有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅:親の施設の選び方

親の施設の選び方第4回/全10回
有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅

福岡市にいちばん多い住まいの見分け方

福岡市で「どこか空いていませんか」と探すと、まず紹介されるのがこの2つです。 住宅型有料老人ホームだけで市内に207施設、定員は合計11,560人。 特別養護老人ホームの定員のおよそ2倍の受け皿が、ここにあります。 ところが、名前が似ているのに中身がまったく違い、月額も大きくぶれます。 この回では、見分けるための線を1本引き、契約の前に何を読めばよいかを具体的に書きます。

この連載の現在地 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 第4回 有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅

この回の結論

  1. 見分ける線は1本です。「介護付」と名乗れるのは、特定施設入居者生活介護の指定を受けたホームだけ。指定がないのにそう書くことは、広告として認められていません。
  2. 住宅型とサービス付き高齢者向け住宅は、介護を外から入れます。だからどの事業所を使うかで月額が変わります。福岡市は、どんな事業所が併設されているかを一覧で公表しています。
  3. 前払金は返ってきます。入居後3か月以内に亡くなったり退去したりした場合の返還は、法律で定められています。

SECTION 01 3つの名前を、1本の線で分ける

パンフレットに並ぶ名前は3つあります。介護付有料老人ホーム住宅型有料老人ホームサービス付き高齢者向け住宅。 見学に行くと、どれも同じような建物で、同じように親切です。 けれども、法律上の成り立ちも、介護の出どころも、月額の決まり方も違います。

図1 名前は3つ。分かれ目は「介護がどこから出るか」 介護が内から出る 介護は外から入れる 1 介護付有料老人ホーム 正式には「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた有料老人ホーム。 そのホームの職員が介護する。介護の料金は要介護度に応じた定額。 職員の人数に法令の基準がある(要介護者3人に1人以上)。 2 住宅型有料老人ホーム 特定施設の指定を受けていない有料老人ホーム。福岡市に207施設と最も多い。 介護は外部の事業所と契約して入れる。使った分だけ払う(上限あり)。 介護職員の人数に、介護保険の基準はない。 3 サービス付き高齢者向け住宅 住宅として登録を受けたもの。多くは有料老人ホームでもある。 安否確認と生活相談が義務。介護は外部と契約する(特定施設の指定を受けた所もある)。 床面積や設備に登録基準があり、契約でも守られていることが多い。 同じ建物が「サービス付き高齢者向け住宅であり、かつ有料老人ホーム」であることは珍しくありません。 名前ではなく、特定施設の指定があるかどうかで判断してください。

図1 3つの名前。第1回の表2でいう「内から出る/外から入る」の線が、ここでも効いています。

「介護付」と書けるホームは限られている

ここが今回いちばんお伝えしたい事実です。 特定施設入居者生活介護の指定を受けていない有料老人ホームは、 広告やパンフレットに「介護付」「ケア付」と書いてはいけません。 これは各社の自主ルールではなく、行政の指導指針に明記されていることです。

特定施設入居者生活介護の指定を受けていない有料老人ホームにあっては、広告、パンフレット等において 「介護付」「ケア付」等の表示を行ってはいけないこと。 出典:福岡市「福岡市有料老人ホーム設置運営指導指針」(令和7年2月1日)12 契約内容等 (7) 入居者募集等

つまり、パンフレットに「介護付」とあれば特定施設です。 書かれていなければ、住宅型かサービス付き高齢者向け住宅だと考えてください。 「介護が受けられます」「介護スタッフ常駐」といった表現は、特定施設でなくても使えます。 見分けたいときは、はっきり「こちらは特定施設の指定を受けていますか」と聞くのが確実です。

SECTION 02 介護付は、何が違うのか

介護付、つまり特定施設には、職員の人数に法令の基準があります。 これが住宅型・サービス付き高齢者向け住宅との、いちばん大きな違いです。

制度のしくみ

指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号)第175条は、 特定施設に置くべき職員をこう定めています。

看護職員と介護職員の合計は、常勤換算で、要介護者である利用者3人につき1人以上。 看護職員は、利用者30人までなら常勤換算で1人以上、30人を超える場合は50人ごとに1人を加える。 そして常に1人以上の介護職員が確保されていること。 ほかに生活相談員(利用者100人につき1人以上)、機能訓練指導員1人以上、計画作成担当者1人以上。

住宅型有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅には、この基準がありません。 職員がいないという意味ではなく、何人置くかがホームの裁量にゆだねられているということです。 だから見学のときに「夜間は何人いますか」と数で聞く必要があります。

 介護付有料老人ホーム住宅型有料老人ホームサービス付き高齢者向け住宅
法律上の位置づけ老人福祉法の有料老人ホーム+介護保険の特定施設の指定老人福祉法の有料老人ホーム高齢者住まい法の登録住宅(多くは有料老人ホームでもある)
介護の出どころホームの職員外部の事業所と個別に契約外部の事業所と個別に契約(特定施設の指定がある所を除く)
職員の人数の基準あり(要介護者3人に1人以上)介護保険上の基準なし日中の常駐は必要。人数の基準はなし
介護の料金要介護度に応じた定額使った分だけ(上限あり)使った分だけ(上限あり)
上限を超えたら関係なし超えた分は全額自己負担超えた分は全額自己負担
居室の広さの基準指導指針による指導指針による原則25平方メートル以上(共同利用部分が十分なら18平方メートル以上)
「介護付」の表示できるできない特定施設の指定がなければできない
訪問診療使える使える使える

表1 3つの住まいの違い。訪問診療については第9回でくわしく扱います。 どれを選んでも、かかりつけの医師に来てもらうことは可能です。

SECTION 03 サービス付き高齢者向け住宅は、住宅として守られている

サービス付き高齢者向け住宅は「施設」ではなく「住宅」です。 だから登録の基準が、建物と契約の両方にかかっています。 福岡市に登録するときの主な基準を、そのまま並べます。 入居前に読んでおくと、契約書のどこを見ればよいかがわかります。

  • 各戸の床面積は原則25平方メートル以上ただし、居間・食堂・台所などを共同で使うための十分な面積がある場合は18平方メートル以上でもよいことになっています。福岡市の登録物件一覧には、住宅ごとの専用面積が載っています。
  • 各戸に台所、水洗便所、収納設備、洗面設備、浴室共用部分で同等以上の環境が確保される場合は、台所・収納・浴室を各戸に備えなくてもよいとされています。「部屋にお風呂があるか」は、実際に暮らすうえで大きな差になります。
  • バリアフリー構造であること段差のない床、手すりの設置、廊下幅の確保。
  • 安否確認と生活相談。日中は職員が常駐する安否確認は毎日1回以上。常駐しない時間帯は緊急通報システムで対応します。夜間に人がいるかどうかは住宅ごとに違うので、必ず確認してください。
  • 権利金その他の金銭を受領しない契約であること受け取ってよいのは、敷金と、家賃・サービス費、そしてその前払金だけです。
  • 入院や心身の状況の変化を理由に、同意なく居室を変えたり契約を解除したりしない登録基準にはっきり書かれています。「入院したら出てもらいます」という運用は、この基準に反します。
  • 工事が完了する前に、敷金や前払金を受け取らない建設中の住宅に前払いを求められたら、その時点でおかしいと考えてください。
福岡市の場合

サービス付き高齢者向け住宅の登録窓口は、福岡市の場合は 住宅都市みどり局 住宅部 住宅計画課 居住支援係です(市役所3階、電話 092-711-4279)。 介護の担当課ではなく、住宅の担当課である点が、この住まいの性格をよく表しています。

そして福岡市は、市内の登録物件一覧を1枚の表にまとめて公表しています(令和8年7月31日時点)。 住宅名、所在地、電話番号、戸数、専用面積、毎月の支払額、家賃、共益費、敷金の月数に加えて、 訪問介護・訪問看護・通所介護・通所リハビリテーション・居宅介護支援・診療所が 併設されているかどうかが、住宅ごとに丸とバツで載っています。

これは見学の前に読む価値があります。次のSECTION 05で説明する「囲い込み」を考えるとき、 その住宅がどんな事業所を自前で持っているかは、いちばん基本の情報だからです。

SECTION 04 お金——前払金は、返ってくる

有料老人ホームのお金は、入るときにまとめて払う前払金と、 毎月払う月額利用料に分かれます。 前払金は数十万円のところもあれば、数千万円のところもあります。 ここは家族がいちばん不安になるところですが、法律による守りが何重にもかかっています。

制度のしくみ

老人福祉法 第29条は、有料老人ホームのお金についてこう定めています。

第8項:家賃、敷金、介護等の対価として受け取る費用のほかに、 権利金その他の金品を受領してはならない

第9項:前払金を一括して受け取る場合は、 その算定の基礎を書面で明示し、返還債務に備えて保全措置を講じなければならない。

第10項:前払金を受け取る場合は、入居した日から一定の期間内に契約が解除されたり 入居者が亡くなったりしたときに、前払金から一定の方法で算定した額を差し引いた残りを返還する 契約を結ばなければならない

その「一定の期間」と「算定の方法」を決めているのが、老人福祉法施行規則 第21条です。 ここが、いわゆる3か月ルールと呼ばれているものの正体です。

図2 前払金は、いつ出ていくといくら返ってくるか 1 入居開始可能日より前にやめた場合 すでに受け取ったお金は、全額返還されます。契約したあとに気が変わっても、 まだ入居していなければ損はしません(福岡市の指導指針による)。 2 入居して3か月以内にやめた、または亡くなった場合 家賃等の月額を30で割った額に、入居した日から終了した日までの日数をかけた額。 それだけを差し引いて、残りが返還されます(老人福祉法施行規則 第21条)。 3 3か月を過ぎ、想定居住期間の途中でやめた場合 やめた日より後の期間について日割りで計算した額が、前払金から差し引かれずに返ります。 想定居住期間が何か月なのかは、契約書に必ず書かれています。 前払金の内金は前払金の20パーセント以内、残りは引渡し日前の合理的な期日以降に徴収する、と福岡市の指針は定めています。

図2 前払金の返還。契約前に、この3つが契約書のどこに書かれているかを確かめてください。

お金のはなし

福岡市の指導指針は、お金についてさらに細かく定めています。家族が知っておくと役に立つものを挙げます。

敷金は家賃の6か月分を超えないこと。そして退去のときには、 居室の原状回復費用を除いて全額返還すること。原状回復の費用負担については、 国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を参考にするとされています。

家賃は、近くの同じような住宅の家賃から算定される額を大幅に上回らないこと。 立地に対して家賃が突出していないかは、確かめてよい点です。

多額の前払金を払えば毎月の支払いは一切なく生涯を保証する、という契約は 「原則として好ましくない」と指針は述べています。 物価も本人の状態も変わるからです。そういう提案を受けたら、いったん持ち帰ってください。

なお、介護保険の利用者負担分を前払金として先に受け取ることは不適当とされています。 前払金の中に介護保険の自己負担が含まれている、という説明を受けたら、その場で確認してください。

SECTION 05 「囲い込み」をどう見抜くか

住宅型有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅は、介護を外から入れます。 そして多くの場合、同じ法人が訪問介護やデイサービスを併設しています。 これ自体は悪いことではありません。 すぐ近くに事業所があるほうが、対応は早く、連絡も取りやすいからです。

問題になるのは、必要かどうかにかかわらず併設の事業所のサービスが組まれ、 1か月の上限まで使い切るケアプランになる場合です。 上限まで使えば、そのぶん本人の自己負担も増えます。 これが、いわゆる「囲い込み」と呼ばれているものです。

気をつけること

福岡市の指導指針は、重要事項説明書で説明すべき事項として、次のものを挙げています。 「有料老人ホームの設置者又は当該設置者に関係する事業者が、当該有料老人ホームの 入居者に提供することが想定される介護保険サービスの種類」、そして 「入居者が希望する介護サービスの利用を妨げない旨」です。

つまり、「うちのサービスを使ってもらいます」と言えないことになっているのです。 契約前に、この2点が重要事項説明書に書かれているかを確かめてください。 説明を受けたときには、説明した人と受けた人の署名を行うことになっています。

もうひとつ。福岡市は、ホームが紹介事業者と契約する場合について、 入居希望者の介護度や医療の必要度に応じて手数料を設定するような、 社会保障費の不適切な費消を助長すると誤解を与える手数料の設定を行わないこと、 またそうした設定に応じないことを求めています。 紹介会社を通して探す場合、この構造があることは知っておいてよいと思います。

見学のときに聞く3つの質問

  • 「いま入居している方は、平均で月にいくら払っていますか」家賃と管理費だけでなく、介護保険の自己負担を含めた総額を聞きます。パンフレットの月額は、介護を使わない前提の額であることが多いです。
  • 「外部の訪問介護やデイサービスを使っている方はいますか」ゼロという答えなら、事実上そうなっているということです。良し悪しではなく、事実として把握してください。
  • 「いまのケアマネジャーを続けられますか」住宅型やサービス付き高齢者向け住宅では、ケアマネジャーを変える義務はありません。変更を求められる場合は、その理由を聞いてください。
重要事項説明書で見る場所そこで確かめること
有料老人ホームの類型/サービス付き高齢者向け住宅の登録の有無特定施設の指定があるかどうか。ここで「介護付」かどうかが決まります
職員体制夜間に何人いるか。看護職員がいる時間帯はいつか
利用料等の額と、提供されるサービスの内容月額に何が含まれ、何が別料金か。おむつ代、通院の付き添い、買い物代行など
前払金の返還金の有無、算定方式、支払時期図2の3つの場合が、どう書かれているか
身元引受人の権利と義務何を求められるのか。連帯保証なのか、緊急連絡先なのか
契約解除の要件どういうときに出ることになるのか。医療が必要になった場合の扱い
設置者や関係事業者が提供することが想定される介護保険サービスの種類併設の事業所は何か。「希望する介護サービスの利用を妨げない旨」の記載があるか
別添1「事業主体が福岡市内で実施する他の介護サービス一覧表」
別添2「提供するサービス一覧表」
福岡市では、この2つを重要事項説明書に必ず添付することになっています。同じ法人がどれだけの事業を持っているかが一覧できます
届出の状況届出をしていない場合や、指導を受けている場合は、その旨を記載することになっています

表2 重要事項説明書の読みどころ。福岡市は、市内の有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅の 重要事項説明書を区ごとにホームページで公開しています。見学の前に読めます。

SECTION 06 医療は、自分で選べる

ここは第9回でまとめて扱うところですが、契約の前に知っておくべきことが1つあるので、先に書きます。

入居者が、医療機関を自由に選択することを妨げないこと。協力医療機関及び協力歯科医療機関は、 あくまでも、入居者の選択肢として設置者が提示するものであって、 当該医療機関における診療に誘引するためのものではない。 出典:福岡市「福岡市有料老人ホーム設置運営指導指針」(令和7年2月1日)8 有料老人ホーム事業の運営 (9) 医療機関等との連携

有料老人ホームには、急変に備えて協力医療機関を定めるよう求められています。 ただしそれは、入居者にとっての選択肢のひとつであって、 そこに決めなければならないという意味ではありません。 指針はさらに、医療機関から患者を紹介する対価として金品を受け取り、 入居者をその医療機関に誘引してはならないとも定めています。

医療の目で見ると

実際にはどうなっているか。入居のときに「こちらでは提携している先生に診ていただきます」と 案内され、それまで20年通っていたかかりつけ医から、自動的に切り替わってしまう。 これは私たちがよく耳にする話です。

でも、いま引用したとおり、医療機関は入居者が選べます。 かかりつけの医師に続けて診てもらいたいなら、契約の前にそう言ってください。 通院が難しくなっているなら、その医師に訪問診療をお願いできるか聞いてください。 対応していない場合でも、別の訪問診療のクリニックに来てもらうことができます。 住宅型有料老人ホームでも、サービス付き高齢者向け住宅でも、介護付有料老人ホームでも同じです。

もうひとつ。指針は、入院した入居者の病状が軽快して退院できるようになったときは、 速やかにホームに戻れるよう努めることとしています。 サービス付き高齢者向け住宅の登録基準では、さらに強く、 入院したことや心身の状況が変化したことを理由に、 同意なく居室の変更や契約解除を行わないことが求められています。 「入院したら退去」と言われたら、この基準を確かめてください。

在宅医の視点

パンフレットの月額は、いちばん安い月の金額です。

住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅に入られた方のお宅に伺うと、 ご家族が「思っていた金額と違った」とおっしゃることがよくあります。 パンフレットに載っているのは、たいてい家賃と管理費と食費の合計です。 そこに介護保険の自己負担が乗り、おむつ代が乗り、通院の付き添い代が乗ります。 そして本人の状態が重くなるほど、その部分は増えていきます。

ですから見学のときは、パンフレットの数字ではなく、 「いま入居している要介護3くらいの方は、実際に月いくら払っていますか」と 聞いてください。まともなホームなら、幅をもって具体的に答えてくれます。 答えられない、あるいは話をそらすホームは、そこが弱点です。

そのうえで申し上げると、住宅型やサービス付き高齢者向け住宅は、 医療を続けるという点ではとても自由度が高い住まいです。 主治医を選べて、訪問看護も入れられて、状態が変わっても医療の側だけを厚くできます。 弱点はお金の見通しが立てにくいこと、強みは医療の自由度が高いこと。 そう理解して選べば、よい選択肢になります。

この回のチェックリスト(第4回ぶん)

  • そのホームが特定施設の指定を受けているかどうかを聞いた(「介護付」と書けるかどうか)
  • 福岡市のホームページで、そのホームの重要事項説明書を読んだ
  • 夜間に職員が何人いるかを、数で聞いた
  • いま入居している同じくらいの要介護度の方の、実際の月額を聞いた
  • 月額に含まれるものと、別料金になるものを一覧で出してもらった
  • 前払金がある場合、返還の算定方式と支払時期が契約書のどこに書かれているか確認した
  • 敷金がある場合、家賃の何か月分かを確認した
  • 併設の事業所と、外部の事業所を使えるかどうかを聞いた
  • いまのケアマネジャーを続けられるか聞いた
  • かかりつけ医を続けられるか、訪問診療を入れられるか聞いた
  • 入院したときと、退院してきたときの扱いを聞いた
  • 体験入居ができるか聞いた

この回で出てきた福岡市の窓口

電話番号と受付時間は変わることがあります。最新の内容は各ページでご確認ください。

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Q&A よくある質問

Q介護付と住宅型、どちらを選ぶべきですか。
Aすでに手がかかっている方は介護付のほうが向きます。職員の人数に法令の基準があり、介護の料金が定額なので、状態が重くなっても月額が跳ね上がりません。逆に、まだ自分でできることが多い方は、住宅型やサービス付き高齢者向け住宅のほうが安く済むことがあります。使わないサービスに定額を払わずに済むからです。目安として、要介護3以上で、これから重くなる見込みなら介護付。要支援から要介護1くらいで、まだ動けるなら住宅型やサービス付き高齢者向け住宅、と考えてみてください。
Q前払金がゼロで、月額が高いプランを勧められました。
A多くのホームが、前払いにするか月払いにするかを選べるようにしています。どちらが得かは、何年住むかで変わります。想定居住期間より短く住めば前払いのほうが損になりにくく、長く住めば月払いのほうが高くつくことがあります。ただ、実際には何年住むかは誰にもわかりません。まとまったお金を動かしたくない、あるいは途中で住み替える可能性があると考えるなら、月払いのほうが身軽です。判断がつかないときは、両方の総額を10年分まで並べて計算してもらってください。
Q「サ高住は安い」と聞きましたが、本当ですか。
A家賃と管理費だけを見れば、そう見えることがあります。福岡市が公表している登録物件一覧を見ると、毎月の支払額には幅があります。ただし、そこに介護保険の自己負担が加わります。手がかかる方ほどサービスが増え、上限を超えれば全額自己負担になります。安いかどうかは、家賃ではなく、介護を含めた総額で比べてください。
Q入居してから、やっぱり合わないと思ったら出られますか。
A出られます。入居開始可能日より前なら、すでに払ったお金は全額返還されます。入居後3か月以内なら、実際に住んだ日数分だけを差し引いた残りが返還されます。ここは法律で決まっている部分です。それ以降も、契約書に定められた予告期間を置けば解約できます。合わない住まいに我慢して住み続ける必要はありません。ただし次の行き先を決めてから動くほうが安全なので、ケアマネジャーやいきいきセンターふくおかに早めに相談してください。

連載「親の施設の選び方」全10回

  1. 親の住まいには何種類あるのか——自宅から病院まで、選択肢を一枚の地図にする
  2. まず、どこに相談するか——「いきいきセンターふくおか」と要介護認定の受け方
  3. まだ自宅でいける——在宅サービスをどこまで積めるか、限界はどこにあるか
  4. 有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅——福岡市にいちばん多い住まいの見分け方
  5. 特別養護老人ホーム——いちばん安い、いちばん待つ。待ち方には作法がある
  6. 医療が必要になったら——老健・介護医療院・療養病床の使い分け
  7. 認知症のとき——グループホームという選択と、福岡市の認知症のしくみ
  8. 結局いくらかかるのか——月額の内訳と、公的に下げる手立てのすべて
  9. 施設に入っても医療は続く——訪問診療・訪問看護が入る住まい、入らない住まい
  10. 決めるとき、決めたあと——見学の見どころ、契約書の落とし穴、そして最期まで

REFERENCE 参考資料

  1. 福岡市「福岡市有料老人ホーム設置運営指導指針」令和7年2月1日(https://www.city.fukuoka.lg.jp/fukushi/jigyousyasido/health/00/05/documents/07yuryoushishin.pdf
  2. 老人福祉法(昭和38年法律第133号)第29条第7項から第11項(https://laws.e-gov.go.jp/law/338AC0000000133
  3. 老人福祉法施行規則(昭和38年厚生省令第28号)第21条(https://laws.e-gov.go.jp/law/338M50000100028
  4. 指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号)第175条(https://laws.e-gov.go.jp/law/411M50000100037
  5. 高齢者の居住の安定確保に関する法律(平成13年法律第26号)第5条・第7条(https://laws.e-gov.go.jp/law/413AC0000000026
  6. 福岡市「サービス付き高齢者向け住宅登録制度について」(主な登録基準、登録物件一覧)(https://www.city.fukuoka.lg.jp/jutaku-toshi/jigyochosei/life/20100929_2.html
  7. 福岡市「福岡市内「サービス付き高齢者向け住宅」の登録物件一覧」令和8年7月31日時点(https://www.city.fukuoka.lg.jp/jutaku-toshi/jigyochosei/life/documents/20260801sakouzyuu.pdf
  8. 福岡市「住宅型有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅重要事項説明書一覧」(https://www.city.fukuoka.lg.jp/fukushi/jigyousyasido/health/00/03/3-030201_2.html
  9. 福岡市「福岡市内有料老人ホーム一覧」令和8年8月1日現在(https://www.city.fukuoka.lg.jp/fukushi/jigyousyasido/health/00/03/documents/zyuutakugatayuuryou.pdf
本記事は、公開されている法令・通知・自治体の資料をもとに、施設選びに必要な範囲を整理したものです。 費用の目安や制度の取扱いは、改定や個々の事情によって変わります。実際の手続きや金額は、 お住まいの区の窓口、地域包括支援センター(福岡市では「いきいきセンターふくおか」)、 担当のケアマネジャー、各施設に必ずご確認ください。 治療やお体のことについては、かかりつけ医にご相談ください。