「診断と治療を同じ分子で」放射線を出す薬が家に帰るとき
がんの目印に結びつく分子に放射性物質をつけて注射すると、がんのあるところだけが体の中から放射線を浴びます。同じ分子に「映す」放射性物質をつければ、治療の前に PET で全身の転移を見られる。「診断と治療を同じ分子で」行うセラノスティクスの中心にあるのが、ルテチウム-177 です。 甲状腺の放射性ヨウ素から80年の歴史、神経内分泌腫瘍のルタテラ(2021年)と前立腺がんのプルヴィクト(2025年9月、PET 診断薬と同日承認)、2ミリしか飛ばないベータ線の仕組み、放射線を出す薬を打った人が家に帰るときの「3日間」「1週間」の決まり、1回265万〜339万円の薬代まで書きます。
この回の結論
- 「がんの目印に結びつく分子」に放射性物質をつけて注射すると、がんのあるところだけが、体の中から放射線を浴びます。同じ分子に「映す」放射性物質をつければ、治療の前に全身の転移を PET で見ることができます。診断と治療を同じ分子で行う考え方を「セラノスティクス」と呼び、その中心にあるのがルテチウム-177 です。
- 日本では、神経内分泌腫瘍のルタテラ(2021年)と、前立腺がんのプルヴィクト(2025年9月、PET の診断薬ロカメッツと同時)が承認されています。前立腺がんでは、ホルモン療法と殺細胞薬のあとで生存期間を11.3か月から15.3か月に延ばしました。
- 注射のあと、患者さんの体は数日間、弱い放射線を出します。放射線治療病室に1〜2日入院したあと家に帰り、3日間はトイレと入浴の決まり、1週間は家族との距離を守ります。副作用は吐き気、骨髄抑制、腎臓、口の乾き。薬代は1回265万〜339万円で、自己負担は上限までです。
この薬のプロフィール
| 一般名(商品名) | ルテチウムオキソドトレオチド(177Lu)(ルタテラ静注)、ルテチウムビピボチドテトラキセタン(177Lu)(プルヴィクト静注)。診断薬:ガリウム(68Ga)ゴゼトチド(ロカメッツキット) |
|---|---|
| 薬の家族 | 放射性医薬品(標的放射性リガンド療法)。がんの目印に結びつく分子に、ベータ線を出すルテチウム-177 をつけたもの |
| 主に使うがん | ルタテラ:ソマトスタチン受容体陽性の神経内分泌腫瘍(膵臓・消化管・肺)。プルヴィクト:PSMA陽性で遠隔転移のある去勢抵抗性前立腺がん(ホルモン療法の新しい薬のあと) |
| 使い方 | ルタテラ:7.4ギガベクレルを8週間ごとに最大4回、腎臓を守るアミノ酸輸液(ライザケア)と一緒に。プルヴィクト:7.4ギガベクレルを6週間ごとに最大6回。いずれも放射線治療病室に1〜2日入院 |
| 日本での承認 | ルタテラ 2021年6月23日(発売2021年9月)。プルヴィクト 2025年9月19日(発売2025年11月12日)。同日にロカメッツ(PET 診断薬)も承認 |
| 薬価の目安 | ルタテラ静注 7.4GBq 2,647,734円、ライザケア輸液 1,177円。プルヴィクト静注 7.4GBq 3,389,878円。ロカメッツキット1回分 185,947円、ガリアファーム(ガリウムを作る装置、1患者あたり)315,161円(薬価基準、令和8年8月13日適用) |
SECTION 01 生まれた日:甲状腺のヨウ素から、前立腺の PSMA まで80年
「体の中から放射線を当てる」治療の元祖は、放射性ヨウ素です。甲状腺はヨウ素を取り込む臓器なので、放射性のヨウ素を飲めば甲状腺だけが放射線を浴びます。1941年、米国ボストンの医師が甲状腺機能亢進症の患者に初めて使い(Hertz ら、JAMA 1946)、まもなく甲状腺がんの転移にも使われました。同じ物質で「映す」ことも「治す」こともできる。セラノスティクス(治療+診断)の原型です。日本でも、甲状腺がんの放射性ヨウ素治療は今も標準です。
ヨウ素の次は「目印に結びつく分子」でした。神経内分泌腫瘍(膵臓や腸などのホルモンを作る細胞のがん)は、表面にソマトスタチン受容体を多く持ちます。1989年、オランダ・ロッテルダムの研究者が、この受容体に結びつく分子に放射性物質をつけて全身の転移を映しました(Krenning ら、Lancet 1989)。映せるなら、治せるのではないか。同じグループは2000年代、ルテチウム-177 をつけた分子で504人を治療し、3割が縮んだと報告します(Kwekkeboom ら、J Clin Oncol 2008)。 2017年、229人の比較試験で、進行を4分の1以下に抑えることが証明され(Strosberg ら、NEJM 2017)、欧米で承認。日本は2021年6月23日、国内初のこの種の治療としてルタテラを承認しました(ルタテラのインタビューフォーム)。
前立腺がんでは、ほぼすべてのがん細胞の表面にある PSMA(前立腺特異的膜抗原)が目印になりました。ドイツ・ハイデルベルクの研究者が、PSMA に結びつく小さな分子を作り、ガリウム-68 をつけて PET で映すことに成功し(Eder ら、Bioconjug Chem 2012)、次にルテチウム-177 をつける治療用の分子(PSMA-617)を作りました(Benešová ら、J Nucl Med 2015)。 2021年、831人の比較試験で生存を延ばし(Sartor ら、NEJM 2021)、米国は2022年3月に承認。日本は2025年9月19日、治療薬プルヴィクトと診断薬ロカメッツを同じ日に承認しました。「映して、治す」が1つの制度として整った日です。
- 1941年放射性ヨウ素で甲状腺の病気を治療。体の中から放射線を当てる治療の始まり(Hertz ら、JAMA 1946)。
- 1989年ソマトスタチン受容体に結びつく分子で、神経内分泌腫瘍の転移を映す(Krenning ら、Lancet 1989)。
- 2008年ロッテルダムで、ルテチウム-177 をつけた分子で504人を治療(Kwekkeboom ら、J Clin Oncol 2008)。
- 2012〜15年ハイデルベルクで、PSMA を映す分子と治す分子(PSMA-617)が作られる。
- 2017年神経内分泌腫瘍で進行を4分の1以下に(Strosberg ら、NEJM 2017)。欧米で承認。
- 2021年6月23日、日本でルタテラを承認。前立腺がんで生存延長(Sartor ら、NEJM 2021)。
- 2024年殺細胞薬の前に使っても、進行を抑える(Morris ら、Lancet 2024)。
- 2025年9月19日、日本でプルヴィクトとロカメッツを同日承認。11月発売。
SECTION 02 どうやって効くのか:2ミリしか飛ばない放射線を、がんの中から
ルテチウム-177 は、ベータ線という放射線を出します。組織の中を飛ぶ距離は最大で約2ミリ、平均0.7ミリ。がん細胞に取り込まれた分子から出るベータ線は、その細胞と近くの細胞だけを傷つけ、離れた正常な組織にはほとんど届きません。半減期(放射能が半分になる時間)は6.6日で、注射から1週間で約半分、2週間で4分の1、1か月でほぼ消えます。 ルテチウム-177 は弱いガンマ線も出すので、注射のあとに体の中の分布を画像で確かめられます。
- 腎臓と唾液腺が「巻き添え」になる分子は腎臓から排泄されるので、腎臓が最も放射線を浴びます。ルタテラでは腎臓の取り込みを減らすアミノ酸の点滴を同時に行います(この点滴が吐き気の原因の1つ)。プルヴィクトの分子は唾液腺にも集まるため、口の乾きが4割の人に出ます。
- 骨髄は数週間遅れて血液を通る間に骨髄が放射線を浴び、血小板や白血球が数週間遅れて減ります。回を重ねるほど積み重なるので、毎回の投与前に採血で確かめ、減っていれば量を減らすか延期します。まれに、数年後の骨髄異形成症候群・白血病が報告されています。
- 患者さんの体が、しばらく放射線を出す注射の直後は、患者さんの体から周囲に弱い放射線が出ます。法律で決められた量に下がるまで専用の病室で過ごし、家に帰ってからも数日から1週間、周囲の人(特に子どもと妊婦)を守る決まりを守ります(第4節)。
SECTION 03 なぜ承認されたのか:進行を4分の1に、生存を4か月延ばした
2017年、オクトレオチド(ソマトスタチンの類似薬)で進行した中腸の神経内分泌腫瘍229人を、くじ引きで「ルタテラ」と「高用量のオクトレオチド」に分けました。無増悪生存期間の中央値は対照8.5か月に対してルタテラは未到達、進行のリスクは82%減(ハザード比0.177)、20か月後に進行していない人は10.8%対65.2%でした(Strosberg ら、NEJM 2017)。 日本の試験(15人)では46.7%が縮み、国内初のこの種の治療として承認されました。神経内分泌腫瘍は日本で年に数千人と少ないがんですが、進行が遅く、薬が限られていたため、この治療の意味は大きいものでした。
前立腺がんでは、ホルモン療法の新しい薬(第20回)と殺細胞薬(第10回のドセタキセル)のあとに進んだ、PET で PSMA が映る831人を、くじ引きで「プルヴィクト+標準治療」と「標準治療だけ」に分けました。画像で進むまでの期間の中央値は3.4か月に対して8.7か月、生存期間の中央値は11.3か月に対して15.3か月、死亡のリスクは38%減(Sartor ら、NEJM 2021)。 2024年には、殺細胞薬をまだ使っていない段階でも、ホルモン療法の薬を変えるより進行を抑えると報告され(Morris ら、Lancet 2024)、日本の承認はこの段階の人も含みます。
| 薬(商品名) | 結びつく目印と放射線 | 使うがん | 使い方(添付文書) |
|---|---|---|---|
| ルタテラ(ルテチウム-177) | ソマトスタチン受容体。ベータ線 | ソマトスタチン受容体陽性の神経内分泌腫瘍 | 8週ごと最大4回。アミノ酸輸液を併用。事前にシンチグラフィで受容体を確認 |
| プルヴィクト(ルテチウム-177) | PSMA。ベータ線 | PSMA陽性で遠隔転移のある去勢抵抗性前立腺がん | 6週ごと最大6回。事前にロカメッツの PET で PSMA を確認。ホルモン療法は続ける |
| ゾーフィゴ(ラジウム-223) | 骨の代謝が盛んな場所。アルファ線 | 骨転移のある去勢抵抗性前立腺がん(内臓転移なし) | 4週ごと6回。2016年発売。1回697,614円 |
| 放射性ヨウ素(ヨウ化ナトリウム-131) | 甲状腺の細胞。ベータ線 | 甲状腺がん(手術後の残存、転移) | カプセルを飲む。量により外来または入院 |
表1 日本で使える、体の中から放射線を当てる主な薬(添付文書による、2026年9月時点)。いずれも放射線の管理ができる病院に限られる。
プルヴィクトの添付文書は「承認された診断用医薬品を用いた検査により、PSMA陽性病変を有することが確認された患者」に投与すること、アビラテロンなどのホルモン療法の新しい薬(第20回)を使ったことのない人での効果と安全性は確立していないことを定めています。ルタテラも、事前の画像で受容体を確かめてから使います。 放射性医薬品は、医療法などの法律で、投与できる施設、専用の病室、患者さんが退出できる放射線量の基準が決まっています。添付文書の「取扱い上の注意」は、これらの法令と通知(患者の退出を含む)を守ることを求めています。使える病院は限られ、居住地によっては遠方への入院になります。
SECTION 04 副作用と、家でできること:放射線を出す薬を打った人が家に帰るとき
ルタテラの添付文書では、悪心60.6%、嘔吐42.5%、リンパ球減少28.3%、血小板減少22.8%、貧血11.8%、急性腎不全4.7%、骨髄異形成症候群1.6%、急性骨髄性白血病(頻度不明)。プルヴィクトでは、口内乾燥41.1%、疲労35.3%、悪心26.6%、貧血22.4%、血小板減少13.5%、白血球減少12.3%、食欲減退12.9%、腎機能障害3.6%です。 どちらも、放射線による二次発がんと遺伝子への影響の可能性が記され、プルヴィクトは男性に投与中と最終投与後14週間の避妊(コンドーム)を求めています。
この薬に特有なのは、周囲の人を守る決まりです。注射のあと、法律で決められた量まで放射線が下がるのを専用の病室で待ち(多くは1〜2日)、家に帰ります。製薬会社の患者向けの手引きは、次のように定めています。 投与後3日間:排尿は男性も座って行い、ふたを閉めて2回流す。入浴は家族の最後にし、浴槽を洗う。洗濯は家族と分け、尿や血液のついた下着は予洗いする。体液や吐いたものに触れるときは使い捨て手袋。水分を多くとる。 投与後1週間:家族とは1メートル以上、長く一緒にいるときは2メートル以上離れる。子どもと妊婦との接触は最小限に。性行為はしない。同じベッドで寝ない(同じ部屋なら2メートル以上)。人の多い場所への外出、公共交通機関で6時間以上同じ場所にいることを避ける。 投与後3か月:授乳しない。空港などの放射線検知器に反応することがあるので、診療証明書を持ち歩く。
副作用の見張りは、吐き気(ルタテラは当日〜翌日、アミノ酸の点滴のせいでもある。吐き気止めを使う)、口の乾き(プルヴィクト。水分、飴、保湿。多くは治療後に戻るが、残ることもある)、血球減少(投与から2〜6週で谷。発熱、あざ、出血)、腎臓(十分な水分と排尿。採血で見張る)、疲れです。
-
こんなときは38度以上の発熱、鼻血や歯ぐきの出血が止まらない、あざが増える(投与から2〜6週)こうする血球減少の合図。その日のうちに治療した病院へ連絡して採血する
-
こんなときは吐き気で水分がとれない、尿の量が減った、むくみこうする脱水と腎臓の合図。放射性物質の排泄も遅れる。病院に連絡する
-
こんなときは投与後1週間以内に、小さな子どもや妊婦と長く過ごさなければならない事情ができたこうする病院の放射線の担当者に相談する。距離と時間の工夫で対応できることが多い
おむつや尿カテーテルを使っている方は、尿に放射性物質が含まれるため、扱い方(使い捨て手袋、袋の二重化、一定期間の保管など)について病院から個別の指示が出ます。介護する家族と訪問の看護師は、その指示を共有します。 腎臓の働きが落ちている人、骨髄の余力が少ない人(過去の殺細胞薬や放射線治療)は、量の調整や中止の基準が添付文書に決まっています。ルタテラでは、オクトレオチドなどのソマトスタチンの類似薬を投与の前に一定期間休みます(受容体を取り合うため)。
放射線を出す薬を打った患者さんが家に帰る。家族が最初に心配するのは「自分たちは大丈夫か」です。答えは、決まりを守れば大丈夫、です。周囲の人が受ける放射線は、決まりを守った場合、日常で自然に受ける量に比べて十分小さいことが分かっています。訪問の看護師や医師が受ける量も、ごくわずかです。 私たちは、投与の日程を聞いたら「3日間の決まり」「1週間の決まり」を紙にして冷蔵庫に貼り、家族の寝る場所と、子どもや妊婦の来訪の予定を一緒に確かめます。
効き目の面では、前立腺がんの患者さんが、ホルモン療法と殺細胞薬のあとに、もう1つ選択肢を持てるようになりました。骨の痛みが軽くなる方もいます。6週間ごとの入院を最大6回、その合間を家で過ごす。血球の採血と、口の乾きと、水分。見張りどころは多くありませんが、「放射線」という言葉への不安を一緒にほどくことが、この治療の在宅の仕事です。
SECTION 05 薬価と自己負担:1回265万〜339万円、自己負担は上限まで
ルタテラ静注は1回2,647,734円(アミノ酸輸液1,177円を併用)で、4回なら約1,060万円。プルヴィクト静注は1回3,389,878円で、6回なら約2,030万円。プルヴィクトの前に受ける PET は、診断薬ロカメッツ185,947円とガリウムを作る装置の費用315,161円(1患者あたり)で約50万円です(薬価基準、令和8年8月13日適用)。これに専用病室の入院費が加わります。
自己負担は高額療養費の上限までで、70歳未満・年収約370〜770万円なら月85,800円+(医療費−286,000円)×1%。薬価339万円の月は約117,000円、同じ年に3回以上上限に達すれば44,400円。70歳以上・一般なら入院は世帯で月61,500円が上限です(第1回の表1)。投与は6〜8週間ごとなので、月ごとに上限までの負担が繰り返される形になります。 放射性医薬品は製造から使うまでの時間が短く(ルタテラは72時間、プルヴィクトは120時間)、海外の工場から患者さんごとに空輸されます。値段の一部は、この「賞味期限のある薬」の物流の費用です。
「映してから治す」は、効かない人に使わないための仕組みでもある。
この連載で何度も書いてきたように、がんの薬の進歩の半分は「誰に効くか」を先に知る技術の進歩でした(第24回の RAS 検査、第27回の EGFR、第40回の PD-L1)。セラノスティクスは、その考え方を最も素直な形にしたものです。PET で映らなければ、治療薬も届かない。だから使わない。 患者さんにとっては「効く見込みのある治療だけを受ける」ことであり、社会にとっては「効かない人に339万円を使わない」ことでもあります。
第8章「運ぶ・照らす」はこの回で終わります。抗体で殺細胞薬を運ぶ(第45・46回)、目印に結びつく分子で放射線を運ぶ(第47回)。運び方の進歩が、80年前の毒ガス以来の「積み荷」を、まったく違う薬に変えました。次の章では、薬そのものではなく、薬を「探す」「選ぶ」技術を書きます。
「この薬、家ではどう気をつければいいですか」と聞ける主治医を、持ってください。
ふくろう訪問クリニックは、福岡市早良区の在宅医療のクリニックです。 ご自宅はもちろん、有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅・グループホームへも医師が伺います。 病院で抗がん剤の治療を受けながら、家での体調管理や副作用の相談をしたい。飲み薬の治療を家で続けている。 病院の治療を終えて、これからの暮らしを考えたい。どの段階のご相談でもかまいません。ご家族だけでのお問い合わせも歓迎します。
お電話:092-407-7337
メール:clinic@fukurou.fukuoka.jp
クリニックのご案内
お電話:092-834-8581(平日 9:00〜18:00)
メール:nurse@fukurou.fukuoka.jp
ステーションのご案内
訪問看護は、ふくろう訪問クリニック以外がかかりつけの方でもご利用いただけます。 主治医を変える必要はありません。
在宅医療の現場で、一緒に働く方を募集しています。
お電話:092-407-7337
メール:clinic@fukurou.fukuoka.jp
採用情報のページ
お電話:092-834-8581(平日 9:00〜18:00)
メール:nurse@fukurou.fukuoka.jp
求人情報のページ
入職祝い金は、クリニック・ステーションのどちらも20万円です。 人材紹介会社を通さず直接ご応募いただいた方が対象になります。 見学だけでも歓迎します。訪問の経験がない方、ブランクのある方もご相談ください。
Q&A よくある質問
この回のチェックリスト(第47回ぶん)
- 投与後3日間:座って排尿し2回流す、入浴は最後、洗濯は分ける、体液は手袋で扱う、水分を多くとる。
- 投与後1週間:家族と1メートル以上、子ども・妊婦との接触は最小限、別のベッドで寝る、人混みを避ける。
- 投与後3か月:授乳しない。空港では診療証明書を持つ。男性は最終投与後14週間まで避妊(プルヴィクト)。
- 投与から2〜6週の発熱・出血・あざは、その日のうちに連絡して採血する。
- おむつ・尿カテーテルの扱いは病院の個別の指示に従い、介護者と訪問看護師で共有する。
この回に関連する記事
連載の外にある、ふくろう訪問クリニックのコラムです。この回の内容をさらに掘り下げたいときに読んでください。
- 根拠には強さの順番がある:詐欺医療に騙されないこの回の「決め手になった試験」が、体験談・動物実験・比較試験のどの段にあるかを、一枚の表で確かめられます。
- 臨床試験で確かめること第1相〜第3相の試験がそれぞれ何を確かめる段階なのかを、人数と期間まで含めて説明しています。
- がんと診断されたら最初に読む記事前立腺がんや神経内分泌腫瘍と診断された直後に、治療の流れと相談先をまとめて確かめられる、当院の入口の記事です。
連載「優秀な抗がん剤」全50回
- 抗がん剤80年の歴史——毒ガスから「自分の細胞」まで、80年でここまで来た
- シクロホスファミド——毒ガスの研究から生まれた、最初の抗がん剤
- メトトレキサート——白血病の子どもに、初めて「寛解」をもたらした薬
- フルオロウラシル(5-FU)——60年以上、消化器がんの土台であり続ける理由
- ビンクリスチン——糖尿病の薬を探していたら、白血病の薬が見つかった
- ドキソルビシン——アドリア海の土から生まれた「赤い薬」と、心臓の話
- シスプラチン——電極の実験の偶然が、精巣がんを「治る病気」に変えた
- カルボプラチン——腎臓と吐き気にやさしく設計された、シスプラチンの「弟」
- パクリタキセル——イチイの木を切り尽くす前に、葉から作れるようになるまで
- ドセタキセル——前立腺がんで初めて「延命」を証明した化学療法
- ゲムシタビン——抗ウイルス薬の候補が、膵がんの標準治療になるまで
- ペメトレキセド——蝶の羽の色素の研究から生まれた、肺がんと中皮腫の薬
- テモゾロミド——脳腫瘍の治療を変えた、家で飲める抗がん剤
- オキサリプラチン——名古屋で生まれ、フランスで育ち、日本に帰ってきた薬
- イリノテカン——中国の木の成分を、日本の乳酸菌の会社が薬にした
- S-1(ティーエスワン)——日本生まれの「飲む5-FU」が、世界の標準を変えた
- タモキシフェン——避妊薬の失敗作が、世界で最も使われた乳がんの薬になった
- アロマターゼ阻害薬——「女性ホルモンを作らせない」という発想の乳がん治療
- リュープロレリン——武田薬品の徐放製剤が変えた、前立腺がんのホルモン療法
- エンザルタミドとアビラテロン——前立腺がんのホルモン療法に「上乗せ」する時代へ
- リツキシマブ——世界初のがん抗体医薬。CHOPに「R」がついて何が変わったか
- トラスツズマブ——HER2という「敵の印」を初めて狙い撃ちした薬
- ベバシズマブ——「がんは血管を呼ぶ」という仮説から、30年かけて薬になった
- セツキシマブとパニツムマブ——皮疹が出る人ほど効く、大腸がんの抗体薬
- ゾルベツキシマブ——胃の細胞の「接着剤」を狙う、2024年の新しい胃がんの薬
- イマチニブ——「魔法の弾丸」が、死の病だった白血病を飲み薬で抑えた
- オシメルチニブ——イレッサの光と影から、第3世代の肺がんの薬へ
- アレクチニブ——自治医大の発見を中外製薬が薬にした、純国産の肺がん治療薬
- レンバチニブ——エーザイの研究所から生まれた、肝がん・甲状腺がんの飲み薬
- エベロリムス——イースター島の土から見つかった成分の子孫
- CDK4/6阻害薬——お蔵入り寸前の化合物が、乳がんのホルモン療法を変えた
- オラパリブ——「合成致死」という発想と、BRCA遺伝子検査
- RASの40年——「薬にできない」と言われた標的に、ソトラシブからダラクソンラシブへ
- レナリドミド——サリドマイド薬害から復活した、骨髄腫の薬
- ダラツムマブ——点滴8時間が皮下注5分になった、骨髄腫の抗体薬
- ベネトクラクス——「細胞の自殺」を止めるタンパクを外す、高齢者の白血病の薬
- トレチノインと亜ヒ酸——ビタミンAの仲間と「毒」が、最も治る白血病を作った
- イピリムマブ——免疫の「ブレーキ」を外す最初の薬と、ノーベル賞
- ニボルマブ(オプジーボ)——本庶佑のPD-1と、薬価をめぐる騒動
- ペムブロリズマブ(キイトルーダ)——開発中止寸前だった薬が、世界一売れる薬になった
- アテゾリズマブ+ベバシズマブ——肝がんの一次治療を10年ぶりに変えた組み合わせ
- 二重特異性抗体——片手でがん、片手で免疫細胞をつかむ薬
- CAR-T細胞療法——6歳の少女を救った「自分の免疫細胞を薬にする」治療
- mRNAがんワクチン——コロナワクチンの技術で、患者ごとに作る「オーダーメイド」
- トラスツズマブ デルクステカン(エンハーツ)——第一三共の「がんに薬を運ぶミサイル」
- エンホルツマブ ベドチンとADC——40年続いたシスプラチンの時代を終わらせた薬
- ルテチウム-177——「診断と治療を同じ分子で」放射線を出す薬が家に帰るとき
- がん遺伝子パネル検査——56万円で数百の遺伝子を読み、薬にたどり着くのは約1割
- 臓器横断的な薬——「臓器ではなく遺伝子で」薬を選ぶ時代
- リキッドバイオプシー——血液でがんの遺伝子を追い、再発の芽を見る
薬のこと・お金のことの相談先
電話番号や制度の内容は変わることがあります。最新の内容は各ページでご確認ください。治療中の方も、治療を終えた方も、ご家族だけでも相談できます。
- 治療を受けている病院の外来・化学療法室副作用が出たとき、まず連絡する先です。夜間や休日の連絡先は、治療の説明書や「治療日誌」に書かれていることが多いので、目につく場所に貼っておいてください。
- がん相談支援センター治療や薬のこと、お金や仕事のことを無料で相談できます。県内すべてのがん拠点病院にあり、その病院にかかっていなくても利用できます/福岡県「福岡県内のがん拠点病院がん相談支援センター」
- がん情報サービス(国立がん研究センター)がんの種類ごとの標準治療と、使われる薬の情報を、公的機関がまとめています/ganjoho.jp
- くすりのしおり(くすりの適正使用協議会)処方された薬の飲み方・注意・副作用を、薬の名前で調べられる患者向けの情報です/rad-ar.or.jp/siori
- 高額療養費制度の窓口(加入している健康保険)1か月の自己負担に上限を設ける制度です。会社の健康保険組合・協会けんぽ・市区町村の国民健康保険・後期高齢者医療広域連合など、保険証(資格確認書)に書かれた保険者に申請します。マイナ保険証を使えば、窓口での支払いが最初から上限額までになります/厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」
- かかりつけ薬局の薬剤師飲み薬の抗がん剤と、ほかの薬・サプリメント・食べ物との飲み合わせは、薬局で確かめられます。お薬手帳を1冊にまとめておくと早いです。
REFERENCE 参考資料
- ノバルティス ファーマ「ルタテラ静注 添付文書」(販売開始2021年9月)(https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/300242_4291458A1020_2_01)、同 医薬品インタビューフォーム(開発の経緯:2017年9月欧州、2018年1月米国、2021年6月日本承認);同「プルヴィクト静注 添付文書」(販売開始2025年11月)(https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/300242_4291481A1029_1_01)、同 医薬品インタビューフォーム(2022年3月米国、2025年9月日本承認);バイエル薬品「ゾーフィゴ静注 添付文書」(販売開始2016年6月)
- 厚生労働省「薬価基準収載品目リスト及び後発医薬品に関する情報について(令和8年8月13日適用)」(https://www.mhlw.go.jp/topics/2026/04/tp20260401-01.html);医薬品医療機器総合機構「承認品目一覧(新医薬品:2025年9月)」(プルヴィクト静注、ロカメッツキット、ガリアファーム 2025年9月19日承認)(https://www.pmda.go.jp/files/000276011.pdf)
- ノバルティス ファーマ「ルタテラで治療を受ける患者さんとご家族の方へ:退院後の注意事項」(https://www.product.gan-kisho.novartis.co.jp/lutathera/care/discharge)、同「プルヴィクト静注による治療を受ける患者さんとご家族の方へ:投与後の注意事項」(https://www.product.gan-kisho.novartis.co.jp/pluvicto/notes/after-administration)
- Hertz S, Roberts A. Radioactive iodine in the study of thyroid physiology; the use of radioactive iodine therapy in hyperthyroidism. JAMA. 1946;131:81-86(https://doi.org/10.1001/jama.1946.02870190005002);Krenning EP, et al. Localisation of endocrine-related tumours with radioiodinated analogue of somatostatin. Lancet. 1989;1(8632):242-244(https://doi.org/10.1016/S0140-6736(89)91258-0)
- Kwekkeboom DJ, et al. Treatment with the radiolabeled somatostatin analog [177Lu-DOTA0,Tyr3]octreotate: toxicity, efficacy, and survival. J Clin Oncol. 2008;26(13):2124-2130(https://doi.org/10.1200/JCO.2007.15.2553);Strosberg J, et al. Phase 3 trial of 177Lu-Dotatate for midgut neuroendocrine tumors. N Engl J Med. 2017;376(2):125-135(https://doi.org/10.1056/NEJMoa1607427);Strosberg JR, et al. 177Lu-Dotatate plus long-acting octreotide versus high-dose long-acting octreotide in patients with midgut neuroendocrine tumours (NETTER-1): final overall survival and long-term safety results from an open-label, randomised, controlled, phase 3 trial. Lancet Oncol. 2021;22(12):1752-1763(https://doi.org/10.1016/S1470-2045(21)00572-6)
- Eder M, et al. 68Ga-complex lipophilicity and the targeting property of a urea-based PSMA inhibitor for PET imaging. Bioconjug Chem. 2012;23(4):688-697(https://doi.org/10.1021/bc200279b);Benešová M, et al. Preclinical evaluation of a tailor-made DOTA-conjugated PSMA inhibitor with optimized linker moiety for imaging and endoradiotherapy of prostate cancer. J Nucl Med. 2015;56(6):914-920(https://doi.org/10.2967/jnumed.114.147413)
- Sartor O, et al. Lutetium-177-PSMA-617 for metastatic castration-resistant prostate cancer. N Engl J Med. 2021;385(12):1091-1103(https://doi.org/10.1056/NEJMoa2107322);Hofman MS, et al. [177Lu]Lu-PSMA-617 versus cabazitaxel in patients with metastatic castration-resistant prostate cancer (TheraP): a randomised, open-label, phase 2 trial. Lancet. 2021;397(10276):797-804(https://doi.org/10.1016/S0140-6736(21)00237-3);Morris MJ, et al. 177Lu-PSMA-617 versus a change of androgen receptor pathway inhibitor therapy for taxane-naive patients with progressive metastatic castration-resistant prostate cancer (PSMAfore): a phase 3, randomised, controlled trial. Lancet. 2024;404(10459):1227-1239(https://doi.org/10.1016/S0140-6736(24)01653-2)
- 国立がん研究センター がん情報サービス「神経内分泌腫瘍(NET)」2026年3月13日更新(https://ganjoho.jp/public/cancer/net/index.html)、同「前立腺がん」2025年5月30日更新(https://ganjoho.jp/public/cancer/prostate/index.html)

