特別養護老人ホーム:親の施設の選び方

親の施設の選び方第5回/全10回
特別養護老人ホーム

いちばん安い、いちばん待つ。待ち方には作法がある

「特養は何年も待つから無理」。そう言われて、申し込まないまま別の住まいを決める方がいます。 でも、福岡市は入所の順番をどう決めているかを公開していて、 何に点が付くのかまで、表で読むことができます。 さらに、施設ごとの待っている人数まで市のホームページに載っています。 この回では、その中身を全部開いて、待ち方の作法を書きます。

この連載の現在地 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 第5回 特別養護老人ホーム

この回の結論

  1. 順番は申込みの早い順ではなく、点数順です。福岡市は評価基準を公開していて、何に何点つくかまで読めます。
  2. いちばん配点が大きいのは「単身世帯かつ介護者がいない」の35点。次が在宅サービスの利用率と、委員会の判断による加点です。
  3. 待ち方に作法があります。とくに自己都合で入所を辞退すると、名簿から削除されます。断り方を間違えると、そこまでの順番が消えます。

SECTION 01 なぜ、いちばん安いのか

特別養護老人ホーム(正式には介護老人福祉施設)は、第1回で挙げた3つの介護保険施設のひとつです。 社会福祉法人などが運営する公共性の高い施設で、有料老人ホームのような前払金がありません。 そして所得の低い方には、食費と居住費の軽減の制度があります。 これが「いちばん安い」といわれる理由です。

要介護度介護保険の自己負担のめやす(1か月・1割)
要介護121,726円
要介護223,920円
要介護326,272円
要介護428,498円
要介護530,661円

表1 福岡市が公表している目安(月30日、ユニット型個室に入所した場合、1割負担)。 これに食事代と居住費、日常生活費が別に必要です。 実際の月額は、居室の型と所得によって大きく変わります。内訳と軽減の制度は第8回で扱います。 なお同市の案内には、この金額は令和6年度の報酬改定を反映したものと記載されています。

職員の数は、法令で決まっている

制度のしくみ

指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第39号)第2条は、 置くべき職員をこう定めています。

医師——入所者に対し健康管理及び療養上の指導を行うために必要な数。 つまり特別養護老人ホームには医師がいます。これは有料老人ホームとの大きな違いで、 あとで述べるとおり、医療の受け方にも影響します。

介護職員と看護職員の総数——常勤換算で、入所者3人につき1人以上。 看護職員は、入所者30人までなら1人以上、30人を超え50人までなら2人以上、 50人を超え130人までなら3人以上、130人を超えるとさらに増やす。 ほかに生活相談員(入所者100人につき1人以上、常勤)、栄養士または管理栄養士、 機能訓練指導員、介護支援専門員(常勤専任)を置きます。

SECTION 02 入れるのは誰か——要介護3以上と、特例入所

第1回で「原則として要介護3以上」と書きました。福岡市の入所指針は、こう定めています。

入所対象者は、原則として、介護保険法に定める介護認定審査会において要介護3~5と認定された者のうち、 常時介護を必要とし、かつ居宅において介護を受けることが困難な者とする。
ただし、要介護1又は要介護2と認定された者であって、やむを得ない事由により居宅での生活が困難であると 認められる者は、入所申込者の介護保険の保険者(中略)の適切な関与の下、 特例的に施設への入所(以下、「特例入所」という。)を認めることとする。 出典:福岡市「福岡市特別養護老人ホーム入所指針」2 入所対象者(1)

要介護1・2の方が特例入所に当たるかどうかを判断するとき、 次の4つの事情を十分に考慮することになっています。

  • 認知症であって、日常生活に支障を来すような症状・行動や意思疎通の困難さが頻繁に見られること要介護度は軽くても、認知症の症状が重い方はここに当たります。
  • 知的障がい・精神障がい等を伴い、日常生活に支障を来すような症状・行動や意思疎通の困難さ等が頻繁に見られること
  • 家族等による深刻な虐待が疑われること等により、心身の安全・安心の確保が困難であること
  • 単身世帯である、同居家族が高齢又は病弱である等により家族等による支援が期待できず、かつ、地域での介護サービスや生活支援の供給が不十分であることひとり暮らしで、頼れる家族がいない方はここです。
気をつけること

要介護1・2だからといって、申込みを断られることはありません。 福岡市の入所指針は、施設に対してこう求めています。 申込書の裏面にある特例入所の要件を丁寧に説明し、該当についての本人の考えを記載してもらうこと。 そして「入居申込者から特例入所の要件に該当している旨の申立てがある場合には、 入所申込みを受け付けない取扱いはしないこと」

「要介護2なので受け付けられません」と言われたら、この定めを確かめてください。 施設は市に報告し、特例入所の必要性について市の意見を求めることになっています。

SECTION 03 申込みは、市ではなく施設に出す

ここは間違えやすいところです。要介護認定は市に申請しますが、 特別養護老人ホームの入所申込みは、入りたい施設に直接出します。 市が窓口になって割り振るのではありません。

図1 申し込んでから、入所が決まるまで 家族が動くところ 施設が動くところ 1 入りたい施設に、入所申込書を出す 市の窓口ではありません。何か所に出してもかまいません。 2 施設が面談などで状況を把握し、調査票をつくる ここで伝えた内容が、そのまま点数のもとになります。 3 入所検討委員会が、評価基準にもとづいて点数をつける 施設長、生活相談員、介護職員、看護職員、ケアマネジャーと、施設外の第三者で構成されます。 4 点数の高い順に、入所優先順位名簿をつくる 名簿は毎年2回、4月1日と10月1日の現在で作り直されます。 5 空きが出たら、名簿の順に入所が決まる

図1 名簿は年2回作り直されます。だから、状況が変わったら施設に伝える意味があります。

SECTION 04 順番は点数で決まる——福岡市の評価基準

その点数のつけ方が、福岡市のホームページで公開されています。 「別表 特別養護老人ホームの入所評価基準」という1枚の表です。全部を載せます。

区分評価項目点数
Ⅰ 本人の状況要介護度要介護5 … 30/要介護4 … 25/要介護3 … 20/要介護2 … 15/要介護1 … 10/その他 … 0
認知症度認知症行動がほぼ毎日 … 10/週1〜2回程度 … 5
知的障がい、精神障がい等知的障がいB1以上または精神障がい2級以上 … 10/上記以外 … 5
Ⅱ 介護サービス等
の利用状況
在宅(居宅サービスの利用状況)利用単位数の割合が6割以上 … 15/4割以上6割未満 … 10/4割未満 … 5
在宅(包括単位のサービスの利用状況)週5日以上 … 15/週3日以上4日以下 … 10/週2日以下 … 5
施設介護老人保健施設、介護医療院、1月を超えて病院・診療所を利用 … 7
介護老人福祉施設、特定施設、認知症高齢者グループホーム … 5
Ⅲ 介護者等の状況単身世帯かつ介護者がいない35
世帯の状況単身者 … 7/高齢者のみ … 4/上記以外 … 1
主たる介護者の年齢75歳以上 … 7/65歳以上75歳未満 … 4/65歳未満 … 1
主たる介護者の障がいや疾病介護困難 … 7/介護多少困難 … 4/介護可能 … 1
主たる介護者が複数介護、育児、就労5
他の家族、近隣者等の介護支援介護支援なし … 7/随時あり … 4/常時あり … 1
Ⅳ 本人の居住地市内5
Ⅴ 特記事項入所検討委員会の判断による加点最大20(1項目5点、4項目を上限)

表2 福岡市の入所評価基準(別表)。 要介護1・2の申込者は、特例入所の要件に該当しなければ、点数が高くても名簿に載せることはできません。

この表から読み取れること

  • いちばん大きいのは「単身世帯かつ介護者がいない」の35点要介護5の30点より大きい配点です。誰も介護する人がいない状況が、いちばん重く見られています。
  • 在宅サービスをよく使っているほど、点が高くなる居宅サービスの利用単位数の割合が6割以上なら15点、4割未満なら5点。使わずに家族だけで抱え込んでいると、点が上がりません。
  • すでに施設に入っていると、点は低い介護老人保健施設や1か月を超える入院で7点、有料老人ホームなどの特定施設やグループホームで5点。在宅で頑張っている人が優先される仕組みです。
  • サービス付き高齢者向け住宅や住宅型有料老人ホームにいる人は「在宅」として扱われる基準の注記に明記されています。軽費老人ホーム(特定施設を除く)、養護老人ホームも同じです。第4回で扱った住まいに移っても、特養の順番で不利にはなりません。
  • 特記事項の加点が最大20点ある要介護度が1段階上がるのと同じくらいの重みです。ここは伝えなければ付きません。次のSECTIONで扱います。
福岡市の場合

表2の「居宅サービスの利用単位数の割合」は、どう計算するのか。 福岡市の基準はこう定めています。訪問介護、訪問看護、通所介護、通所リハビリテーション、 短期入所生活介護、短期入所療養介護、訪問入浴、訪問リハビリテーションの利用について、 要介護1から5の区分支給限度基準額の合計を5で割った数値を分母にして算出する、と。

つまり、要介護度ごとの上限ではなく、要介護1から5の平均を基準にしています。 要介護が重い方ほど、この割合は達しやすくなります。

また「他の家族、近隣者等の介護支援」の目安も決まっています。 「常時あり」は週4日程度以上、「随時あり」は週1日から3日程度で、 1日あたり2時間以上または頻回であることが目安とされています。 「たまに様子を見に行く程度」なら、常時ありには当たりません。

SECTION 05 待ち方には、作法がある

点数の付き方がわかると、待ち方が変わります。福岡市の入所指針から読み取れる作法を、7つ挙げます。

  • 複数の施設に申し込む名簿は施設ごとに作られます。1か所だけに出しても、その施設の順番しか進みません。通える範囲の施設に、まとめて出してください。
  • 在宅サービスをきちんと使う居宅サービスの利用単位数の割合が6割以上なら15点、4割未満なら5点。家族だけで抱え込むと点が上がらない仕組みです。第3回で書いたとおり、上限まで使っていない方は多くいます。
  • 特記事項を漏らさず伝える委員会の判断による加点は1項目5点、4項目で最大20点。要介護度が2段階上がるのと同じ重みです。ただし、伝えなければ付きません。
  • 自己都合で辞退しないここがいちばん大事です。あとで詳しく書きます。
  • 状況が変わったら、施設に伝える名簿は年2回、4月1日と10月1日の現在で作り直されます。そのたびに調査票も作り直されます。入院した、介護者が倒れた、ひとり暮らしになった。そうした変化は、次の名簿に反映されます。
  • 順番の決め方について、説明を求めてよい入所指針は「施設は、入所申込者及び家族等に対して、入所優先順位の決定方法等について十分に説明を行わなければならない」と定めています。聞くのは当然の権利です。
  • 緊急のときは、名簿によらず入所できる場合がある虐待や介護放棄があって緊急の保護が必要な場合、災害時、長期入院していた方の再入所などです。事情があるなら、施設と、いきいきセンターふくおかに伝えてください。
気をつけること

福岡市の入所指針には、こう書かれています。 「入所申込者が自己都合(入院等やむを得ない場合を除く。)により入所を辞退した場合は、 当該入所申込者を名簿から削除する。」 そして、削除された方が再び入所を希望する場合は、改めて申込みの手続きが必要になります。

つまり、「今は都合が悪いので次の機会に」と断ると、そこまで積み上げた順番が消えます。 入院などやむを得ない場合は除かれますが、断るときは理由を正確に伝えてください。 家族の都合で先延ばしにしたいだけなのか、入院中で受けられないのか。ここは大きな違いになります。

特記事項として加点される事例

福岡市の評価基準には、委員会が加点を判断するときの事例が挙げられています。 自分の家に当てはまるものがないか、確かめてください。

  • 家族等の介護拒否/遠距離介護/長期間にわたる介護子どもが遠方にいる、介護がもう何年も続いている、家族が介護を担えない。いずれも加点の対象になり得ます。
  • 施設などに入所しており、退所を迫られている場合いま入っている住まいから出るように言われているなら、必ず伝えてください。
  • 住環境が適していないため、十分な介護が困難な場合階段しかない、風呂に入れない、部屋が狭くて介護できない、といった事情です。
  • 経済的理由により居宅サービスの利用率が点数に反映されない場合お金がなくてサービスを控えている場合は、そのことを伝えれば考慮されます。
  • 在宅での医療的処置が必要な場合たんの吸引、経管栄養、点滴、床ずれの処置など。
  • 点数化では評価できない認知症等がある場合表の項目に収まらない症状があるときです。
  • 地域での介護サービスや生活支援の供給が不十分な場合近くに事業所が少ない地域にお住まいの場合です。

SECTION 06 数字で見る、福岡市の特別養護老人ホーム

福岡市は、施設ごとの定員と、名簿に載っている人数を公表しています。 全国の市町村がやっていることではありません。まず区ごとの合計を見ます。

定員(人)名簿掲載者数(人)定員に対する割合
東区1,2696810.54
博多区8765170.59
中央区3141870.60
南区1,0325880.57
城南区4953850.78
早良区9456040.64
西区1,4025100.36
合計6,3333,4720.55

表3 福岡市が公表している施設別の一覧(令和6年4月1日現在、90施設)から、区ごとに集計したもの。 右端は、名簿掲載者数を定員で割った値です。 なお、同じ方が複数の施設に申し込むことができるため、この人数がそのまま待っている実人数を表すわけではありません。

福岡市の場合

区ごとでも0.36から0.78まで幅がありますが、施設ごとに見ると、その差はもっと極端です。 定員に対する名簿掲載者数の割合は、市の一覧を見るかぎり、 いちばん小さい施設で0.04(定員80人に対して名簿は3人)、 いちばん大きい施設で2.66(定員29人に対して名簿は77人)。 同じ市内で、60倍以上の開きがあります。

「特養は何年も待つ」というのは、市全体をならした話です。 実際には、名簿の人数が定員よりずっと少ない施設が現にあります。 申し込む前に、市のホームページで施設ごとの数字を見てください。 施設名、所在地、電話番号、定員、名簿掲載者数が、区ごとに一覧になっています。

ただし、名簿の人数が少ない施設は、遠かったり、 多床室が中心だったり、新しく開設されたばかりだったりします。 数字だけで決めず、必ず見学してください。見学の見どころは第10回で扱います。

医療の目で見ると

特別養護老人ホームには医師がいます。省令で「入所者に対し健康管理及び療養上の指導を行うために 必要な数」を置くことになっているからです。多くの施設では、近くの医師が非常勤で、 週に1回か2回来る形をとっています。

これは裏を返すと、外部の医師による訪問診療は、原則として入れないということでもあります。 第4回で扱った有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅とは、ここが決定的に違います。 かかりつけの先生に続けて診てもらいたい、という希望は、特養では通りにくくなります。 住まいの種類ごとの医療の入り方は、第9回でまとめて整理します。

そのうえで、見学のときに数で聞いてほしいことが3つあります。 配置医は週に何回来るのか。夜間に看護職員はいるのか。 昨年、この施設で何人を看取ったのか。 特に3つめは、答えられる施設とそうでない施設がはっきり分かれます。

在宅医の視点

申し込むこと自体には、何の不利益もありません。

私たちがご家族から相談を受けていて、いちばんもったいないと思うのは、 「どうせ待つから」と申し込まないまま時間が過ぎているケースです。 申込みにお金はかかりません。順番が来ても、そのときの事情で入らない選択もできます (ただし、断り方には作法があることは先に書いたとおりです)。 名簿は年2回作り直されるので、状況が悪くなれば点数は上がります。

在宅で頑張っている方ほど点が高くなる仕組みだ、というのも大事な点です。 第3回で書いたように、使えるサービスを積んで自宅で暮らし続けることは、 それ自体が本人と家族のためになりますが、同時に特養の順番も上げます。 抱え込んで、サービスを使わずに耐えていると、どちらの意味でも損をします。

最後にひとつ。特別養護老人ホームは、医療は手厚くありませんが、 暮らしが続く場所です。看取りまで対応する施設も増えています。 医療が濃くなったときにどうするかを、入る前に施設と話しておくこと。 それが、あとで慌てないための唯一の準備です。

この回のチェックリスト(第5回ぶん)

  • 市のホームページで、通える範囲の施設の定員と名簿掲載者数を確かめた
  • 2か所以上の施設に申込書を出した(または出す予定を立てた)
  • いま使っている在宅サービスが、上限の何割かをケアマネジャーに確認した
  • 特記事項として伝えるべきことを書き出した(遠距離介護、長期の介護、住環境、医療的処置など)
  • 要介護1・2の場合、特例入所の4つの事情のどれに当たるかを考えた
  • 順番の決め方について、施設に説明を求めた
  • 断ることになった場合の理由の伝え方を、家族で確認した
  • 見学のときに、配置医の訪問回数、夜間の看護職員、看取りの実績を聞いた

この回で出てきた福岡市の窓口

電話番号と受付時間は変わることがあります。最新の内容は各ページでご確認ください。

  • 福岡市 高齢者福祉施設の一覧特別養護老人ホームの施設一覧と、施設ごとの定員・入所優先順位名簿掲載者数/施設一覧のページ
  • 福岡市 特別養護老人ホーム入所指針入所対象者、特例入所、入所検討委員会、入所評価基準(別表)/入所指針のページ
  • いきいきセンターふくおか(福岡市地域包括支援センター)どの施設に申し込むか、緊急の事情をどこに伝えるかの相談/案内ページ
  • お住まいの区の福祉・介護保険課負担限度額認定の申請(食費・居住費の軽減。第8回で扱います)/介護保険負担限度額認定のページ
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ふくろう訪問クリニックは、福岡市早良区の在宅医療のクリニックです。 ご自宅はもちろん、有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅・グループホームへも医師が伺います。 通院が難しくなってきた、施設に移るので主治医を探している、退院後の行き先を決めたい。 どの段階のご相談でもかまいません。ご家族だけでのお問い合わせも歓迎します。

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Q&A よくある質問

Q何か所まで申し込んでよいのですか。
A制限はありません。名簿は施設ごとに作られるので、申し込んだ施設の数だけ順番が進みます。ただし、実際に入るのは1か所です。順番が来た施設に入らない場合、その施設の名簿からは削除されることになるので、通う気のない遠い施設まで手当たり次第に出すことは勧めません。家族が通える範囲で、複数に出すのが現実的です。
Q入院中でも申し込めますか。
A申し込めます。ただし評価基準では、1か月を超えて病院を利用している場合は7点、介護老人保健施設や介護医療院にいる場合も7点で、在宅で介護サービスを使っている場合より低くなることがあります。これは「在宅で困っている人を優先する」という考え方によるものです。退院後の行き先が決まらない場合は、病院の医療相談室といきいきセンターふくおかの両方に相談してください。
Qユニット型個室と多床室、どちらを選ぶべきですか。
A費用で選ぶなら多床室、暮らしの落ち着きで選ぶなら個室です。ユニット型個室は自分の部屋があり、少人数の共同生活を送る形なので、認知症のある方が落ち着きやすいと言われます。一方で居住費が高くなります。多床室は費用が抑えられますが、同室の方との相性の問題が出ることがあります。所得が低い方には食費と居住費の軽減の制度(負担限度額認定)があり、これを使うと差はかなり縮まります。金額の内訳は第8回で扱います。
Q入所したあとに要介護1や2に下がったら、出なければなりませんか。
Aすぐに退所ということにはなりません。福岡市の入所指針には、平成27年4月1日以降に入所した要介護3以上の方が要介護1または2になった場合の手続きが定められています。施設が市に意見を求め、その意見を踏まえて特例入所による入所の継続が必要と判断した場合には、継続を決定できることになっています。心配な場合は、施設の生活相談員に確認してください。

REFERENCE 参考資料

  1. 福岡市「福岡市特別養護老人ホーム入所指針」(https://www.city.fukuoka.lg.jp/fukushi/jigyousyasido/health/00/03/documents/shishin05.pdf
  2. 福岡市「別表 特別養護老人ホームの入所評価基準」(https://www.city.fukuoka.lg.jp/fukushi/jigyousyasido/health/00/03/documents/kijyun.pdf
  3. 福岡市「高齢者福祉施設(特別養護老人ホーム、グループホーム等)」施設別の定員と入所優先順位名簿掲載者数(令和6年4月1日現在)(https://www.city.fukuoka.lg.jp/fukushi/jigyousyasido/health/00/03/3-030301.html
  4. 指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第39号)第2条(https://laws.e-gov.go.jp/law/411M50000100039
  5. 介護保険法(平成9年法律第123号)第8条第22項・第27項(https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123
  6. 介護保険法施行規則(平成11年厚生省令第36号)第17条の9・第17条の10(https://laws.e-gov.go.jp/law/411M50000100036
  7. 福岡市「介護保険のサービス」(施設サービスの利用者負担のめやす)(https://www.city.fukuoka.lg.jp/fukushi/kaigohoken/health/00/03/3-010601.html
本記事は、公開されている法令・通知・自治体の資料をもとに、施設選びに必要な範囲を整理したものです。 費用の目安や制度の取扱いは、改定や個々の事情によって変わります。実際の手続きや金額は、 お住まいの区の窓口、地域包括支援センター(福岡市では「いきいきセンターふくおか」)、 担当のケアマネジャー、各施設に必ずご確認ください。 治療やお体のことについては、かかりつけ医にご相談ください。