子宮体がんは、日本の女性のがんの中で増え続けているがんのひとつです。不正出血という分かりやすいサインが出るため早い段階で見つかることが多く、全体としての治療成績は良好な部類に入ります。それでも、進行した状態で見つかる方、治療後に再発する方は確実におられます。

この記事では、子宮体がんが「末期」と呼ばれる時期に、からだに何が起き、どんな治療と手当てがあり、住み慣れた家でどこまで過ごせるのかを、専門用語をかみくだいて解説します。とくに在宅診療の部分は、実際に福岡市で訪問診療を行っている立場から、一段深く踏み込んで書きました。

いま治療中の方、ご家族、そして「そろそろ家に帰ることを考えたい」と思い始めた方の手がかりになれば幸いです。

SECTION 01

子宮体がんとは — 数字で見ておく

子宮体がんは、子宮の奥(体部)の内側をおおう子宮内膜から発生するがんで、「子宮内膜がん」とも呼ばれます。子宮の入り口にできる子宮頸がんとは、原因も、なりやすい年代も、治療も、まったく別のがんです。

項目数値
新たに診断される数(2023年)19,945例
死亡数(2024年)3,136人
5年相対生存率(2009〜2011年診断例)81.3%

国立がん研究センター「がん統計」子宮体部(2026年3月23日更新)より作成1)

2万人近くが診断されるのに対し、亡くなる方は約3千人。5年相対生存率81.3%という数字は、がん全体の平均(64.8%)と比べてもかなり高い水準です。理由ははっきりしていて、閉経後の不正出血という気づきやすい症状が出るため、子宮の中にとどまっている段階で見つかる方が多いからです。

ただし、この81.3%はすべての進行度をまとめた平均値です。診断された時点ですでに骨盤の外に広がっていた場合や、いったん手術で取りきったあとに再発した場合には、見通しは大きく変わります。この記事が対象にしているのは、その後者の状況です。

なりやすさに関わるもの — 女性ホルモンと体格

子宮体がんの多くは、エストロゲン(女性ホルモン)の刺激が長く続くことで内膜が厚くなり、そこからがんが生まれるタイプ(I型)です。閉経後は卵巣からのエストロゲンは減りますが、脂肪組織のなかでも男性ホルモンからエストロゲンが作られるため、体格が大きい方ほど内膜が刺激され続けます。

日本人を対象とした大規模な追跡調査(多目的コホート研究/JPHC研究)では、40〜69歳の女性約5万3千人を追跡した結果、BMI 23.0〜24.9のグループと比べてBMI 27.0以上のグループで子宮体がんのリスクが統計学的に有意に高いことが示されました。エストロゲン依存性のI型で同じ傾向がみられ、非依存性のII型では関連は認められませんでした2)

このほか、出産経験がないこと、月経不順、糖尿病、高血圧、乳がん治療で使うタモキシフェンの服用、そしてリンチ症候群という遺伝性のがん体質などが関わります。

この点が、あとの在宅療養にも効いてきます

子宮体がんの患者さんは、肥満・糖尿病・高血圧を同時に抱えたまま終末期を迎えることが少なくありません。これは在宅での介護のしかた(移乗、体位変換、褥瘡予防、福祉用具の選び方)や、終末期に糖尿病の薬をどう緩めるかという判断に、直接影響します。記事の後半で具体的に扱います。

SECTION 02

「ステージⅣ」と「末期」は同じではない

診察室でよく起きるすれ違いが、この2つの言葉の混同です。

ステージⅣ 末期 がんが「どこまで広がったか」 という位置の話 からだが「どれだけ保てるか」 という時間と体力の話 診断時に決まる/原則あとから変わらない Ⅳでも治療が効き、何年も続く方がいる ステージⅣ=末期、ではない がんを抑える治療が難しくなった状態 体力・食事・動きの低下が続いている 再発からⅢ期相当でも末期になりうる

図1 ステージⅣと「末期」は別の物差し

ステージ(進行期)は、がんがどこまで広がっているかを表す地図上の位置です。ステージⅣは「子宮の外の遠くまで届いている」という意味で、診断のときに決まります。一方「末期」は、がんを抑える治療で病気の勢いを止められなくなり、からだの働きが下り坂に入った時期を指す、時間の言葉です。

ですからステージⅣでも、薬がよく効いて年単位で穏やかに過ごされる方がいます。逆に、ステージⅢで手術を受けたあと再発を繰り返し、薬の選択肢が尽きて末期に入る方もいます。「ステージⅣ=もう終わり」ではありません。

制度の上では、公的保険で「がん末期」という言葉が使われるのは、おおむね余命が6か月以内と見込まれ、がんを治すための治療ではなく、つらさをやわらげる治療が中心になっている状態です。この判定が、後半で説明する訪問看護や介護保険の使い方を大きく変えます。

SECTION 03

子宮体がんは「お腹の中に広がる」がん

がん種ごとに、進行したときの「広がり方の癖」があります。子宮体がんの癖は、子宮の中から卵管を通ってお腹の中にこぼれ落ち、腹膜に散らばることです。これを腹膜播種(ふくまくはしゅ)といいます。

子宮体がんが進むときの4つのルート 子宮体部 (内膜) 腟・断端 ① 腹膜播種 腸閉塞・腹水 ② リンパ節転移 脚のむくみ・尿管圧迫 ③ 血流で肺・肝・骨へ 息切れ・痛み ④ 骨盤内・腟断端 出血・帯下・痛み 子宮を摘出したあとでも、①〜④はいずれも起こりうる

図2 子宮体がんが進むときの4つのルート

このうち、末期の暮らしを最も左右するのが①の腹膜播種です。腹膜に散らばった小さながんが腸の外側にへばりつき、腸を外から締めつけたり、腸どうしをくっつけたりして、食べたものが通らなくなる(悪性消化管閉塞)という事態を招きます。これは卵巣がんの末期と非常によく似た経過で、「痛みが強くて動けない」というより「食べられない」ことが日々の中心課題になります。この対処は SECTION 06 でまとめて扱います。

②のリンパ節転移は、骨盤や大動脈のまわりのリンパ節にがんが入り、リンパ液の流れをせき止めます。結果として片脚あるいは両脚がむくみ、重くなり、歩きにくくなります。すぐそばを通る尿管が押されると、腎臓に尿が溜まって腎臓の働きが落ちることもあります。

③は血液の流れに乗って離れた臓器に飛ぶルートで、子宮体がんでは肺への転移が比較的多いのが特徴です。息切れとして表れます。

④は、子宮を取ったあとに腟の縫い合わせた部分(腟断端)やその周囲で再び大きくなるパターンです。出血や、においを伴うおりものの原因になります。

SECTION 04

末期に出やすい症状 — 7つの地図

実際にどんなつらさが出るのか、頻度の高いものを整理します。すべてが出るわけではありません。どれが出るかは、がんがどのルートで広がったかで決まります。

1 吐き気・嘔吐・お腹の張り 腹膜播種による腸閉塞。食べると吐く、便やガスが 出ない。末期でもっとも生活を変える症状。 2 腹水(お腹に水がたまる) 腹膜からしみ出た水。腹囲が増え、横隔膜が押されて 息苦しい。少し食べただけで満腹になる。 3 下腹部・腰・骨盤の痛み 内臓の鈍い痛みに加え、神経が巻き込まれると 「しびれる」「焼ける」痛みが混じる。 4 脚のむくみ(リンパ浮腫) 片脚から始まることが多い。皮膚が張って傷つき やすく、蜂窩織炎(感染)を起こしやすい。 5 性器出血・においのある帯下 腟断端の再発から。量が増えると貧血に。においは 本人がいちばん気にし、口に出しにくい症状。 6 血栓(片脚の急な腫れ・息切れ) がん自体が血を固まりやすくする。動けない期間が 重なると危険が上がる。急に出たら要連絡。 7 だるさ・食欲低下・体重減少・息切れ 全身の消耗(がん悪液質)と肺転移による。「もう少し食べれば元気になる」という考え方が通用しなくなる時期。

図3 子宮体がん末期に出やすい症状

言いにくい症状こそ、伝えてください

性器からの出血、においのあるおりもの、便やガスが出ないこと、尿もれ。これらは「恥ずかしい」「先生に言うほどのことではない」と我慢されやすい症状です。しかし、どれも手立てのある症状です。においには専用の外用薬がありますし、便が出ないことは腸閉塞の最初のサインかもしれません。訪問診療では、こちらから順番にお尋ねするようにしています。

SECTION 05

「分子の型」で治療が変わる時代になった

子宮体がんの治療は、この数年で大きく変わりました。かつては「顕微鏡で見た顔つき(組織型)と、どこまで広がったか」だけで治療が決まっていましたが、現在はがん細胞の遺伝子の性質=分子サブタイプによって、効く薬がはっきり違うことが分かっています。

日本産科婦人科学会と日本婦人科腫瘍学会がまとめた『婦人科がんにおけるバイオマーカー検査の手引き 第1.0版』(2025年7月)では、子宮体癌の患者さん全例に対して、進行期・組織型を問わず分子サブタイプ分類を用いて診断することが推奨されています3)

子宮体がんの4つの分子サブタイプ 左にいくほど見通しが良く、右にいくほど厳しい傾向 POLE変異型 全体の約5〜10% 遺伝子のコピー ミスが極端に多い きわめて予後良好 追加治療を減らす 方向で検討される dMMR型 全体の約25〜30% 修復役の遺伝子が 壊れている(MSI-H) 免疫療法がよく効く リンチ症候群の 可能性も調べる NSMP型 全体の約35〜40% 特徴的な変化が 見つからない群 中間的な見通し ホルモン受容体が 手がかりになる p53異常型 全体の約15〜20% 漿液性がんなどに 多い高悪性度 再発しやすい 早い段階から 全身治療を考える ※ 割合は報告により幅があります。日本では分子サブタイプ検査の保険適用が限られており、 実際にはMMRタンパクの免疫染色やMSI検査が中心になります。

図4 子宮体がんの分子サブタイプ(署名図)

進行期分類も変わりつつあります

2023年6月、国際産婦人科連合(FIGO)は14年ぶりに子宮体癌の進行期分類を全面改訂し、組織型・悪性度・脈管侵襲に加えて分子遺伝学的所見を取り入れた「FIGO2023」を公表しました4)。日本産科婦人科学会は、この分類への国内対応を協議中とし、当面は従来の日産婦2011分類を用いると案内しています5)
つまりいま日本の病院で告げられるステージは、多くの場合まだ従来の分類です。海外の情報を調べていて数字が合わないと感じたら、この違いが理由かもしれません。

進行・再発の薬物療法 — いま何が使えるか

治療の土台になるのは、日本婦人科腫瘍学会の『子宮体がん治療ガイドライン 2023年版(第5版)』です6)。そのうえで、この2〜3年に承認された新しい薬が加わっています。

進行・再発子宮体がんの薬物療法の流れ 一次治療 カルボプラチン+パクリタキセル + ペムブロリズマブ(免疫チェックポイント阻害薬) 2024年12月27日 国内承認/MMRの状態を問わず併用可能 効かなくなったら(二次治療) レンバチニブ + ペムブロリズマブ 2021年12月24日 国内承認(LP療法) 状況に応じて ホルモン療法/別の抗がん剤 緩和的な放射線治療(出血・痛みに) ※ 実際の選択は、体力・臓器の働き・分子サブタイプ・これまでの治療歴で決まります

図5 薬物療法の大まかな流れ

ペムブロリズマブ+化学療法(一次治療)

米国・カナダ・日本・韓国の395施設で816人が参加した第Ⅲ相試験(NRG-GY018/KEYNOTE-868)では、標準の抗がん剤にペムブロリズマブを上乗せすることで、がんが進むまでの期間(無増悪生存期間)が明らかに延びました7)

対象抗がん剤のみペムブロリズマブ併用ハザード比
dMMR(修復機能が壊れている群)7.6か月中央値に到達せず0.30(95%信頼区間 0.19–0.48)
pMMR(修復機能が保たれている群)8.7か月13.1か月0.54(95%信頼区間 0.41–0.71)

Eskander RN, et al. N Engl J Med. 2023;388(23):2159-2170 より作成7)。数値は無増悪生存期間の中央値。

ハザード比0.30とは、がんが進む、あるいは亡くなる危険が7割減ったという意味です。とくにdMMRの方では効果が際立ちます。日本では2024年12月27日にこの併用が承認されました8)

レンバチニブ+ペムブロリズマブ(LP療法)

抗がん剤のあとに悪化した場合の選択肢です。827人(うち日本人104人)が参加した第Ⅲ相試験(KEYNOTE-775/309試験)で、医師が選んだ抗がん剤と比べて死亡の危険を38%減らし(ハザード比0.62)、進行・死亡の危険を44%減らしました(ハザード比0.56)。日本では2021年12月24日に承認されています9)

ただしこの併用は副作用の管理が難しく、高血圧、甲状腺機能の低下、たんぱく尿、下痢、疲労などがしばしば起こります。日本婦人科腫瘍学会も、慎重な実施と副作用対策を求める文書を出しています10)体力が落ちてきた時期には、続けること自体が生活の質を下げるという判断が必要になります。

海外で使われていて日本で未承認の薬もあります

ドスタルリマブという免疫チェックポイント阻害薬は、RUBY試験の結果をもとに米国・欧州で一次治療として承認されていますが、日本では2026年8月時点で未承認です(国立がん研究センターの未承認薬・適応外薬リストで「開発中」と記載されています)11)。海外の記事を読んで「日本ではなぜ使えないのか」と疑問に思われた方は、主治医に確認してみてください。

「そろそろ薬をやめる」の目安

これが最も難しい話し合いです。目安になるのは、がんの大きさよりもご本人の状態です。

見るところ治療を続けやすい切り替えを考える
日中の過ごし方身のまわりのことは自分でできる日中の半分以上を横になって過ごす
食事量は減っても食べられる吐き気や腸閉塞で口から入らない日が続く
体重おおむね保たれている数か月で目立って減っている
臓器の働き腎臓・肝臓・血球の数値が保たれる腎機能低下、黄疸、輸血が頻回に必要
副作用調整でしのげる入院や休薬をくり返し、回復しきらない
ご本人の希望もう少し試したい家で過ごす時間を優先したい

大切なのは、「治療をやめる」ではなく「治療の目的を、がんを小さくすることから、つらさを取ることへ移す」という理解です。がんを叩く薬を止めても、痛みの薬、吐き気の薬、腹水を抜く処置、輸血、点滴といった手当ては続きます。むしろ、そこからが緩和ケアの本番です。

SECTION 06

「食べられない」にどう向き合うか — 悪性消化管閉塞

子宮体がん末期でもっとも頻度が高く、そしてご家族が最もつらく感じるのが、この問題です。腹膜播種によって腸が通らなくなる状態を悪性消化管閉塞といいます。

特徴は、ある日突然完全に詰まるのではなく、詰まったり通ったりを繰り返しながら、少しずつ通り道が狭くなっていくことです。「昨日は食べられたのに今日は吐く」という日が増えていきます。

腸が通らなくなったときの3つの手立て 吐き気・嘔吐・腹部膨満 ① 腸液を減らす オクトレオチド 腸から出る消化液そのもの を減らし、吐く量を減らす ブチルスコポラミン 腸の差し込むような痛みと 分泌をおさえる ② むくみを取る ステロイド 腸の壁のむくみを減らし、 通り道を広げる 効くと、また少しずつ 食べられるようになる ことがある ③ 吐き気を止める 制吐薬 ハロペリドールなど、 吐き気の中枢に働く薬 完全に詰まった場合は 胃管などで胃の中を 抜いて楽にする方法も いずれも持続皮下注射で在宅でも使える。日本緩和医療学会ガイドラインに基づく

図6 悪性消化管閉塞への3系統の対応(署名図)

日本緩和医療学会の『がん患者の消化器症状の緩和に関するガイドライン 2017年版(第2版)』では、手術ができない消化管閉塞に対する薬物療法として、オクトレオチド、コルチコステロイド(ステロイド)、抗コリン薬(ブチルスコポラミン)、制吐薬が整理されています12)

ここで知っておいていただきたいのは、これらの薬はすべて、点滴の管を血管に入れなくても、細い針をお腹や胸の皮膚の下に留置する「持続皮下注射」で在宅投与できるということです。詰まったからといって、必ずしも入院が必要になるわけではありません。

「食べさせたい家族」と「食べられない本人」

この時期にご家族を最も苦しめるのは、「食べないから弱っていく」という順序の誤解です。実際は逆で、病気が進んだから食べられなくなります。無理に食べさせても、吐いてしまい、誤嚥性肺炎のもとになり、ご本人はつらい思いをします。

私たちがお願いしているのは、量を目標にしないことです。好きなものをひとくち、氷のかけら、口をうるおす、においを楽しむ。これは立派な食事です。「食べさせること」から「口を気持ちよくすること」へ、目的を移していただけると、ご本人もご家族も楽になります。

HOME CARE — 在宅診療

ここからが本題です
家で過ごすという選択肢

ここから先は、実際に福岡市で訪問診療を行っている立場から、制度と実務の両面を一段深く書きます。「家に帰りたいけれど、家族に迷惑をかけるのでは」「急に悪くなったらどうするのか」という不安に、できるだけ具体的にお答えします。

SECTION 07

在宅療養の枠組み — 何が、どこまで使えるのか

訪問診療と往診は、別のものです

混同されやすいので最初に整理します。

訪問診療往診
性格計画して定期的に伺う臨時に呼ばれて伺う
頻度月2回が基本(状態により毎週・週複数回も)必要が生じたとき
内容診察、薬の調整、処置、次の見通しの共有発熱、強い痛み、出血、呼吸苦などへの対応
時間あらかじめ決めた曜日・時間帯夜間・休日を含む24時間体制

在宅医療は、この2つが組み合わさって初めて成り立ちます。定期的に訪問して状態を把握しているからこそ、夜中に電話をいただいたときに「これは家で対応できる」「これは救急車を呼ぶべき」と判断できるのです。当院を含む在宅療養支援診療所は、24時間連絡がつく体制をとることが要件になっています。

「がん末期」になると、訪問看護の枠が大きく広がる

ここが、多くの方に知られていない重要な制度です。

通常、介護保険を使っている65歳以上の方の訪問看護には、ケアプランの範囲という上限があります。ところが、「末期の悪性腫瘍」は厚生労働大臣が定める疾病等(別表第七)に該当するため、介護保険ではなく医療保険で訪問看護を受けることになり、回数の制限が事実上外れます

「末期の悪性腫瘍」に該当すると、訪問看護の枠はこう変わる 通常の場合 末期の悪性腫瘍(別表第七) 週3日まで 週4日以上・毎日でも訪問できる 1日1回 1日に2回・3回の訪問も可能 訪問看護ステーションは1か所 2〜3か所を組み合わせて使える 65歳以上は介護保険が優先 年齢を問わず医療保険での訪問看護に

図7 末期の悪性腫瘍で広がる訪問看護の枠

あわせて押さえておきたい制度が3つあります。

  • 40〜64歳の方も介護保険が使えます。介護保険は原則65歳以上ですが、40〜64歳でも「16の特定疾病」に該当すれば申請できます。「がん(末期)」はこの16特定疾病に含まれます。介護ベッド、車いす、手すり、訪問介護、訪問入浴が使えるようになります。子宮体がんは50〜60代に多いため、この点は非常に重要です。
  • 特別訪問看護指示書。状態が急に悪くなったときに主治医が交付する書類で、交付日から14日間、毎日の訪問看護が受けられます。腸閉塞が悪化した、点滴管理が必要になった、看取りが近づいたといった場面で使います。
  • 在宅患者訪問点滴注射指示書。週3日以上の点滴が必要なときに交付します。持続皮下注射での症状緩和や、脱水への補液を看護師が行えるようになります。
つまり、どういうことか

「がん末期」と判断されると、看護師が毎日、必要なら1日に何度でも家に来られるようになります。訪問診療の医師が定期的に伺い、薬を調整し、看護師が日々の管理をし、ヘルパーが生活を支え、必要なら訪問入浴が入る。
「家に帰ると誰も見てくれない」というのは、ほとんどの場合、誤解です。

SECTION 08

家でできること — 症状ごとの手当て

まず、在宅で実際に行える医療処置を一覧にします。「これは病院でないと無理」と思われがちなものも、多くが家でできます。

処置在宅での実際
医療用麻薬による痛みの管理貼り薬、飲み薬、持続皮下注射。持続皮下注射では、痛いときにご本人がボタンを押して追加投与できる仕組み(PCA)も使える
持続皮下注射お腹や胸、腕の皮下に細い針を留置し、小型ポンプで少しずつ薬を送る。痛み止め、吐き気止め、オクトレオチド、鎮静薬などに対応
点滴(末梢・皮下)脱水や電解質の補正。終末期には量を絞る
腹水穿刺お腹に溜まった水を抜く。抜きすぎると血圧が下がるため、症状が楽になる量にとどめる
酸素療法肺転移や腹水による息切れに。酸素濃縮器を自宅に設置
胃管による減圧完全に腸が詰まったときに、胃の中に溜まったものを抜いて嘔吐を減らす
膀胱留置カテーテル排尿が難しいとき、トイレへの移動がつらいとき
腟・創部の処置出血やにおいのある帯下への処置、パッド交換、洗浄
褥瘡(床ずれ)の処置洗浄、外用薬、体位交換の指導、エアマットの導入
採血・輸血採血は在宅で可能。輸血も条件を満たせば在宅で行える
抗菌薬の点滴蜂窩織炎、尿路感染、肺炎などに対して
鎮静(苦痛緩和のための)他の手立てでどうしても取れない苦痛に対して、ご本人・ご家族と話し合ったうえで実施

痛み — 2つの種類を見分ける

子宮体がん末期の痛みには、性質の違う2種類が混じります。

種類感じ方主に効く薬
内臓の痛みお腹の奥がずっしり重い、差し込むように痛む医療用麻薬(オピオイド)、腸の痛みには抗コリン薬
神経の痛み腰や脚が「ビリビリ」「焼けるよう」「電気が走る」麻薬だけでは効きにくい。プレガバリン、デュロキセチン、ステロイドなどの鎮痛補助薬を足す

骨盤の中で神経が巻き込まれると、麻薬を増やしても痛みが取れず、眠気だけが増えるということが起こります。「増やしても効かない」と感じたら、それは薬の量の問題ではなく、種類の問題かもしれません。訪問診療では、痛みの言い表し方をていねいに聞き取って、この見分けをしています。

腹水 — 抜くか、抜かないか

腹水が溜まると、お腹が張って苦しく、少し食べただけで満腹になり、横になると息苦しくなります。在宅で穿刺(お腹に細い針を刺して抜く)は可能です。

ただし、腹水にはたんぱく質が多く含まれているため、大量に抜くと体力が落ち、血圧が下がることがあります。私たちは「全部抜く」ではなく「楽になるところまで抜く」という考え方をとります。1〜2週間おきに少量ずつ、というやり方が結果的に体を守ります。

脚のむくみ — 終末期は「攻めない」ケアに切り替える

リンパ浮腫の治療といえば、専門的なマッサージ(リンパドレナージ)や弾性ストッキングによる圧迫が知られています。しかし末期には、この考え方を変える必要があります

  • 皮膚が薄くなり、強い圧迫はかえって傷や痛みのもとになります。締めつけを緩め、保湿と保護を優先します。
  • むくんだ脚は感染に弱く、小さな傷から蜂窩織炎(皮膚の深い層の細菌感染)を起こします。急な赤み・熱感・発熱は連絡のサインです。在宅で抗菌薬の点滴を始められます。
  • 脚を上げて休む、寝る位置を工夫する、爪や足の指のあいだを清潔に保つ。地味ですが、これが最も効きます。
片脚が急に腫れたら — 血栓のサイン

がんは血を固まりやすくします。動けない時間が長い方はさらにその傾向が強くなります。片脚だけが急に太くなり、痛みと熱を持つ。あるいは急に息が切れて胸が苦しい。これらは深部静脈血栓症や肺塞栓症の可能性があります。

すぐにご連絡ください。ただし、末期には抗凝固薬を使うことで出血の危険が増すこともあり、使うか使わないかはご本人の状態と希望をふまえて相談して決めます。あらかじめ方針を決めておけると、夜間に慌てずにすみます。

出血とにおい — 準備しておけば怖くない

腟断端の再発からの出血は、量が多いと驚かれます。事前の備えを4つお伝えしています。

  1. 方針を先に決めておく。「大量に出たら救急車で搬送するのか、家で対応するのか」。これを元気なうちに話し合っておくと、夜中に迷わずにすみます。
  2. 濃い色のタオルを枕元に。濃紺や深緑のタオルを用意しておくと、血の色が目立たず、ご本人もご家族も落ち着いて対応できます。
  3. 連絡先を電話のそばに貼る。クリニックの24時間連絡先、訪問看護ステーション、それぞれ紙で貼っておきます。
  4. 頓用薬を事前に手元へ。不安や苦しさに対する頓用薬をあらかじめ処方しておけば、その場で使えます。

においについては、メトロニダゾールの外用薬が、がん性皮膚潰瘍の臭気の軽減を目的に保険適用となっています。あわせて、活性炭入りの敷物、こまめな換気、通気のよい寝具が有効です。芳香剤や香水は、においが混ざってかえって不快になることが多く、おすすめしません。

糖尿病の薬を、どう緩めるか

子宮体がんの患者さんには糖尿病を併せ持つ方が多く、これが終末期に独特の問題を生みます。

  • 食事量が減っているのに、これまでどおりインスリンや血糖降下薬を使うと低血糖を起こします。低血糖は、意識がぼんやりする、汗をかく、震えるといった形で現れ、「がんが進んだ」と誤解されることがあります。
  • 一方で、腸閉塞に対してステロイドを使うと血糖は上がります。
  • 終末期の目標は「血糖値をきれいに保つ」ことではなく、「低血糖で苦しまず、高血糖で脱水にならない範囲におさめる」ことです。血糖測定の回数も、指を刺す痛みを考えて減らしていきます。

この調整は、状態の変化に合わせて数日単位で見直す必要があります。訪問診療が定期的に入っているからこそできる部分です。

SECTION 09

体格が大きい方の在宅ケア — 語られにくい実務

これは他のがんの解説記事ではあまり触れられませんが、子宮体がんの在宅療養では避けて通れないテーマです。SECTION 01 でお伝えしたとおり、この病気は肥満と強く関わっており、体重が80kg、90kgという方が、ご高齢の配偶者やお子さんに介護される状況が現実に起こります。

「家で看たいけれど、体を起こせない」「トイレに連れて行けない」。これは気持ちの問題でも、努力不足でもありません。道具と人数で解決する、技術的な問題です。

「持ち上げない介護」を成立させる4本柱 1 福祉用具 電動ベッド(幅広) 体圧分散エアマット スライディングシート 移乗用リフト 介護保険で貸与 2 人数を増やす 看護師2人での訪問 (複数名訪問看護加算) ヘルパーとの時間合わせ 訪問入浴(3人体制) 1人で抱えない 3 皮膚を守る 皮膚が重なる部分の 蒸れ・ただれを予防 仙骨・かかと・耳の 床ずれを早く見つける 洗浄と保湿が基本 4 動線を短くする 寝室を1階に移す ベッド脇にポータブル トイレを置く 家具を減らして幅を確保 移動距離が命綱 介護者の腰を守ることが、在宅療養を最後まで続けられるかどうかを分けます

図8 「持ち上げない介護」を成立させる4本柱(署名図)

ケアマネジャーに、体重を伝えてください

福祉用具には耐荷重があります。標準的な介護ベッドや車いすは体重100kg前後を上限としているものが多く、それを超える場合には専用の製品を手配する必要があります。退院前のカンファレンスで体重をきちんと共有しておかないと、家に帰ってから「ベッドが使えない」という事態になりかねません。恥ずかしがらずに、数字でお伝えください。

SECTION 10

急変時、看取り、そして支える人を支える

息を引き取ったとき、何をすればよいか

これは、在宅を選ぶうえで最も不安な点だと思います。結論から申し上げます。

救急車を呼ぶ必要はありません

訪問診療を受けている方が、予想された経過のなかで亡くなられた場合、まず訪問看護ステーションかクリニックにお電話ください。看護師が伺い、医師が伺って、死亡確認を行います。

「息を引き取った瞬間に医師がそばにいなかったら警察沙汰になる」というのは誤解です。医師法第20条ただし書きにより、診療していた患者さんが、その診療にかかる傷病で亡くなったと判断できる場合、医師は改めて診察しなくても死亡診断書を交付できます。厚生労働省もこの解釈を明確に通知しています(平成24年8月31日 医政医発0831第1号)13)

ですから、夜中に亡くなられても、朝まで待っていただいてかまいません。ご家族だけの時間を過ごしていただくことができます。

終末期の点滴 — 減らすことが優しさになる

「食べられないなら、せめて点滴を」というお気持ちはよく分かります。しかし亡くなる前の数週間、体は水分を処理する力を失っています。この時期にたくさん点滴をすると、水は血管の外へ漏れ出て、手足のむくみ、腹水の増加、痰の増加、肺の水浸し(結果として苦しい呼吸)を招きます。

私たちは、この時期の点滴を1日500mL前後、あるいはそれ以下に絞ることが多く、状態によっては中止します。減らすと、痰が減り、呼吸が静かになり、むくみが引いて、ご本人の表情が穏やかになることをしばしば経験します。減らすことは、見放すことではありません。

レスパイト入院 — 介護する人が倒れないために

在宅療養が続かなくなる最大の理由は、病状ではなく介護者の消耗です。とくに体格の大きい方の介護、夜間の吐き気への対応、出血の処置が重なると、ご家族は数週間で限界に達します。

そのために、レスパイト入院という仕組みがあります。数日から2週間程度、症状の調整もかねて病院に入院していただき、その間ご家族に休んでいただくものです。「音を上げた」のではなく、「長く続けるために使う」制度です。当院では、あらかじめ受け入れ先の病院と話をつけておき、必要になったときにすぐ動けるようにしています。

これからのことを話しておく(ACP)

元気なうちに話しておくと、あとで迷わずにすむテーマが5つあります。

テーマ決めておくと助かること
最期をどこで過ごすかできるだけ家で/苦しくなったら入院/今は決めない、のどれか
大量出血や急変のとき救急搬送するのか、家で対応するのか
食べられなくなったとき点滴をどこまで行うか、胃ろうは希望するか
苦痛が取れないとき眠りを深くする治療(鎮静)をどう考えるか
決められないときは誰が決めるかご本人の代わりに意思を伝える人を決めておく

これは一度決めたら変えられないものではありません。気持ちが変わるのは当たり前で、そのたびに話し直すことこそがACPです。

家での療養を支えるチーム ご本人と ご家族 訪問診療医(24時間対応) 訪問看護師 ヘルパー・訪問入浴 ケアマネジャー 薬剤師・福祉用具 がん治療をしていた病院(連携)

図9 在宅療養を支えるチーム

SECTION 11

ご家族が家でできること・見ていただきたいこと

専門的な処置は医療者が行います。ご家族にお願いしたいのは、毎日そばにいる人にしか気づけない変化を教えていただくことです。

見るところ気づいてほしい変化そのとき
お腹張ってきた、ガスも便も出ない、食べると必ず吐く腸閉塞の始まりかも。早めに連絡
食事量が減る、飲み込みにくそう、むせる無理をさせず、形と量を相談
片脚だけ急に太くなった、赤い、熱い血栓や蜂窩織炎。当日中に連絡
出血・帯下量が増えた、においが強くなった処置と薬で対応できる
痛み薬を飲んでも取れない、痛がる時間帯が決まっている薬の種類か時間の調整が必要
意識・受け答えぼんやりする、日付が分からない、話がかみ合わない低血糖・脱水・薬・感染など、戻せる原因があることも
皮膚おしり・かかと・背中が赤い床ずれの初期。マットと体位で防げる
呼吸息が上がる、痰がからむ、肩で息をする酸素や薬、体の向きで楽になる
そして、いちばん大切なこと

ご家族にしていただきたいのは、看護でも介護でもなく、ご家族でいることです。手を握る、昔の写真を一緒に見る、テレビをつけたまま同じ部屋にいる。それだけで十分に役割を果たしておられます。処置や記録は、私たちの仕事です。

SECTION 12

相談のタイミング

段階状況おすすめの動き
早め治療を続けているが、通院がしんどくなってきた。「そろそろ在宅も考えては」と言われたこの段階で相談していただくのが理想。通院と訪問診療は併用できます
すぐに抗がん剤の中止が決まった。退院の話が出ている。腹水や腸閉塞をくり返している退院前カンファレンスから参加できます。病院にその旨をお伝えください
当日中に強い痛み、まったく食べられない・吐き続ける、片脚の急な腫れ、大量出血、38度以上の発熱、意識がおかしいすでに訪問診療が入っていればまず連絡を。そうでなければ主治医または救急へ
ふくろう訪問クリニックにできること

当院は福岡市早良区を拠点に、緩和ケア、難病、精神科、認知症を専門領域として在宅診療を行っています。がんの終末期については、痛みや吐き気の調整、持続皮下注射による症状緩和、腹水の管理、そしてご自宅での看取りまでを、24時間体制で担当いたします。

院長は放射線治療専門医です。「病院での治療はもう終わり」と言われた方でも、出血や痛みに対して短期間の緩和的な放射線治療が選択肢になる場合があります。在宅療養を続けながら数日だけ通って照射を受ける、という組み立ても可能です。判断に迷われたら、その視点も含めてご相談ください。

あわせてふくろう訪問看護リハビリステーションを運営しており、医師と看護師が同じ法人内で情報を共有しながら、切れ目のない体制をつくっています。

「まだ家に帰ると決めたわけではないけれど、話だけ聞いてみたい」という段階でのご相談を歓迎します。ご本人が来院できなくても、ご家族だけ、あるいはケアマネジャーや病院の相談員の方からのお問い合わせでも構いません。

参考文献・出典
  1. 国立がん研究センター がん情報サービス「がん統計」子宮体部(全国がん登録罹患データ、人口動態統計死亡データ、地域がん登録生存率データ)2026年3月23日更新.https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/cancer/18_corpus_uteri.html
  2. Kadowaki T, Wada K, Nagata C, et al. Body mass index and endometrial cancer risk in a Japanese population: the Japan Public Health Center-based Prospective Study. Eur J Cancer Prev. 2019;28(3):196-202. PMID: 29672353.(国立がん研究センター 多目的コホート研究(JPHC研究)成果報告「成人期の体格と子宮体がん罹患との関連について」)
  3. 日本産科婦人科学会・日本婦人科腫瘍学会 編.婦人科がんにおけるバイオマーカー検査の手引き 第1.0版.2025年7月.https://jsgo.or.jp/opinion/pdf/biomarker-testing-guidance.pdf
  4. Berek JS, Matias-Guiu X, Creutzberg C, et al. FIGO staging of endometrial cancer: 2023. Int J Gynaecol Obstet. 2023;162(2):383-394. DOI: 10.1002/ijgo.14923
  5. 日本産科婦人科学会.子宮体癌進行期分類(FIGO2023)についてのお知らせ.https://www.jsog.or.jp/medical/7882/
  6. 日本婦人科腫瘍学会 編.子宮体がん治療ガイドライン 2023年版(第5版).金原出版,2023年7月15日発行.ISBN 978-4-307-30155-8
  7. Eskander RN, Sill MW, Beffa L, et al. Pembrolizumab plus Chemotherapy in Advanced Endometrial Cancer. N Engl J Med. 2023;388(23):2159-2170. DOI: 10.1056/NEJMoa2302312. PMID: 36972022.
  8. MSD株式会社.抗PD-1抗体/抗悪性腫瘍剤「キイトルーダ®」進行・再発の子宮体癌に対する一次療法において化学療法との併用で承認を取得.2024年12月27日.https://www.msd.co.jp/news/product-news-20241227/
  9. エーザイ株式会社.「レンビマ®」と「キイトルーダ®」の併用療法が「がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の子宮体癌」の適応で日本における承認を取得.2021年12月24日.(KEYNOTE-775/E7080-309試験)
  10. 日本婦人科腫瘍学会.ペムブロリズマブ製剤とレンバチニブメシル酸塩製剤の併用にて「がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の子宮体癌」に対する効能・効果追加と使用上の注意点について.https://jsgo.or.jp/opinion/07.html
  11. 国立がん研究センター.国内で薬機法上未承認・適応外である医薬品・適応のリスト(2025年11月30日時点).https://www.ncc.go.jp/jp/senshiniryo/iyakuhin/list.pdf
  12. 日本緩和医療学会 編.がん患者の消化器症状の緩和に関するガイドライン 2017年版(第2版).金原出版,2017年12月25日発行.
  13. 厚生労働省医政局医事課長通知.医師法第20条ただし書の適切な運用について.平成24年8月31日 医政医発0831第1号.

※ この記事は一般の方向けの解説であり、個々の患者さんの診断や治療方針を示すものではありません。治療の選択は、必ず主治医とご相談のうえ決定してください。薬剤の承認状況や制度は2026年8月時点の情報に基づいています。統計の数値は公表元の更新により変わることがあります。
※ 記載した数値は、公表単位(子宮体部/子宮全体)や集計年が資料によって異なります。本記事では出典ごとに年次を明記しています。