イリノテカン:優秀な抗がん剤

優秀な抗がん剤第15回/全50回
イリノテカン

中国の木の成分を、日本の乳酸菌の会社が薬にした

中国原産の木の成分は、米国で見つかったものの、水に溶けず副作用が強くて開発が止まりました。それを拾って薬にしたのは、乳酸菌飲料で知られるヤクルト本社でした。1994年、日本が世界で最初に承認した抗がん剤です。 大腸がん・膵がん・小細胞肺がんの土台になったこの薬の弱点は、点滴の翌日から始まる下痢です。遺伝子で副作用の出やすさを前もって調べられること、家で最初の便を見たときにすることを書きます。

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この回の結論

  1. イリノテカンのもとは、中国原産の木「喜樹(カンレンボク)」の成分です。1966年に米国で見つかりましたが、水に溶けず副作用が強くて止まっていたものを、ヤクルト本社が水に溶ける形に作り替え、1994年に日本が世界で最初に承認しました。
  2. 大腸がん、膵がん、小細胞肺がんの土台です。5-FUと組む「FOLFIRI」、オキサリプラチンも入れた「FOLFIRINOX」、シスプラチンと組む小細胞肺がんの試験は、いずれも生存を延ばしました。
  3. 副作用の主役は下痢と白血球の減少で、命に関わることがあります。点滴の翌日以降に始まる下痢は、止痢薬をすぐ飲んで連絡します。副作用の出やすさは遺伝子(UGT1A1)で前もって調べられます。1回の薬代は約6,000円です。

この薬のプロフィール

一般名(商品名)イリノテカン塩酸塩水和物(トポテシン点滴静注。後発品あり。かつてはカンプトの名でも)
薬の家族殺細胞薬(トポイソメラーゼI阻害薬)
主に使うがん大腸がん(FOLFIRI)、膵がん(FOLFIRINOX)、小細胞肺がん、非小細胞肺がん、子宮頸がん、卵巣がん、胃がん、乳がん、悪性リンパ腫、小児の固形腫瘍
使い方点滴。90分以上かけて、1〜2週間ごと。点滴の前24時間以内に必ず血液検査をして、白血球と血小板を確かめてから使う
日本での承認1994年(小細胞肺がん・非小細胞肺がん・子宮頸がん・卵巣がん)。その後、胃がん・大腸がんなどが加わり、2013年に膵がん
薬価の目安トポテシン点滴静注100mg 2,444円、40mg 1,039円。後発品は100mgで1,866〜2,414円(薬価基準、令和8年8月13日適用)

SECTION 01 生まれた日:捨てられかけた木の成分を、乳酸菌の会社が拾った

第9回に出てきたウォールとワニのコンビは、太平洋イチイのタキソールより前に、もうひとつの木から薬のもとを見つけていました。 中国原産の喜樹(カンレンボク)の成分「カンプトテシン」です。1966年に構造が発表され、マウスの白血病に強く効きました。

ところが、水にほとんど溶けません。1970年代、米国で塩の形にして人に使うと、腎臓と膀胱に強い副作用が出て、開発は止まりました。 それを拾ったのが、乳酸菌飲料で知られる日本のヤクルト本社でした。1980年代、カンプトテシンに水に溶ける「取っ手」をつけた誘導体を何十種類も作り、 そのひとつCPT-11が、体の中で取っ手が外れて効く薬として選ばれます(Kunimoto ら、Cancer Res 1987。Sawada ら、Chem Pharm Bull 1991)。

  • 1966年ウォールとワニが、カンレンボクからカンプトテシンを取り出し、構造を発表。
  • 1970年代米国で人に使われるが、水に溶けず、腎臓と膀胱の副作用で中止。
  • 1980年代ヤクルト本社が水溶性の誘導体を合成。第一製薬(現・第一三共)と共同で開発へ。
  • 1994年日本で承認。世界で最初のイリノテカン。米国は1996年。
  • 1998〜2000年大腸がんで「生存を延ばす」ことが欧米の比較試験で証明され、5-FUと組むFOLFIRIが標準に。
  • 2002年日本の共同研究グループが、小細胞肺がんで従来の治療より生存を延ばすと報告。
  • 2013年膵がん(FOLFIRINOX)が加わる。
プロドラッグとは、飲んだり点滴したりした形のままでは効かず、体の中で形を変えて効く薬のことです。 イリノテカンは肝臓などで「取っ手」が外れて、100倍以上強い活性体(SN-38)になります。この活性体の後始末をする酵素が、次に出てくるUGT1A1です。
ここだけ覚える米国で止まった木の成分を、日本の乳酸菌の会社が薬にした。世界初の承認は日本。

SECTION 02 どうやって効くのか:設計図をほどくハサミを、開いたまま固める

細胞が設計図(DNA)をコピーするとき、ねじれた鎖を一時的に切ってほどく酵素(トポイソメラーゼI)が働きます。 イリノテカンの活性体は、この酵素が鎖を切った瞬間に割り込み、切れたまま固めてしまいます。コピー中の細胞は、切れ目だらけの設計図で止まり、死にます。

活性体は、肝臓の酵素UGT1A1で無毒化されて腸へ捨てられます。ところが腸の細菌がそれをまた活性体に戻し、腸の粘膜を傷めます。これが、点滴の翌日以降に出る下痢の正体です。 UGT1A1の働きが生まれつき弱い人(遺伝子の型で分かります)は、活性体が体に残り、下痢と白血球減少が強く出ます。

  • 2種類の下痢点滴中〜直後の下痢は神経の反応で一過性。24時間以降の下痢は腸の粘膜の傷で、続くことがあり、脱水と感染を招きます。添付文書は止痢薬(ロペラミド)の使用を求め、予防的に飲み続けることは避けるよう記しています。
  • 遺伝子で前もって調べるUGT1A1の型(*6と*28)を両方持つ人や、同じ型を2つ持つ人は、重い副作用が出やすいことが分かっています(添付文書)。日本人では*6が多く、国内の研究で確かめられました。
  • 点滴の前に必ず血液検査添付文書の警告は、投与前24時間以内の血液検査と、白血球3,000未満・血小板10万未満なら中止か延期、と定めています。
ここだけ覚えるハサミを開いたまま固める薬。後始末の酵素が弱い人は、遺伝子検査で前もって分かる。

SECTION 03 なぜこんなに使われるのか:大腸がんで「延ばした」最初の薬のひとつ

決め手になった試験

1998年、5-FUが効かなくなった大腸がんの患者279人を、くじ引きで「支持療法だけ」と「イリノテカン」に分けました。 1年後に生きている人は13.8%から36.2%に増え、痛みや体力の面でも良い結果でした(Cunningham ら、Lancet 1998)。 2000年には、最初の治療として5-FUに足すと、進行までの期間が4.4か月から6.7か月に、生存期間が14.1か月から17.4か月に延びました(Douillard ら、Lancet 2000、387人)。

日本の共同研究グループも、進行した小細胞肺がん154人で、シスプラチンの相棒をエトポシドからイリノテカンに替えると生存期間が9.4か月から12.8か月に延びると報告しました(Noda ら、NEJM 2002)。 膵がんでは、オキサリプラチン・5-FUと組んだFOLFIRINOXが生存期間を6.8か月から11.1か月に延ばしています(第14回)。

使い方主ながん決め手になった試験
FOLFIRI(5-FUと)+抗体薬進行・再発の大腸がんDouillard 2000(生存14.1→17.4か月)
単独(2次治療)5-FUのあとの大腸がんCunningham 1998(1年生存13.8→36.2%)
FOLFIRINOX膵がんConroy 2011(生存6.8→11.1か月)
シスプラチンと進行した小細胞肺がんNoda 2002(生存9.4→12.8か月)

表1 イリノテカンの主な使われ方(添付文書と学会ガイドラインによる)。膵がんの2次治療には、脂質の膜で包んだ別製剤(オニバイド)もある。

制度のしくみ

添付文書の対象は、小細胞肺がん、非小細胞肺がん、子宮頸がん、卵巣がん、胃がん、結腸・直腸がん、乳がん、有棘細胞がん、悪性リンパ腫、小児悪性固形腫瘍、治癒切除不能な膵がんの11種類です。 UGT1A1の遺伝子検査は保険で受けられ、膵がんの添付文書は、遺伝子の型を含めて患者を選ぶよう求めています。

ここだけ覚える大腸がん・膵がん・小細胞肺がんで、それぞれ「生存を延ばした」比較試験がある。

SECTION 04 副作用と、家でできること:下痢は「翌日から」が本番

添付文書の集計では、白血球減少84%、好中球減少81%、貧血61%、下痢66%、食欲不振81%、吐き気・嘔吐77%、脱毛も多く、間質性肺炎が2.4%にありました。 警告には、骨髄抑制と下痢で亡くなった例があると書かれています。

副作用と、家でできること

翌日以降の下痢は、最初の軟便で止痢薬(ロペラミド)を飲み始め、水分(経口補水液)をとり、病院に連絡します。「様子を見る」は禁物で、脱水と白血球減少が重なると危険です。 点滴中の下痢や汗・腹痛は神経の反応で、病院で薬を使えば治まります。

白血球は1〜2週間後に底になります。下痢と熱が同時なら、その日のうちに受診です。 吐き気は吐き気止めを予定どおり、脱毛は2〜3週間後から。空咳・息切れは間質性肺炎の合図で、日数に関係なく連絡します(第11回)。

  • こんなときは点滴の翌日以降に、水のような便が1日4回以上、または下痢と熱が一緒に出た
    こうする止痢薬を飲み、水分をとり、その日のうちに病院へ連絡する。夜でも待たない
  • こんなときは点滴の1〜2週間後に37.5度以上の熱が出た
    こうする白血球の底。夜間・休日でも、その日のうちに電話する
  • こんなときはお腹が張って便もガスも出ない、強い腹痛
    こうする腸が動かなくなっている(腸閉塞)ことがある。止痢薬は追加せず、すぐ連絡する
気をつけること

下痢(水様便)がある日、腸閉塞や腸の麻痺がある人、間質性肺炎のある人、黄疸のある人には使えません。 止痢薬や医療用麻薬(モルヒネなど)は腸の動きを止めるので、腸閉塞の合図があるときは追加せず相談します。妊娠中は使えません。

在宅の現場では

FOLFIRIを受けている大腸がんの方の家では、トイレの回数を紙に書いてもらいます。「1日何回、どんな便か」が電話で言えると、病院の判断が早くなります。 止痢薬と経口補水液は、点滴の日に家に置いておきます。

医療用麻薬で便秘気味の方が、この薬で急に下痢になると、ご家族は「よくなった」と思いがちです。下痢の日は麻薬の便秘薬を止めて、止痢薬に切り替える。その切り替えを、訪問のたびに確かめています。

ここだけ覚えるこの薬の家での仕事は、止痢薬と経口補水液を点滴の日に用意し、翌日以降の下痢で待たないこと。

SECTION 05 薬価と自己負担:1回約6,000円

薬価と自己負担の目安

トポテシン点滴静注は100mgが2,444円、40mgが1,039円。後発品は100mgで1,866〜2,414円、40mgで922〜3,070円です(薬価基準、令和8年8月13日適用)。 FOLFIRIの量(体表面積1平方メートルあたり150mg)なら1回およそ240mgで約6,000円、FOLFIRINOX(180mg)なら約7,000円です。2週間ごとに続けます。

大腸がんではベバシズマブ(第23回)などの抗体薬を組むことが多く、薬代の主役はそちらになります。 3割負担ならこの薬は1回約1,800円。70歳未満・年収約370〜770万円なら高額療養費で月85,800円+1%、70歳以上・一般なら外来22,000円が上限です(第1回の表1)。

高度な下痢の持続により、脱水及び電解質異常等をきたし、特に重篤な白血球・好中球減少を伴った場合には、致命的な経過をたどることがあるので、次のような処置を行うこと。・ロペラミド塩酸塩等の止瀉剤の投与を行うこと(ただし、腸管麻痺を引き起こすことがあるので、ロペラミド塩酸塩等の予防的投与や、漫然とした投与は行わないこと)。 出典:アルフレッサファーマ「トポテシン点滴静注 添付文書」2025年12月改訂、重大な副作用の項
ここだけ覚える薬そのものは安い。命に関わるのは値段ではなく、下痢の初日の対応。
在宅医の視点

「翌日からの下痢」を、家族の言葉にしておく。

この薬の下痢は、病院にいる点滴の日ではなく、家に帰った翌日以降に始まります。だから、病院の看護師より先に、ご家族が最初の便を見ます。 「水みたいな便が出たら、この薬を飲んで、この番号に電話」。それを冷蔵庫に貼っておくだけで、この薬の危なさはずいぶん減ります。

日本が世界で最初に承認した抗がん剤、という話は、患者さんにはあまり関係がありません。でも、日本人に多いUGT1A1の型を国内の研究者が調べ、添付文書に載せてくれたことは、いま目の前の患者さんの安全に直接つながっています。

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Q&A よくある質問

Q治療の前に「遺伝子検査」をすると言われました。がんの遺伝子ですか。
Aがんの遺伝子ではなく、本人の体質の検査です。この薬の活性体を無毒化する酵素(UGT1A1)の遺伝子の型を、血液で調べます。働きの弱い型を2つ持つ人は重い副作用が出やすいので、量を減らしたり、別の薬を選んだりします。結果は一生変わらないので、お薬手帳に書いておくと、ほかの病院でも役立ちます。がん自体の遺伝子を調べる検査は、第48回で扱います。
Q止痢薬は下痢が出る前から飲んでおいたほうがよいですか。
A添付文書は、予防的に飲み続けることは避けるよう記しています。腸の動きが止まって腸閉塞を起こすことがあるからです。最初の軟便が出た時点で飲み始め、止まったらやめる、が基本です。飲み方の細かい決まりは病院ごとに違うので、点滴の日に「何回出たら飲むか」「いつやめるか」を紙でもらってください。
Q父は膵がんでFOLFIRINOXを勧められました。副作用が強いと聞いて迷っています。
A4つの薬を組む治療で、ゲムシタビン単独より生存を延ばす一方、白血球減少と下痢は強く出ます。試験は体力のある人(日常生活がほぼ自立)が対象でした。体力や年齢に合わせて量を減らす方法(modified FOLFIRINOX)が広く使われています。「私の体力で、どの量で始めるのか」「ゲムシタビンとナブパクリタキセル(第11回)との違いは何か」を主治医に聞いてから決めてください。

この回のチェックリスト(第15回ぶん)

  • 止痢薬と経口補水液を、点滴の日に家に用意した。
  • 「何回出たら止痢薬を飲むか」「いつ電話するか」を紙でもらい、冷蔵庫に貼った。
  • トイレの回数と便の様子を紙に書いている。
  • UGT1A1の検査結果をお薬手帳に書いた。
  • お腹が張って便もガスも出ないときは、止痢薬を足さずに連絡すると決めた。

この回に関連する記事

連載の外にある、ふくろう訪問クリニックのコラムです。この回の内容をさらに掘り下げたいときに読んでください。

連載「優秀な抗がん剤」全50回

  1. 抗がん剤80年の歴史——毒ガスから「自分の細胞」まで、80年でここまで来た
  2. シクロホスファミド——毒ガスの研究から生まれた、最初の抗がん剤
  3. メトトレキサート——白血病の子どもに、初めて「寛解」をもたらした薬
  4. フルオロウラシル(5-FU)——60年以上、消化器がんの土台であり続ける理由
  5. ビンクリスチン——糖尿病の薬を探していたら、白血病の薬が見つかった
  6. ドキソルビシン——アドリア海の土から生まれた「赤い薬」と、心臓の話
  7. シスプラチン——電極の実験の偶然が、精巣がんを「治る病気」に変えた
  8. カルボプラチン——腎臓と吐き気にやさしく設計された、シスプラチンの「弟」
  9. パクリタキセル——イチイの木を切り尽くす前に、葉から作れるようになるまで
  10. ドセタキセル——前立腺がんで初めて「延命」を証明した化学療法
  11. ゲムシタビン——抗ウイルス薬の候補が、膵がんの標準治療になるまで
  12. ペメトレキセド——蝶の羽の色素の研究から生まれた、肺がんと中皮腫の薬
  13. テモゾロミド——脳腫瘍の治療を変えた、家で飲める抗がん剤
  14. オキサリプラチン——名古屋で生まれ、フランスで育ち、日本に帰ってきた薬
  15. イリノテカン——中国の木の成分を、日本の乳酸菌の会社が薬にした
  16. S-1(ティーエスワン)——日本生まれの「飲む5-FU」が、世界の標準を変えた
  17. タモキシフェン——避妊薬の失敗作が、世界で最も使われた乳がんの薬になった
  18. アロマターゼ阻害薬——「女性ホルモンを作らせない」という発想の乳がん治療
  19. リュープロレリン——武田薬品の徐放製剤が変えた、前立腺がんのホルモン療法
  20. エンザルタミドとアビラテロン——前立腺がんのホルモン療法に「上乗せ」する時代へ
  21. リツキシマブ——世界初のがん抗体医薬。CHOPに「R」がついて何が変わったか
  22. トラスツズマブ——HER2という「敵の印」を初めて狙い撃ちした薬
  23. ベバシズマブ——「がんは血管を呼ぶ」という仮説から、30年かけて薬になった
  24. セツキシマブとパニツムマブ——皮疹が出る人ほど効く、大腸がんの抗体薬
  25. ゾルベツキシマブ——胃の細胞の「接着剤」を狙う、2024年の新しい胃がんの薬
  26. イマチニブ——「魔法の弾丸」が、死の病だった白血病を飲み薬で抑えた
  27. オシメルチニブ——イレッサの光と影から、第3世代の肺がんの薬へ
  28. アレクチニブ——自治医大の発見を中外製薬が薬にした、純国産の肺がん治療薬
  29. レンバチニブ——エーザイの研究所から生まれた、肝がん・甲状腺がんの飲み薬
  30. エベロリムス——イースター島の土から見つかった成分の子孫
  31. CDK4/6阻害薬——お蔵入り寸前の化合物が、乳がんのホルモン療法を変えた
  32. オラパリブ——「合成致死」という発想と、BRCA遺伝子検査
  33. RASの40年——「薬にできない」と言われた標的に、ソトラシブからダラクソンラシブへ
  34. レナリドミド——サリドマイド薬害から復活した、骨髄腫の薬
  35. ダラツムマブ——点滴8時間が皮下注5分になった、骨髄腫の抗体薬
  36. ベネトクラクス——「細胞の自殺」を止めるタンパクを外す、高齢者の白血病の薬
  37. トレチノインと亜ヒ酸——ビタミンAの仲間と「毒」が、最も治る白血病を作った
  38. イピリムマブ——免疫の「ブレーキ」を外す最初の薬と、ノーベル賞
  39. ニボルマブ(オプジーボ)——本庶佑のPD-1と、薬価をめぐる騒動
  40. ペムブロリズマブ(キイトルーダ)——開発中止寸前だった薬が、世界一売れる薬になった
  41. アテゾリズマブ+ベバシズマブ——肝がんの一次治療を10年ぶりに変えた組み合わせ
  42. 二重特異性抗体——片手でがん、片手で免疫細胞をつかむ薬
  43. CAR-T細胞療法——6歳の少女を救った「自分の免疫細胞を薬にする」治療
  44. mRNAがんワクチン——コロナワクチンの技術で、患者ごとに作る「オーダーメイド」
  45. トラスツズマブ デルクステカン(エンハーツ)——第一三共の「がんに薬を運ぶミサイル」
  46. エンホルツマブ ベドチンとADC——40年続いたシスプラチンの時代を終わらせた薬
  47. ルテチウム-177——「診断と治療を同じ分子で」放射線を出す薬が家に帰るとき
  48. がん遺伝子パネル検査——56万円で数百の遺伝子を読み、薬にたどり着くのは約1割
  49. 臓器横断的な薬——「臓器ではなく遺伝子で」薬を選ぶ時代
  50. リキッドバイオプシー——血液でがんの遺伝子を追い、再発の芽を見る

薬のこと・お金のことの相談先

電話番号や制度の内容は変わることがあります。最新の内容は各ページでご確認ください。治療中の方も、治療を終えた方も、ご家族だけでも相談できます。

  • 治療を受けている病院の外来・化学療法室副作用が出たとき、まず連絡する先です。夜間や休日の連絡先は、治療の説明書や「治療日誌」に書かれていることが多いので、目につく場所に貼っておいてください。
  • がん相談支援センター治療や薬のこと、お金や仕事のことを無料で相談できます。県内すべてのがん拠点病院にあり、その病院にかかっていなくても利用できます/福岡県「福岡県内のがん拠点病院がん相談支援センター」
  • がん情報サービス(国立がん研究センター)がんの種類ごとの標準治療と、使われる薬の情報を、公的機関がまとめています/ganjoho.jp
  • くすりのしおり(くすりの適正使用協議会)処方された薬の飲み方・注意・副作用を、薬の名前で調べられる患者向けの情報です/rad-ar.or.jp/siori
  • 高額療養費制度の窓口(加入している健康保険)1か月の自己負担に上限を設ける制度です。会社の健康保険組合・協会けんぽ・市区町村の国民健康保険・後期高齢者医療広域連合など、保険証(資格確認書)に書かれた保険者に申請します。マイナ保険証を使えば、窓口での支払いが最初から上限額までになります/厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」
  • かかりつけ薬局の薬剤師飲み薬の抗がん剤と、ほかの薬・サプリメント・食べ物との飲み合わせは、薬局で確かめられます。お薬手帳を1冊にまとめておくと早いです。

REFERENCE 参考資料

  1. アルフレッサファーマ「トポテシン点滴静注40mg・100mg 添付文書」2025年12月改訂(https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/300119_4240404A1067_1_15
  2. 厚生労働省「薬価基準収載品目リスト及び後発医薬品に関する情報について(令和8年8月13日適用)」(https://www.mhlw.go.jp/topics/2026/04/tp20260401-01.html
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  4. Kunimoto T, et al. Antitumor activity of 7-ethyl-10-[4-(1-piperidino)-1-piperidino]carbonyloxy-camptothecin, a novel water-soluble derivative of camptothecin, against murine tumors. Cancer Res. 1987;47(22):5944-5947(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/3664496/
  5. Sawada S, et al. Synthesis and antitumor activity of 20(S)-camptothecin derivatives: carbamate-linked, water-soluble derivatives of 7-ethyl-10-hydroxycamptothecin. Chem Pharm Bull. 1991;39(6):1446-1450(https://doi.org/10.1248/cpb.39.1446
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本記事は、添付文書・学術論文・公的機関の資料をもとに、それぞれの薬について現時点で分かっていることを、 一般の方向けに整理したものです。記事中の効果の数字は臨床試験に参加した集団の結果であり、 一人ひとりの効き方や副作用の現れ方とは異なります。薬価は記載時点の薬価基準によるもので、改定で変わります。 治療の選択・変更・中止は、必ず主治医とご相談ください。研究は日々更新されますので、 記載の内容は公開時点のものとしてお読みください。