医療用麻薬で中毒になる?寿命が縮む? がんの痛みの治療の誤解

明るいリビングでソファにくつろぐ高齢の方の手に家族が手を添えて話を聞き、窓の外の枝からふくろうが見守る水彩イラスト

がんの痛みが強くなり、医師から「医療用麻薬を使いましょう」と言われたとき。「中毒になるのでは」「寿命が縮むのでは」「もう最後ということ?」と、ご本人だけでなく、付き添うご家族が不安になることは少なくありません。「麻薬」という言葉そのものに、怖さを感じる方もいます。

この記事では、日本緩和医療学会の「がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン 2020年版」(2026年10月時点の最新版)[1]、厚生労働省の「医療用麻薬適正使用ガイダンス」(令和6年)[2]、米国臨床腫瘍学会(ASCO)のガイドライン[3]、国内外の研究をもとに、よくある誤解に答え、家での使い方・保管・返却、連絡の目安をまとめます。

SECTION 01 結論:痛みをとって、暮らしを取り戻すための薬

1

「中毒」になることは多くない

がんの痛みに対して、医師の計画どおりに使い続けている限り、自分で使い方を制御できなくなる「精神依存」が問題になることは少ないとされています[2]。

2

寿命を縮めるという根拠はない

日本のガイドラインは、医療用麻薬の使用が寿命を縮めるという根拠はなく、この心配から痛みの治療を控えるのは妥当でないとまとめています[1]。

3

「最後の手段」ではなく、やめることもできる

始めるかどうかは、病気の進み具合や余命ではなく、痛みの強さで決めます。治療で痛みが軽くなれば、減らしたりやめたりすることもできます[2]。

4

副作用には対策がある

主な副作用は便秘・吐き気・眠気です。眠気は数日以内、吐き気は数日〜1週間ほどで軽くなることが多く、便秘は下剤を定期的に使って防ぎます[1][2]。

SECTION 02 医療用麻薬とは:「麻薬」という言葉への不安

痛みどめのうち、体の中の「オピオイド受容体」に働く薬をオピオイド鎮痛薬といいます。そのうちモルヒネ、オキシコドン、フェンタニルなどは法律(麻薬及び向精神薬取締法)で「麻薬」に指定されており、医療に使うものを「医療用麻薬」と呼びます。乱用されれば害が大きいため、処方や管理のしかたが厳しく決められています[2]。

厚生労働省のガイダンスは、WHO(世界保健機関)のガイドラインに沿った治療で、70〜90%の患者さんの痛みが効果的に和らぐとしています[2]。薬の種類と使い分けは「オピオイド(医療用麻薬)の使い分け」、「麻薬が効かない患者への希望:メサドン」で解説しています。

世論調査にみる「医療用麻薬のイメージ」

内閣府が2023年7月に全国の18歳以上を対象に行った「がん対策に関する世論調査」(有効回収1,626人)では、医療用麻薬について次のように答えた人がいました(複数回答)[4]。

67.2%正しく使えば、がんの痛みに効果的
29.0%最後の手段だと思う
27.7%だんだん効かなくなると思う
16.6%使い始めたら、やめられなくなると思う

このほか「『麻薬』という言葉が含まれていて怖い」が10.4%、「寿命を縮める」が6.3%、「精神的におかしくなる」が4.4%でした[4]。

日本のガイドラインは、転移・再発したがんで通院している方の約3割が「中毒になる」「寿命を縮める」と考えていたという国内の研究を紹介し、自宅で介護する家族も「病気が進んだしるしでは」「習慣になるのでは」と心配しやすいとしています[1]。世論調査の「寿命を縮める」6.3%とこの約3割は、対象(一般の人か、がんの患者さんか)や調査の時期、質問のしかた(説明文を読んだ後か)が違うため、そのまま比べられません。

SECTION 03 「中毒になる?」:耐性・身体依存・精神依存は別のもの

日本のガイドラインは、「中毒」と混同されやすい精神依存・身体依存・耐性の3つを正しく区別して理解することが大切だとしています[1]。

図1 「中毒」と混同されやすい3つの言葉

耐性と身体依存は、薬を続けると体に起こる変化です。いわゆる「中毒」にあたるのは精神依存です。

1耐性(たいせい)同じ量を続けると、効き方が弱まること。眠気は数日以内、吐き気は数日〜1週間で慣れることが多い。量や種類を調整して対応2身体依存(しんたいいぞん)体が薬のある状態に慣れること。急にやめると、あくび・下痢・不安などの症状が出ることも。少しずつ減らせばやめられる3精神依存(嗜癖。いわゆる「中毒」)自分で使い方を制御できず、痛みがなくても使い続けてしまう病気。指示どおりなら問題になりにくい

出典:日本緩和医療学会のガイドライン[1]、厚生労働省のガイダンス[2]をもとに作成。

世間でいう「中毒」に近いのは精神依存(嗜癖)です。ガイドラインは、自分で使い方を制御できない、症状がないのに使い続ける、害があってもやめられない、といった特徴をもつ慢性の病気と説明しています[1]。

がんの痛みに医療用麻薬を使った方を追跡したコホート研究では、精神依存の基準にあてはまったのは550人中1人(0.2%)だったと紹介され、ガイドラインは、精神依存への心配は医療用麻薬を控える理由にはならないとしています[1]。厚生労働省のガイダンスも、がんの痛みに対して適切な計画で使い続ける限り、精神依存が問題になることは少ないとしています[2]。

数字に幅があるのはなぜ?

2000〜2020年の研究を集めた系統的レビュー(15研究)のうち、がんの痛みで医療用麻薬を使う人の「使用障害」の割合を調べた5研究では、0〜19%と大きくばらつき、まとめた推定値は8%でした[5]。このレビューは乱用や決められた使い方から外れる行動なども広く含めて数えており、診断基準にあてはまる人だけを数えた0.2%とは定義が違います。質問票で「危険がある」と判定された人の割合(23.5%)も報告されていますが、実際に問題が起きた人の割合ではありません。著者らは、本当の頻度はまだよくわかっていないとしています[5]。

過去にアルコールや薬物の問題があった方は、遠慮せずに医師へ伝えてください。ASCOは、そうした方にも必要な痛みの治療は行い、専門家と連携しながら経過をこまめにみるよう勧めています[3]。

SECTION 04 「寿命が縮む?」:研究からわかっていること

日本のガイドラインは、「モルヒネは死を早める」という印象が広まった背景として、以前は痛みががまんできなくなってから多くの量を使う例が多かったことを挙げています[1]。医療用麻薬の量と生存期間の関係は、主に次のような観察研究(実際の診療の記録などを調べた研究)で調べられています。

  • 日本の緩和ケア病棟に入院していたがん患者209人:亡くなる前48時間の量で分けて比べても、生存期間に意味のある差はありませんでした[6]。
  • イスラエルのホスピスでモルヒネを使った453人:多い量が必要だった人(約12%)の生存期間は、少ない量の人と変わりませんでした[7]。

20の研究をまとめた系統的レビュー(2015年)では、最期の時期を調べた13研究で、医療用麻薬と生存期間に一貫した関係はみられませんでした[8]。より長い期間を追った7研究(ランダム化比較試験3件を含む)のうち6研究では、使っている人のほうが生存期間が短い傾向がありました。ただし、ランダム化比較試験も含めて、どれも生存期間を主な目的として調べた研究ではなく、痛みが強い人ほどがんが進んでいるという影響を取り除けていません。著者らは、確かな結論は出せないとしています[8]。

こうした研究をふまえ、日本のガイドラインは、医療用麻薬の使用が寿命を縮めるという根拠はないとしています[1]。

SECTION 05 よくある質問:最後の手段? やめられない?意識がなくなる?

Q. 医療用麻薬を勧められたのは、もう最後ということ?

A. いいえ。厚生労働省のガイダンスは、がんの進行度や余命は始める基準ではなく、中くらい以上の痛みがあるときや、ほかの痛みどめを定期的に使っても十分に効かないときに検討するとしています。がんの痛みの治療は、早い時期からがんの治療と同時に進めるものです[2]。ASCOも、がんによる中くらい以上の痛みには医療用麻薬を勧めています[3]。

Q. だんだん効かなくなるのでは?

A. 続けると効き方が弱まる「耐性」は起こりえますが、量の調整や、別の医療用麻薬への切り替え(オピオイドスイッチング)で対応します[1][2]。痛いときに追加で使う薬(レスキュー薬)も、繰り返し使うことで効かなくなることはないとされています[2]。

Q. 一度始めたら、やめられなくなるのでは?

A. 放射線治療や抗がん剤治療、神経ブロックなどで痛みが軽くなれば、減らしたりやめたりできます[2]。ただ、体が薬に慣れている(身体依存)ため、急にやめたり切り替えたりすると、あくび、吐き気、下痢、不安、ふるえなどが出ることがあり、ASCOは少しずつ減らすよう勧めています[1][2][3]。始めてみて具合が悪ければ、相談してやめることもできます[1]。自己判断で急にやめず、主治医に相談してください。

Q. 意識がなくなったり、人が変わったりしない?

A. 使い始めや量を増やしたときに眠気が出ることがありますが、多くは数日のうちに軽くなるとされます[1]。痛みで眠れなかった方が、痛みがとれて数日ぐっすり眠ることもあります[2]。医療用麻薬は意識を下げる作用が弱く、学会の手引きは、つらさを和らげるために眠ってもらう「鎮静」の主な薬としては使わないとしています[9]。

痛みがないのに強い眠気が続く、つじつまの合わないことを言う(せん妄)といったときは、薬が多すぎるか、ほかの原因が隠れていることがあるので、早めに連絡してください[2](「終末期のせん妄」)。

Q. 呼吸が止まってしまわない?

A. 呼吸を弱める作用はありますが、痛みに合わせて適切に使えば血液中の酸素が足りなくなることはまれで、痛みそのものが、呼吸を弱める作用とは反対の方向に働く(拮抗する)とされています[1]。そのため、手術や放射線治療、神経ブロックなどで痛みが急に軽くなったときや、睡眠薬・安定剤・お酒を一緒に使うときは、眠気や呼吸の変化に特に注意が必要です[1][2]。注意したいのは強い眠気で、呼吸が弱まる前ぶれと考えられています。眠っているときに呼吸がゆっくりでも、声をかけると目を覚まし、呼吸の回数が戻るなら、問題になる可能性は低いとされます[2]。

SECTION 06 痛みをがまんしないで:副作用の対策と、がん以外の痛みとの違い

痛みをがまんすることの害

2014〜2021年に発表された444の研究をまとめた系統的レビューでは、がんの患者さんの44.5%に痛みがあり、30.6%は中くらい以上の痛みでした[10]。また、1994〜2013年の46の研究をまとめた別の系統的レビューでは、約3人に1人が痛みの強さに見合った痛みどめを受けていませんでした[11]。

厚生労働省のガイダンスは、夜眠れる、じっとしていれば痛くない、動いても痛くない、といった暮らしに沿った目標を勧め、痛みをがまんしているとかえって追加の薬が効きにくくなると説明しています[2]。ASCOも、心配や罪悪感から薬を減らしてしまう患者さんがいるとして、不安について話し合うよう求めています[3]。

主な副作用と対処

副作用起こり方主な対処
便秘使い始めから起こりやすい下剤を定期的に使うことが強く推奨されています。複数の下剤で効かないときは、医療用麻薬による便秘の薬(ナルデメジン)も使われます[1]。
吐き気使い始め・増量時に多く、数日〜1週間で軽くなることが多い吐き気止めを使います。続くときは、薬の種類や使い方(飲み薬・貼り薬など)を変えます[1]。
眠気使い始め・増量時に多く、数日以内に軽くなることが多いつらい眠気が続くときは、量を減らしたり種類を変えたりし、ほかの原因がないかも確かめます[1][2]。

このほか、尿が出にくい、せん妄などが起こることもあります[2]。

がん以外の長く続く痛みとの違い

米国では、医療用麻薬の処方が増えた1999〜2010年に、処方された医療用麻薬が関わる過量服用の死亡がおよそ4倍に増えました。米国疾病予防管理センター(CDC)の処方ガイドライン(2022年)は、がん以外の痛み全般(急な痛みも含む)での使い方を慎重にするよう求める一方、がんの痛み、鎌状赤血球症の痛み、緩和ケア、人生の最終段階のケアは対象外と明記しています[12]。

がん以外の慢性の痛みでは何年も使い続けることになりやすく、依存や過量服用の危険と効果のつり合いを、より慎重に考える必要があります。米国の問題は、がんの痛みの治療を避ける理由にはなりません。

在宅療養中の方・ご家族へ

SECTION 07 在宅療養:訪問診療で一般にできることとご家族ができること

訪問診療・訪問看護で一般にできること

通院が難しくなっても、医療用麻薬による痛みの治療は、自宅や介護施設で続けられます[2]。医師が月1〜2回など計画的にご自宅を訪れる訪問診療や、看護師が訪れる訪問看護では、痛みについて一般に次のようなことを相談できます(実際にどこまで対応できるかは、医療機関によって異なります)。

  • 痛みの診察と、原因の見直し
  • 医療用麻薬などの痛みどめの調整と、副作用への対応
  • レスキュー薬の準備と、使い方の確認
  • 飲み込みにくくなったときの、貼り薬・坐薬・注射などへの切り替え
  • 夜間・休日の連絡先の確認
  • これからの過ごし方の話し合い(ACP、人生会議)

薬局の薬剤師にも、飲み方や保管、副作用への対策を相談できます[2]。緩和ケアは、がんと診断されたときから受けられます(「緩和ケアは最期の医療?」)。

ご家族ができること

1

痛みと薬の記録をつける

痛みの強さを0(痛みなし)〜10(最悪の痛み)で尋ね、薬を使った時刻と効き具合、眠気や便の様子をメモして、診察のときに見せます[2]。

2

レスキュー薬をがまんせずに使えるように

痛いときや痛くなりそうなときに使う薬です。1日に4回以上使う日が続くときは、定時の薬を見直す目安なので相談してください[2]。

3

量を自分で変えない。貼り薬は温めない

定時の薬や貼り薬の量・回数は、自分で変えないでください。貼り薬を貼っている所を熱いお風呂、電気毛布、湯たんぽ、あんかなどで温めると、薬が急に多く吸収されることがあります[2]。

4

保管はほかの薬と同じ。人には渡さない

金庫などは要りませんが、子どもの手の届かない所に置きます。人に渡したり貸したりすることは、一時的でも法律違反です[2]。

5

使わなくなった薬は、薬局や医療機関に返す

余った薬は捨てたり人に渡したりせず、調剤した薬局や医療機関に返して処分を頼みます[2]。使い終わった貼り薬にも、子どもには危険な量の薬が残っています[13]。手の届かない所に置き、ご本人が亡くなったあとに残った薬とともに、薬局の説明に従って返しましょう[2]。

6

眠気と呼吸の様子を見る

声をかけても目を覚ましにくい、じっとしているときの呼吸が1分間に10回未満、といった様子は、薬が多すぎるサインのことがあります[2]。こうした様子があれば、すぐ主治医・訪問看護へ。呼びかけても目を覚まさない、呼吸がとても遅いときは119番です(図2)。

訪問診療を依頼するときに準備するもの

  • ✓健康保険の資格が確認できるもの(マイナ保険証または資格確認書)
  • ✓(可能なら)今かかっている医療機関の紹介状
  • ✓(あれば)お薬手帳、またはお薬のデータ
  • ✓(あれば)介護保険証
  • ✓(あれば)公費の受給者証

ふくろう訪問クリニックは、福岡市早良区の訪問診療クリニックです。緩和ケア、難病・希少疾患、精神科、認知症を専門の柱とし、通院が難しい方のご自宅に医師が伺い、月1〜2回の定期訪問で診療しています。訪問エリアは福岡市の早良区・西区・城南区・中央区です。痛みや医療用麻薬について不安があれば、ご相談ください。お電話(092-407-7337)・メールのほか、公式LINEでもご相談を受け付けています。

SECTION 08 受診・相談の目安

医療用麻薬を使っている方の様子が変わったときは、図2を目安に連絡しましょう。

図2 医療用麻薬を使っているときに連絡する目安

上ほど急ぎます。連絡先は、訪問診療・訪問看護を受けている方は主治医・訪問看護、そうでない方は処方を受けている医療機関です。

こんな様子があるとき連絡の目安呼びかけても目を覚まさない呼吸がとても遅い・浅い顔色や唇の色が明らかに悪い子どもが薬を口に入れた貼り薬が子どもの体についたすぐ119番そのあと主治医・訪問看護にも連絡子どもは、見た目に変わりがなくてもすぐ119番。自宅での看取りの方針を話し合っている方は、予想されていた病状の変化なら、まず決めておいた連絡先へ。薬の使いすぎの疑い、けがなど病気と関係のない急な出来事や、迷うときは119番へ。強い眠気が続くつじつまの合わない言動レスキューでも痛みが強い吐いて薬が飲めない大人が薬を多く使った便が出ずおなかが張るすぐ連絡主治医・訪問看護へつながらなければ #7119異変があれば119番レスキューの回数が増えた便秘が続いている吐き気や眠気が続いて困る薬が足りなくなりそうその日のうちに相談主治医・訪問看護へ痛みと薬の記録便の様子や軽い副作用薬についての不安・疑問使わなくなった薬がある次の訪問で伝える待てないときは早めに

厚生労働省のガイダンス[2]、米国食品医薬品局(FDA)の注意喚起[13]、消防庁の資料[14]をもとにした一般的な目安です。病状によって判断は変わるので、主治医から受けている説明を優先してください。

呼びかけても目を覚まさない、呼吸がとても遅い、顔色が明らかに悪いといった様子は、消防庁が「すぐに119番」としている「意識がない(返事がない)またはおかしい(もうろうとしている)」などにあたります[14]。ためらわずに119番に連絡し、そのあと主治医・訪問看護にも知らせてください。ただし、自宅での看取りの方針を主治医と話し合っている方は、予想されていた病状の変化であれば、まず決めておいた緊急連絡先へ。薬の使いすぎや誤った使い方の疑い、けがなど病気と関係のない急な出来事や、迷うときは119番へ連絡してください。

子どもの誤飲・誤貼付:子どもが薬を飲んだり口に入れたりしたとき、貼り薬が子どもの体についたときは、見た目に変わりがなくても、すぐ119番に連絡してください。使い終わった貼り薬にも子どもに危険な量の薬が残り、小さな子どもでははじめの変化に気づきにくいため、米国食品医薬品局(FDA)は触れた疑いがあればすぐ救急通報するよう呼びかけています[13]。貼り薬ははがし、薬の袋や貼り薬を救急隊に見せられるようにしておきましょう。そのあと主治医・訪問看護・薬剤師にも連絡します[2]。

大人が多く使ったとき:ご本人が薬を多く使った・貼りすぎたときは、貼り薬ははがして、すぐ主治医・訪問看護・薬剤師に連絡してください。呼びかけても目を覚まさない、呼吸がとても遅いときは119番です。夜間・休日に連絡先がなく迷うときは、福岡県の #7119(福岡県救急医療情報センター。24時間、看護師が相談に応じます。092-471-0099 でも受け付けています)も利用できます[15]。

自宅での看取りを話し合っている方へ

最期が近づくと、病気の進行によって眠っている時間が長くなる、呼吸のリズムが変わるといった変化が起こることがあります(「家で看取るとき、最期の数日に体はどう変わる?」)。こうした変化と薬の影響は見分けにくいため、どんなときに誰へ連絡するかを、あらかじめ主治医・訪問看護と決めておきましょう。救急隊は原則として救命処置を行うため(対応は地域の取り決めによって異なります)、あわてて119番に連絡すると、本人の望みと違う対応になることがあります。決めておいた連絡先につながらないときや、判断に迷うときは、ためらわず119番に連絡してください。なお、薬を多く使った・誤って使った疑いは、予想されていた変化には当たりません。すぐ主治医・訪問看護に連絡し、つながらなければ119番に連絡してください。

この記事の情報は2026年10月時点のものです。

SECTION 09 ご利用・採用のご案内

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※入職祝い金は、採用ページ・お電話・メールから直接ご応募いただいた方が対象です。

参考文献

  1. 日本緩和医療学会 ガイドライン統括委員会 編. がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン 2020年版. 金原出版, 2020(2020年6月20日発行). ISBN 978-4-307-10202-5(2026年10月時点の最新版。Ⅱ章4 薬理学的知識〈オピオイドの耐性・精神依存、悪心・眠気・便秘・呼吸抑制、相互作用〉、Ⅱ章7 患者のオピオイドについての認識、Ⅲ章2 有害作用に関する臨床疑問〈CQ17〜20〉を、学会公開のPDFで確認). https://www.jspm.ne.jp/publication/guidelines/individual.html?entry_id=85(2026年10月閲覧)
  2. 厚生労働省医薬局 監視指導・麻薬対策課. 医療用麻薬適正使用ガイダンス〈令和6年〉―がんの痛みの治療における医療用麻薬の使用と管理のガイダンス―. 2024年3月(はじめに、1章 がんの痛みの治療の基本的な考え方、2章 薬物療法の考え方、3章4〈フェンタニル使用時の注意を含む〉・7、4章3〜4、5章 副作用とその対策、9章4〜5、10章 自宅における患者や家族による管理、11章 介護施設等での医療用麻薬の管理を確認). https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/001245820.pdf(2026年10月閲覧)
  3. Paice JA, Bohlke K, Barton D, Craig DS, El-Jawahri A, Hershman DL, Kong LR, Kurita GP, LeBlanc TW, Mercadante S, Novick KLM, Sedhom R, Seigel C, Stimmel J, Bruera E. Use of opioids for adults with pain from cancer or cancer treatment: ASCO guideline. J Clin Oncol. 2023;41(4):914-930. doi:10.1200/JCO.22.02198. PMID: 36469839
  4. 内閣府政府広報室. がん対策に関する世論調査(令和5年7月調査。全国18歳以上の日本国籍を有する者3,000人、有効回収1,626人). 調査票 問12(医療用麻薬について). https://survey.gov-online.go.jp/r05/r05-gantaisaku/3_chosahyo.html(2026年10月閲覧)
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  8. Boland JW, Ziegler L, Boland EG, McDermid K, Bennett MI. Is regular systemic opioid analgesia associated with shorter survival in adult patients with cancer? A systematic literature review. Pain. 2015;156(11):2152-2163. doi:10.1097/j.pain.0000000000000306. PMID: 26207652
  9. 日本緩和医療学会 ガイドライン統括委員会 編. がん患者の治療抵抗性の苦痛と鎮静に関する基本的な考え方の手引き 2023年版. 金原出版, 2023(2023年6月20日発行). ISBN 978-4-307-10225-4(5章6 実際の投与方法と評価・ケアを、学会公開のPDFで確認). https://www.jspm.ne.jp/publication/guidelines/individual.html?entry_id=1391(2026年10月閲覧)
  10. Snijders RAH, Brom L, Theunissen M, van den Beuken-van Everdingen MHJ. Update on prevalence of pain in patients with cancer 2022: a systematic literature review and meta-analysis. Cancers (Basel). 2023;15(3):591. doi:10.3390/cancers15030591. PMID: 36765547
  11. Greco MT, Roberto A, Corli O, Deandrea S, Bandieri E, Cavuto S, Apolone G. Quality of cancer pain management: an update of a systematic review of undertreatment of patients with cancer. J Clin Oncol. 2014;32(36):4149-4154. doi:10.1200/JCO.2014.56.0383. PMID: 25403222
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  14. 総務省消防庁. 救急車を上手に使いましょう〜救急車 必要なのはどんなとき?〜(2025年10月). https://www.fdma.go.jp/publication/portal/items/portal002_japanese.pdf(2026年10月閲覧)
  15. 福岡市. 夜間・休日急患診療「救急車を呼ぶべきか迷ったときは 電話 #7119」(福岡県救急医療情報センター). 福岡市政だより 2026年10月15日号. https://www.city.fukuoka.lg.jp/shicho/koho/fsdweb/reiwa8_dayori/1015/1411.html(2026年10月閲覧)