流れ。②の放射性ヨウ素治療は専用の病室が必要で、実施できる施設が限られています。

「ヨウ素が効かない」とは、どういう状態か

放射性ヨウ素(I-131)は、甲状腺の細胞がヨウ素を取り込む性質を利用した治療です。この性質が失われると、飲んでも転移巣に届きません。日本核医学会の指針では、適切な準備(1〜2週間のヨウ素制限、TSHを十分に上げた状態)のもとで治療を行ったうえで、次のいずれかに当てはまる場合を「ヨウ素不応(RAI不応)」としています。

  • 全身シンチグラムでヨウ素の集積がまったくない、あるいはきわめて淡い病変がある
  • 集積は良好なのに、3〜4回の治療のあとに大きくなる病変がある
  • これまでに投与した累積線量が22.3GBq(600mCi)以上に達している

分化がん全体の10年生存率が約90%であるのに対し、ヨウ素不応となった集団では約10%まで下がると報告されています。ここが、甲状腺がんの経過における大きな分かれ目です。

分子標的薬でどこまで変わったか

対象わかっていること
レンバチニブヨウ素不応の分化がん/未分化がんを含む根治切除不能な甲状腺がんSELECT試験(392例)で、無増悪生存期間の中央値が18.3か月(プラセボ3.6か月)、ハザード比0.21。奏効率64.8%(プラセボ1.5%)。2015年に国内承認。1日1回24mg
ソラフェニブヨウ素不応の分化がんDECISION試験で無増悪生存期間を有意に延長
ダブラフェニブ+トラメチニブBRAF V600E変異のあるがん2023年11月に「標準的な治療が困難なBRAF遺伝子変異を有する進行・再発の固形腫瘍」として承認。甲状腺未分化がんの奏効率56%
セルペルカチニブRET遺伝子変異/融合のあるがん髄様がんの初回治療で、従来の薬より無増悪生存期間を有意に延長。ガイドラインは「推奨(B/強)」
ラロトレクチニブ
エヌトレクチニブ
NTRK融合遺伝子のあるがん臓器を問わず使える。甲状腺がんでの報告例は少数

いつ始めるか、いつやめるか

分子標的薬は、がんを消す薬ではありません。大きくなる速度を遅らせる薬です。そしてヨウ素不応になっても、分化がんの進行はゆるやかなことが多く、長く無症状で過ごせる方がたくさんおられます。だからこそ「いつ始めるか」が難しい判断になります。3〜6か月ごとのCTでの大きさの変化、血液のサイログロブリン値が2倍になるまでの時間(倍加時間)、症状の有無、そしてご本人の暮らし方を合わせて考えます。

やめどきの目安を、下の表にまとめました。

こうなったら考えること
血圧が下がらない降圧薬を足しても管理できない高血圧は、減量・休薬の理由になります(レンバチニブでは高血圧が最も多い副作用)
体重が落ち続ける食欲低下・下痢・倦怠感が重なると、薬の効果より生活の質の低下が上回ることがあります
ベッドで過ごす時間が半分を超えた体力が保てない状態では、副作用だけが残ります
出血のサインが出た血痰、皮膚のただれからのにじみ出る出血。ただちに主治医へ(次のセクション参照)
飲み込めなくなった薬をきちんと飲めないこと自体が中止の理由になります
本人が「もう十分」と言ったこれは正当な医学的判断の材料です。緩和ケア中心へ切り替えます
当院の視点

息の通り道 ― 甲状腺がん療養の主戦場

多くのがんでは、終末期の中心にあるのは痛みです。甲状腺がんは違います。中心にあるのは、息の通り道です。

局所的に進行した甲状腺がんでは、およそ50%に気管への浸潤、23%に食道への浸潤が認められると報告されています。そして未分化がんでは、亡くなる方の約半数が上気道の閉塞・窒息によるものとされています。これは、療養の設計をまるごと変える事実です。

狭くなり方には三つの型があります

気道が狭くなる三つの型 ① 外から押される 腫瘤が大きくなって 気管をつぶす(圧排) 照射で縮めば戻ることも ② 壁に食い込む 気管の内側までがんが 入り込む(浸潤) 血痰が出ることがある ③ 声帯が動かない 左右の反回神経が両方 麻痺して声門が開かない 急に起こることがある
図6:三つの型は同時に起こることもあります。どの型が主体かによって、照射が効くのか、気道を確保する処置が要るのかが変わります。

見逃してはいけないサイン

気道が狭くなるとき、体は驚くほど上手に代償します。だから、はっきり苦しくなったときには、すでにかなり細くなっていることが多いのです。「苦しい」と言い出す前のサインを、ご家族に覚えておいていただきたいと思います。

  • 吸うときに音が鳴る:ぜんそくの「ヒュー」は息を吐くときですが、気道が狭いときは吸うときに鳴ります。これは受診の理由になります
  • 息切れの敷居が下がっていく:階段で苦しい → 平地で苦しい → 座っているだけで苦しい、という順に進みます。1週間前と比べてどうかを見てください
  • 横になると苦しい:枕を増やしたくなる、座って寝るようになる
  • 声が急に出しにくくなった:片方だけの麻痺は声のかすれですが、両方だと息が通らなくなります
  • 食事のときにむせる、痰がからむ:飲み込みと呼吸は同じ通り道を共有しています

気管切開を、するのかしないのか

これは、甲状腺がんの療養で避けて通れない相談です。気管切開は、のどに穴を開けて空気の通り道を確保する処置で、窒息を防ぐには最も確実な方法です。一方で、声を失うこと、痰の吸引が毎日必要になること、そして未分化がんでは気管切開をしてもなお進行によって呼吸が保てなくなることがあることも、正直にお伝えする必要があります。

大切なのは、息が苦しくなってから考え始めないことです。実際にその瞬間が来ると、ご本人は話せる状態ではなく、ご家族は数分で決断を迫られます。当院では、通院ができているうちに、あるいは訪問診療を始めた早い時期に、この話を一度しておくようにしています。「決める」というより、「どちらの選択にも理由があることを、あらかじめ知っておく」ための話し合いです。

息苦しさそのものを、和らげる

気道を広げられない場合でも、苦しさを取ることはできます。日本緩和医療学会の『進行性疾患患者の呼吸困難の緩和に関する診療ガイドライン2023年版』では、がん患者の呼吸困難に対するモルヒネの全身投与が検討されています。ご家庭でできることを挙げると、

  • モルヒネ:呼吸を止める薬ではありません。少量から使い、「空気が足りない」という感覚そのものを鈍らせます。飲めなければ持続皮下注射で投与できます
  • ステロイド:腫れによる圧迫の部分をやわらげ、短期間ですが通りをよくすることがあります
  • 酸素:酸素の値が下がっていれば有効です。在宅酸素は自宅に機械を置いて使えます
  • 顔に風を当てる:扇風機やうちわで頬に風を送るだけで、息苦しさが軽くなることが知られています。薬より先に試せます
  • 体の向き:ベッドの頭側を上げ、前かがみに寄りかかれるクッションを置く
  • 不安への対応:息苦しさは恐怖と結びついて増幅します。そばにいる、手を握る、部屋を静かにする。これは治療の一部です
  • それでも取りきれない苦しさには、鎮静という選択肢があります。眠っていただくことで苦痛から離れる方法です
当院の視点

放射線が、まだ役に立つ五つの場面

甲状腺がんの治療というと「放射性ヨウ素の内服」が思い浮かびますが、それとは別に、体の外から当てる放射線治療(外照射)があります。抗がん剤や分子標的薬をやめた後でも、あるいは最初から使わないと決めた方でも、症状を取る目的で放射線が役に立つ場面があります。

在宅療養中でも「照射だけ通う」ことが現実的な五つの場面 1 骨転移の痛み 1回〜数回の照射で痛みがやわらぐことが多い 2 背骨の転移・脊髄の圧迫 麻痺が出てからでは戻りにくい。前が勝負 3 気管・食道の圧迫 腫瘤を縮めて通り道をゆるめる 4 首の腫瘤からの出血・におい 止血の目的で当てることがある 5 脳転移 定位照射・全脳照射。ガイドラインは推奨(B/強) 「もう治療はしない」と決めた方でも、 症状を取るための照射は別の話です
図7:緩和目的の放射線治療。数日から1〜2週間の通院で終わる短期間の照射が中心になります。

ガイドラインでも、単発あるいは少数の骨転移・肺転移に対する局所治療は「生活の質の維持・改善が期待できる場合に行うことを提案する」とされ、脊髄圧迫症状のある背骨の転移や骨折しそうな四肢の骨に対する手術、そして脳転移に対する局所治療(手術・定位照射・全脳照射)は、いずれも「推奨」とされています。骨転移そのものに対しては、骨を守る薬(骨修飾薬)の使用も推奨されています。

当院の院長は放射線治療専門医です。「今から照射する意味があるか」「通える体力で終えられる回数か」「今回のつらさは照射で取れる種類のものか」という判断は、経験の差が出るところです。在宅診療を受けながら、必要な時期に必要な照射だけを受けるという組み立てを、当院ではご提案しています。

ここから在宅診療のはなし
SECTION 08

自宅で過ごすための仕組みを、先に知っておく

ここからは、実際に自宅で療養するときの制度と実務を、一段細かく書きます。「使えるはずの制度を知らなかった」という理由でご家族が消耗されることが、本当に多いからです。

訪問診療と往診は、違うものです

訪問診療は、あらかじめ計画を立てて定期的に伺うものです(週1回、隔週1回など)。往診は、具合が悪くなったときに臨時で伺うものです。訪問診療の契約をしていれば、必要なときの往診は24時間体制でつながります。「定期の訪問があるから、夜中に何かあっても呼べる」という関係が土台になります。

訪問診療は「末期」になってから始めるものではありません

訪問診療の条件は「通院が困難であること」です。末期であることは条件ではありません。首の腫瘤で外出したくない、息切れで駅まで歩けない、体力が落ちて診察を待つのがつらい ―― こうした段階でも十分に対象になります。むしろ、早い時期に始めていただいたほうが、いざというときの判断が速くなります。初めてお会いする日が急変の日、という状況は、誰にとっても不利です。

末期がんでは、訪問看護の枠が大きく広がります

ここは制度の話ですが、知っておく価値が非常に高い部分です。訪問看護は通常、介護保険で週3回までといった制限のもとで使われます。ところが「末期の悪性腫瘍」は厚生労働大臣が定める疾病等(別表第七)に含まれており、この場合は次のように扱いが変わります。

末期がんで広がる訪問看護の枠 ふだんの訪問看護 介護保険が中心 おおむね週3回まで 1日1回 ステーションは原則1か所 末期の悪性腫瘍(別表第七) 医療保険に切り替わる 日数の制限なし(毎日でも可) 1日に複数回の訪問ができる 2〜3か所のステーションを併用できる
図8:末期がんという診断がつくと、訪問看護の使い方の前提が変わります。

よくある誤解:「特別訪問看護指示書がないと毎日来てもらえない」

これは末期がんに関しては誤解です。特別訪問看護指示書は、本来は別表第七に該当しない方が一時的に頻回の訪問を必要とするときの仕組みです。末期の悪性腫瘍はもともと別表第七に該当するため、この指示書を待たずに、最初から毎日の訪問が可能です。「指示書が出るまで待ちましょう」と言われて数日を無駄にする必要はありません。

代わりに確認していただきたいのは、①1日に複数回来てもらえる体制になっているか、②2〜3か所のステーションを組み合わせて夜間・休日を厚くできるか、③点滴が必要なら訪問点滴の指示書(有効期間7日以内。週3日以上の点滴に必要)が出ているか、の3点です。③は、後で述べる甲状腺ホルモンの点滴を行う場合にも関係します。

年齢によって、使える制度が変わります

  • 65歳以上:介護保険を使えます。介護ベッド、車いす、手すり、訪問介護、訪問入浴など
  • 40〜64歳:「末期がん」は介護保険の16特定疾病に含まれているため、介護保険を申請できます。忘れられやすいところです
  • 39歳以下:介護保険は使えません。ただし福岡市には「小児・AYA世代がん患者在宅療養生活支援事業」があり、訪問介護・訪問入浴・福祉用具の費用が助成されます(お問い合わせ:福岡市保健福祉局 地域医療課 医療支援係 092-711-4892)。甲状腺がんは20代・30代の女性にも決して少なくないため、この制度はぜひ覚えておいてください。申請にはサービス開始前、または開始翌日から30日以内という期限があります
当院の視点

飲めなくなったときの、二つの薬

これは、甲状腺がんの在宅療養に固有の、そして他のがんではまず出てこない問題です。

甲状腺を全部摘出した方は、手術のあと毎日、甲状腺ホルモンの薬(レボチロキシン)を飲んでおられます。副甲状腺も一緒に失われた方は、カルシウムと活性型ビタミンDも飲んでおられます。どちらも「がんの薬」ではなく、体を成り立たせるための薬です。ところが終末期には、必ずと言っていいほど「飲み込めない」時期が来ます。そのとき、この二つをどうするのか。

飲めなくなったとき ― 二つの薬の考え方 ① 甲状腺ホルモン 切れるまでの時間:ゆっくり 半減期が長く、数日飲めなくても すぐには変化しない 選択肢 ・散剤や簡易懸濁で経管から入れる ・点滴用の製剤(静注液)に替える ・補充をしないという選択もある 不足すると:だるさ、むくみ、寒気、 動作の鈍さ、ひどいと意識の低下 ② カルシウム/活性型ビタミンD 切れるまでの時間:早い 数日で血液のカルシウムが下がる ホルモンより先に影響が出る 選択肢 ・粉砕・簡易懸濁で経管から入れる ・カルシウム製剤の点滴(在宅で可) ・腎機能が落ちたときは減量も必要 不足すると:口まわり・手足のしびれ、 こむら返り、ひどいとけいれん
図9:二つの薬は、切れるまでの速さも、不足したときの症状も違います。だから対応も別々に考えます。

甲状腺ホルモン ― 慌てなくていい理由と、点滴という選択肢

まず、安心していただきたいことがあります。甲状腺ホルモンの薬は体の中に長くとどまる薬です。増量したときの効き具合を1週間ほどかけて見ていく、という性質の薬です。ですから2〜3日飲めなかったからといって、すぐに具合が悪くなるわけではありません。「昨日から飲めていません、どうしましょう」と夜中に慌てる必要はありません。

そのうえで、飲めない状態が続くときの選択肢は三つあります。

  1. 形を変えて飲み続ける。錠剤のほかに散剤があり、簡易懸濁して経管から注入することもできます。胃ろうや経鼻チューブがある方はこの方法が現実的です。
  2. 点滴に替える。国内には注射用のレボチロキシン製剤(チラーヂンS静注液200μg/2020年発売)があります。効能は「粘液水腫性昏睡」と「経口製剤による治療が適さない甲状腺機能低下症」で、後者には吸収不良や経口投与が困難な場合が明記されています。生理食塩液100mLに希釈して1日1回ゆっくり点滴します。訪問診療・訪問看護の体制があれば、自宅で行える処置です(希釈後2時間以内に投与を終える、インラインフィルターは使わない、生理食塩液以外とは混ぜない、といった細かな決まりがあります)。
  3. 補充をしない。看取りが近い時期には、ホルモンを補っても補わなくても、ご本人の楽さがほとんど変わらないことがあります。点滴のためにルートを保つこと自体が負担になる場合もあります。「やめる」ことも、きちんと選べる選択肢のひとつです。

どれが正しいということはありません。ただ、この話をするのに一番良い時期は「まだ飲めているうち」です。飲めなくなってから初めて相談すると、選択肢を並べて考える余裕がありません。

カルシウム ― こちらのほうが急ぎます

甲状腺を全摘した際に副甲状腺の機能が保てなかった場合、血液中のカルシウムが下がり、手足や口のまわりがしびれる症状(テタニー)が出ます。ある報告では、永続的な副甲状腺機能低下は全摘で9%、準全摘で5%、亜全摘で3%に生じています。

この薬は、甲状腺ホルモンと違って切れるのが早いのが特徴です。飲めなくなって数日で、しびれやこむら返りが出てくることがあります。逆に、腎臓の働きが落ちてくると同じ量でカルシウムが上がりすぎることもあり、その場合は吐き気やだるさ、意識のぼんやりの原因になります。飲めなくなったとき、そして腎機能が変わったときの両方で、調整が必要になる薬だとお考えください。訪問診療では、必要に応じて採血で確認しながら量を決めていきます。

TSH抑制療法は、終末期には役目が変わります

再発予防のために甲状腺ホルモン薬をやや多めに飲んで、TSHを抑えておく治療を続けてこられた方も多いと思います。ただ、この治療には骨がもろくなる、心臓に負担がかかるという副作用があり、ガイドラインでも「TSHを検査で測れないほど抑え込むことは、予後を改善しないばかりか有害事象を招くので行うべきではない」とされています。終末期には、抑制の目的は薄れます。「がんを抑えるための量」から「体を楽に保つための量」へ、切り替えるタイミングを主治医と相談してください。

SECTION 10

自宅でできること・できないこと

「家に帰ると何もしてもらえないのでは」と心配される方が多いのですが、実際には、病院で行われている処置のかなりの部分が自宅で可能です。

できること内容
痛みの管理医療用麻薬の内服・貼り薬・持続皮下注射。ボタンを押して追加できる装置(PCA)も使えます
息苦しさの管理モルヒネ、ステロイド、在宅酸素、送風、体位の工夫
吸引吸引器を自宅に設置。痰がからむときにご家族が行えるよう指導します
点滴皮下点滴・静脈点滴。抗菌薬、輸液、甲状腺ホルモン製剤の投与も可能です
気管切開の管理すでに気管切開をされている場合、カニューレの管理・交換・吸引を在宅で継続できます
創のケア皮膚に出てきた腫瘤の洗浄・被覆材の選択・におい対策
採血カルシウム・腎機能・貧血の確認。結果を見て薬を調整します
栄養の管理経管栄養、食形態の調整、とろみの使い方
吐き気・便秘・不眠ほぼすべての症状に対応できます
床ずれ予防体位変換、エアマットの導入、皮膚の保護
不安・混乱への対応薬とケアの両方で。ご家族への説明も含めて
看取りご自宅で最期まで過ごし、そのままお見送りができます

一方、自宅では難しいこともあります。手術、放射性ヨウ素の内服治療(隔離できる専用病室が必要)、放射線の外照射、抗がん剤の点滴、そして緊急の気道確保です。これらが必要になったときにどうするかを、あらかじめ決めておくことが、在宅療養を成り立たせる鍵になります。

首からの出血に、どう備えるか

頻度は高くありませんが、避けて通れない話です。首の腫瘤が大きくなり、皮膚を破って外に出たり、頸動脈の壁を巻き込んだりすると、大量の出血が起こることがあります。分子標的薬を使っている場合はとくに注意が必要で、レンバチニブの添付文書には「甲状腺癌患者において、腫瘍縮小・壊死に伴う頸動脈露出、頸動脈出血、腫瘍出血があらわれることがあり、頸動脈露出部位より大量出血や皮膚瘻形成部位より大量出血した例が認められて」いること、気管や食道に瘻孔ができている場合は喀血・吐血のおそれがあることが明記されています。投与前に頸動脈や静脈への腫瘍の広がりを十分確認するよう求められている薬でもあります。

家での備えは四つです。

  1. 濃い色のタオルを、部屋に用意しておく。白いタオルだと出血量が実際以上に見え、ご家族の恐怖が大きくなります。紺や黒のタオルを枕元に置いておくだけで、その場の落ち着きが変わります
  2. 押さえ方を、訪問時に一緒に確認しておく。首は強く圧迫すると息の通り道をふさいでしまうため、他の部位と同じようにはできません。どこをどのくらいの力で押さえるか、実際にやってみておきます
  3. 連絡先を、電話機のそばに貼っておく。夜間の番号を含めて、大きな字で
  4. 救急車を呼ぶのか呼ばないのか、先に決めておく。これが一番大事です。出血が起きてから話し合うことはできません

そして、当院からもう一つお伝えしたいこと。大量出血で最もつらいのは、痛みではなく「怖さ」です。だからこそ、必要なときにすぐ使える鎮静薬をあらかじめ処方しておくこと、そしてそばにいる人が「ここにいるよ」と言い続けられる状況をつくっておくことが、実際の医療になります。

におい・浸出液への対応

皮膚に出てきた腫瘤からのにおいは、嫌気性菌という細菌がつくり出すものです。メトロニダゾールという抗菌薬の塗り薬(0.75%ゲル)は「がん性皮膚潰瘍部位の殺菌・臭気の軽減」を効能として2015年に保険適用となっており、洗浄・清拭のあとに1日1〜2回塗ります。活性炭を含む被覆材と、こまめな換気を組み合わせます。

芳香剤で上書きしないでください。においが混ざると、かえって不快になり、ご本人が人と会うことを避ける原因になります。原因を減らす方向で対処します。

終末期の点滴は、少なめが楽です

「食べられないなら点滴を」と考えるのは自然なことですが、亡くなる前の時期には、体は水分を処理しきれなくなります。多く入れるとむくみ、痰が増え、呼吸が苦しくなります。終末期には1日500mL前後かそれ以下を目安に調整することが多く、これは治療の手抜きではなく、楽に過ごすための調整です。

甲状腺ホルモンの点滴を行う場合は、この中に生理食塩液100mLが含まれることになります。「今日の点滴の内訳」を、訪問看護と共有しておくと混乱がありません。

SECTION 11

知っておいていただきたい三つのこと

1. 息を引き取る瞬間に、医師がいなくても大丈夫です

「先生が到着する前に亡くなったら警察沙汰になるのでは」と心配される方がおられます。そうではありません。医師法第20条ただし書きに関する厚生労働省の通知(平成24年8月31日 医政医発0831第1号)により、定期的に診療している患者が、これまで診てきた病気で亡くなった場合、医師は改めて診察しなくても死亡診断書を書くことができます。呼吸が止まった瞬間に大慌てで救急車を呼ぶ必要はありません。落ち着いて、決めた連絡先に電話してください。

2. 休むための入院(レスパイト入院)があります

ご家族が疲れたとき、法事や仕事でどうしても家を空けるとき、数日から1〜2週間の予定入院ができます。「最期まで家で」と決めていても、この選択肢を持っているだけで介護は長続きします。限界まで頑張ってから相談するのでは遅いので、早めにお声かけください。

3. これからのことを話しておく(ACP)

甲状腺がんの場合、話しておきたいテーマははっきりしています。

  • どこで過ごしたいか:自宅か、施設か、病院か。気が変わってもかまいません
  • 息が苦しくなったとき:気管切開をするか。救急搬送するか。苦しさを取る薬を優先するか
  • 薬が飲めなくなったとき:甲状腺ホルモンを点滴に替えるか、やめるか
  • 食べられなくなったとき:点滴や経管栄養をどこまでするか
  • 伝えておきたいこと:会っておきたい人、聞いておきたい話、任せたい人
ご自宅を支えるチーム ご本人 ご家族 訪問診療医(24時間対応) 訪問看護師 ケアマネジャー 訪問薬剤師 訪問リハビリ・ヘルパー 病院(照射・レスパイト入院)
図10:訪問診療は「ひとりの医師」ではなく、チームで支える仕組みです。当院は訪問看護リハビリステーションを併設しています。
SECTION 12

ご家族に見ていただきたい八つのこと

毎日そばにおられるご家族の観察は、どんな検査よりも早く変化を捉えます。難しいことは必要ありません。次の八つを、気づいたときにメモしていただければ十分です。

見るところ気をつけること
呼吸の音息を吸うときに音が鳴るようになったら、その日のうちに連絡してください
動ける範囲トイレまで歩けるか、起き上がれるか。1週間前と比べてどうか
かすれ、弱さ、水を飲んだあとのゴロゴロした「濡れた声」
むせと熱むせが増えたあとの発熱は、誤嚥性肺炎のサインです
首の様子腫れの大きさ、皮膚の色、にじみ出る血や液。写真を撮っておくと比較しやすくなります
手足・口まわりしびれ、こむら返り、ピクつき。カルシウム不足のサインです
飲めているか、残っていないか。飲めなくなった日を控えておいてください
だるさ・寒がりむくみ、寒がる、動作が鈍い。ホルモン不足でも同じことが起きます
SECTION 13

受診・相談の目安

すぐに息を吸うときにゼーゼー鳴る/横になれないほど苦しい/急に声が出なくなった/首から止まらない出血/けいれん/意識がおかしい
これらは待たずに連絡してください。夜間でもかまいません。
その日か翌日にむせが増えた・発熱した/手足や口のまわりのしびれ/血の混じった痰/背中や腰の痛みが強くなった、痛みの質が変わった/薬が飲めなくなった/血痰・鼻血が続く
次の訪問で相談食欲が落ちてきた/眠れない/体重が減ってきた/気持ちが落ち込む/介護がつらい/今後のことを話しておきたい

ふくろう訪問クリニックにできること

当院は福岡市早良区の在宅診療専門クリニックです。緩和ケア、難病、精神科・認知症を専門領域とし、訪問看護リハビリステーションを併設しています。甲状腺がんの療養については、次の点でお役に立てると考えています。

  • 息苦しさの管理:気道が狭くなるサインを早く捉え、薬と酸素と体位で対応します。気管切開をするかどうかの相談も、早い時期から一緒に考えます
  • ホルモンとカルシウムの管理:飲めなくなったときの選択肢を、あらかじめ整理してご提案します。点滴での補充も自宅で行えます
  • 放射線治療の判断:院長は放射線治療専門医です。骨転移の痛み、脊髄の圧迫、首からの出血、脳転移など、「今から照射する意味があるか」を専門医の目で判断し、必要なら適切な施設へおつなぎします
  • 首からの出血への備え:起きたときにどう動くかを、事前にご家族と共有します
  • 24時間の連絡体制と看取り:夜間・休日もつながります。ご自宅で最期まで過ごすことを支えます

「まだ在宅診療の時期ではないかもしれない」という段階でのご相談も歓迎します。むしろ、その段階でお会いしておくことに意味があります。

参考文献

  1. 国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」甲状腺(全国がん登録罹患データ、人口動態統計死亡データ、地域がん登録生存率データ).2026年3月23日更新.
  2. 国立がん研究センターがん情報サービス「甲状腺がん 治療」.2023年12月26日更新.
  3. 日本内分泌外科学会 甲状腺腫瘍診療ガイドライン作成委員会:甲状腺腫瘍診療ガイドライン2024.日本内分泌外科学会雑誌 41巻増刊号2:1-116,2024年4月25日発行.
  4. 清田尚臣,小山泰司,高野悠子,山崎知子:甲状腺がんに対する薬物療法.日本内分泌外科学会雑誌 41(2):100-104,2024.DOI: 10.11226/ojjaes.41.2_100
  5. 伊藤研一,大場崇旦,家里明日美ほか:甲状腺未分化癌の臨床像-予後と予後因子-.日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 30(3):168-174,2013.
  6. 杉谷 巌:甲状腺未分化癌の予後因子.日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 36(3):165-170,2019.
  7. Schlumberger M, Tahara M, Wirth LJ, et al.: Lenvatinib versus placebo in radioiodine-refractory thyroid cancer. N Engl J Med 372: 621-630, 2015. DOI: 10.1056/NEJMoa1406470
  8. Brose MS, Nutting CM, Jarzab B, et al.: Sorafenib in radioactive iodine-refractory, locally advanced or metastatic differentiated thyroid cancer: a randomised, double-blind, phase 3 trial. Lancet 384: 319-328, 2014. DOI: 10.1016/S0140-6736(14)60421-9
  9. Subbiah V, Kreitman RJ, Wainberg ZA, et al.: Dabrafenib plus trametinib in BRAF V600E-mutated rare cancers: the phase 2 ROAR trial. Nat Med 29: 1103-1112, 2023.
  10. Hadoux J, Elisei R, Brose MS, et al.: Phase 3 Trial of Selpercatinib in Advanced RET-Mutant Medullary Thyroid Cancer. N Engl J Med 389: 1851-1861, 2023.
  11. 日本核医学会 甲状腺癌薬物療法委員会:根治切除不能な分化型甲状腺癌に対する分子標的薬治療の適応患者選択の指針.
  12. あすか製薬株式会社:チラーヂンS静注液200μg 添付文書(2021年4月改訂 第1版).承認2020年1月23日、販売開始2020年6月.
  13. あすか製薬株式会社:チラーヂンS錠・チラーヂンS散0.01% 添付文書.
  14. エーザイ株式会社:レンビマカプセル4mg・10mg 添付文書.
  15. 日本緩和医療学会 ガイドライン統括委員会編:進行性疾患患者の呼吸困難の緩和に関する診療ガイドライン 2023年版.金原出版,2023年6月20日発行.
  16. UICC日本委員会編:TNM悪性腫瘍の分類 日本語版 第8版.金原出版,2017年.
  17. 厚生労働省医政局医事課長通知「医師法第20条ただし書の適切な運用について」平成24年8月31日 医政医発0831第1号.
  18. 福岡市:小児・AYA世代がん患者在宅療養生活支援事業(福岡市保健福祉局 地域医療課 医療支援係 092-711-4892).
本コラムは一般の方に向けた情報提供を目的として作成しています。診断・治療の判断は必ず主治医とご相談ください。数値は執筆時点で公開されている資料に基づいており、統計の集計年や薬剤の承認状況は変わることがあります。