40年続いたシスプラチンの時代を終わらせた薬
膀胱がん(尿路上皮がん)の初回治療は、1980年代からシスプラチンを軸にした殺細胞薬のままでした。海の生き物の毒を作り直した「積み荷」と、アステラス製薬の子会社が見つけた「目印」を組んだ ADC が、免疫チェックポイント阻害薬と手を組み、生存期間をほぼ2倍にして、40年続いた時代を終わらせました。 抗体・リンカー・積み荷という3つの部品を組み替えると別の薬になる仕組み、日本で使える9つの ADC の一覧、乳がんに加わった2つの TROP-2 の ADC(トロデルビとダトロウェイ)、積み荷と運び先で決まる副作用(皮疹・しびれ・高血糖・口内炎・目)の見張り方、3週間で約83万円の薬代まで書きます。
この回の結論
- 膀胱がん(尿路上皮がん)の初回治療は、1980年代からシスプラチン(第7回)を軸にした殺細胞薬のままでした。2023年、抗体薬物複合体(ADC)エンホルツマブ ベドチンと免疫チェックポイント阻害薬ペムブロリズマブ(第40回)の組み合わせが、生存期間の中央値を16.1か月から31.5か月に延ばし、40年続いた時代を終わらせました。日本は2024年9月に承認しました。
- ADC は「運び屋の抗体」「つなぎ(リンカー)」「積み荷の殺細胞薬」の3つの部品でできています。部品を組み替えれば新しい薬になるので、いま日本では9つの ADC が使え、乳がんではトロデルビとダトロウェイ(積み荷の違う2つの TROP-2 の ADC)が加わりました。
- 副作用は、積み荷(しびれ、脱毛、白血球減少、下痢)と運び先(皮膚、目、口)で決まります。エンホルツマブ ベドチンでは皮疹(重い皮膚障害は警告)、しびれ(55.7%)、高血糖(9.8%)を家で見張ります。薬代は3週間で約83万円(ペムブロリズマブ併用、体重60kg)、自己負担は上限までです。
この薬のプロフィール
| 一般名(商品名) | エンホルツマブ ベドチン(パドセブ点滴静注用20mg/30mg)。この回で触れる他の ADC:サシツズマブ ゴビテカン(トロデルビ)、ダトポタマブ デルクステカン(ダトロウェイ) |
|---|---|
| 薬の家族 | 抗体薬物複合体(ADC)。Nectin-4 という目印をつかむ抗体に、微小管阻害薬(モノメチルアウリスタチンE、MMAE)をつないだもの |
| 主に使うがん | 根治切除不能な尿路上皮がん(膀胱・腎盂・尿管)。初回からペムブロリズマブと併用、化学療法のあとは単独。トロデルビ・ダトロウェイは乳がん(トリプルネガティブ、ホルモン受容体陽性HER2陰性) |
| 使い方 | 点滴(30分以上)、体重1kgあたり1.25mg(最大125mg)。ペムブロリズマブ併用では週1回を2週続けて1週休み(3週間で1サイクル)。単独では週1回を3週続けて1週休み |
| 日本での承認 | 2021年9月(化学療法後、単独)。2024年9月24日 初回治療(ペムブロリズマブ併用)。トロデルビ 2024年9月、ダトロウェイ 2024年12月(いずれも乳がん) |
| 薬価の目安 | パドセブ点滴静注用30mg 80,674円、20mg 54,059円。トロデルビ点滴静注用200mg 187,195円、ダトロウェイ点滴静注用100mg 311,990円(薬価基準、令和8年8月13日適用) |
SECTION 01 生まれた日:海の生き物の毒と、膀胱がんの目印
尿路上皮がんの薬の歴史は、シスプラチン(第7回)の歴史です。1985年、4種類の殺細胞薬を組む「MVAC療法」が作られ、1992年にシスプラチン単独より生存を延ばすと証明されました(Loehrer ら、J Clin Oncol 1992)。2000年、ゲムシタビン(第11回)とシスプラチンの2剤(GC療法)が同じ効き目でより軽いと分かり(von der Maase ら、J Clin Oncol 2000)、それから20年以上、初回治療は GC療法のままでした。 2017年以降、免疫チェックポイント阻害薬(第38〜41回)が2次治療に加わりましたが、初回治療を変えるには至りませんでした。
転機は2つの部品から来ました。1つは「積み荷」です。1980年代、インド洋のアメフラシ(海の軟体動物)から、細胞分裂を止める強い毒ドラスタチンが見つかりました。強すぎて薬にはならず、米国シアトルの会社が人工の類似物(モノメチルアウリスタチンE、MMAE)を作り、細胞の中で切れるリンカーで抗体につなぐ技術(ベドチン)を育てました。最初の成功が、ホジキンリンパ腫のブレンツキシマブ ベドチン(アドセトリス、米国2011年、日本2014年)です(Younes ら、NEJM 2010)。 もう1つは「運び先」です。アステラス製薬の米国の子会社が、尿路上皮がんの細胞の表面に多い目印 Nectin-4(細胞どうしの接着にかかわるたんぱく質)を見つけ、そこをつかむ抗体を作りました(Challita-Eid ら、Cancer Res 2016)。
2つを組んだエンホルツマブ ベドチンは、2019年、化学療法と免疫の薬のあとに進んだ尿路上皮がん125人の44%を縮め(Rosenberg ら、J Clin Oncol 2019)、米国で承認。2021年、608人の比較試験で殺細胞薬より生存を延ばし(Powles ら、NEJM 2021)、日本は同年9月27日に承認、11月に発売しました(パドセブのインタビューフォーム)。 そして2023年、初回治療でペムブロリズマブと組んだ試験の結果が出ます(第3節)。
- 1985〜92年MVAC療法。シスプラチンを軸にした殺細胞薬が尿路上皮がんの標準に。
- 2000年GC療法(ゲムシタビン+シスプラチン)が同等でより軽いと証明。以後20年以上の標準。
- 2010〜11年海の毒から作った積み荷(MMAE)をつないだ最初の ADC、ブレンツキシマブ ベドチンが米国で承認。
- 2016年尿路上皮がんの目印 Nectin-4 と、それをつかむ抗体の報告(Challita-Eid ら)。
- 2019年2つの治療のあとの尿路上皮がんで44%が縮む。12月、米国で承認。
- 2021年殺細胞薬より生存を延ばす(Powles ら、NEJM 2021)。9月27日、日本で承認。
- 2023年初回治療でペムブロリズマブと組み、生存中央値16.1→31.5か月(Powles ら、NEJM 2024)。12月、米国で承認。
- 2024年9月24日、日本で初回治療に承認。同年、乳がんの ADC トロデルビ(9月)とダトロウェイ(12月)も承認。
SECTION 02 どうやって効くのか:部品を組み替えると、別の薬になる
エンホルツマブ ベドチンの抗体が Nectin-4 をつかむと、がん細胞は抗体ごと取り込み、細胞の中の酵素がリンカーを切って MMAE を放します。MMAE は細胞分裂に使う「微小管」(第5回のビンクリスチン、第9回のパクリタキセルと同じ標的)を壊し、細胞を死なせます。 免疫チェックポイント阻害薬と組むと効き目が増すのは、壊れたがん細胞の中身が免疫に見つかりやすくなり、そこでブレーキを外すと免疫が本気で攻めるからだと考えられています。
- 積み荷が副作用を決めるMMAE は微小管を壊すので、ビンクリスチンやパクリタキセルと同じ「しびれ」と「脱毛」が出ます。トロデルビの積み荷はイリノテカン(第15回)の活性体 SN-38 なので、好中球減少と下痢。ダトロウェイとエンハーツ(第45回)の積み荷 DXd は、吐き気と間質性肺疾患です。
- 運び先も副作用を決めるNectin-4 は皮膚にもあるため、エンホルツマブ ベドチンでは皮疹が出ます。TROP-2 は口や目の粘膜にもあるため、ダトロウェイでは口内炎とドライアイが多くなります。
- 同じ目印に、違う積み荷トロデルビとダトロウェイは、どちらも乳がんの目印 TROP-2 をつかみますが、積み荷が違います(SN-38 と DXd)。効くがんも副作用も少しずつ違い、使い分けが研究されています。
SECTION 03 なぜ「時代を終わらせた」のか:生存中央値が2倍になった
2023年、治療歴のない根治切除不能な尿路上皮がん886人を、くじ引きで「エンホルツマブ ベドチン+ペムブロリズマブ」と「白金製剤を含む殺細胞薬(GC療法など)」に分けました。無増悪生存期間の中央値は6.3か月に対して12.5か月、生存期間の中央値は16.1か月に対して31.5か月、死亡のリスクは53%減りました(Powles ら、NEJM 2024)。 尿路上皮がんの初回治療で、シスプラチンを含まない治療が殺細胞薬に勝ったのは初めてです。しかも生存期間がほぼ2倍。日本は2024年9月24日に承認し、初回治療の標準が変わりました。
乳がんでも ADC が広がっています。2つ以上の治療のあとのトリプルネガティブ乳がん529人で、トロデルビは殺細胞薬に対して無増悪生存期間を1.7か月から5.6か月、生存期間を6.7か月から12.1か月に延ばしました(Bardia ら、NEJM 2021)。 ダトロウェイは、化学療法のあとのホルモン受容体陽性・HER2陰性乳がん732人で無増悪生存期間を4.9か月から6.9か月に(Bardia ら、J Clin Oncol 2025)、免疫の薬の対象にならないトリプルネガティブ乳がんの初回治療644人で5.6か月から10.8か月に延ばし、生存期間も18.7か月から23.7か月になりました(添付文書の臨床成績)。2026年9月16日、日本で初回治療に承認されています。
| 薬(商品名) | 運び先×積み荷 | 使うがん | 日本での発売 |
|---|---|---|---|
| ゲムツズマブ オゾガマイシン(マイロターグ) | CD33×カリケアマイシン | 再発・難治の急性骨髄性白血病 | 2005年 |
| トラスツズマブ エムタンシン(カドサイラ) | HER2×エムタンシン | HER2陽性乳がん(術後、再発) | 2014年 |
| ブレンツキシマブ ベドチン(アドセトリス) | CD30×MMAE | ホジキンリンパ腫、一部のT細胞リンパ腫 | 2014年 |
| イノツズマブ オゾガマイシン(ベスポンサ) | CD22×カリケアマイシン | 再発・難治の急性リンパ性白血病 | 2018年 |
| トラスツズマブ デルクステカン(エンハーツ) | HER2×DXd | 乳がん、胃がん、肺がん、固形がん(第45回) | 2020年 |
| ポラツズマブ ベドチン(ポライビー) | CD79b×MMAE | 大細胞型B細胞リンパ腫 | 2021年 |
| エンホルツマブ ベドチン(パドセブ) | Nectin-4×MMAE | 尿路上皮がん | 2021年 |
| サシツズマブ ゴビテカン(トロデルビ) | TROP-2×SN-38 | トリプルネガティブ乳がん、ホルモン受容体陽性HER2陰性乳がん | 2024年 |
| ダトポタマブ デルクステカン(ダトロウェイ) | TROP-2×DXd | ホルモン受容体陽性HER2陰性乳がん、トリプルネガティブ乳がん(初回) | 2025年 |
表1 日本で使える ADC(添付文書の販売開始による、2026年9月時点)。「運び先」は抗体がつかむ目印、「積み荷」は運ばれる殺細胞薬。
パドセブの効能は「根治切除不能な尿路上皮癌」で、初回治療ではペムブロリズマブとの併用、化学療法のあとでは単独で使います。免疫の薬を使ったことのない人への単独投与の効果と安全性は確立していません。 トロデルビは、日本人に多い UGT1A1 という酵素の遺伝子の型で副作用(好中球減少、下痢)が重くなることがあり、イリノテカン(第15回)と同じ注意が添付文書に書かれています。ダトロウェイは、点滴前に抗ヒスタミン薬と解熱鎮痛薬を使います。
SECTION 04 副作用と、家でできること:皮疹、しびれ、高血糖
パドセブの添付文書では、重度の皮膚障害(中毒性表皮壊死融解症0.4%、皮膚粘膜眼症候群)、高血糖9.8%、末梢性ニューロパチー55.7%(感覚のしびれ43.3%、運動のしびれ4.1%)、骨髄抑制(好中球減少14.0%)、感染症14.3%、急性腎障害1.5%、間質性肺疾患3.4%(ペムブロリズマブ併用で増える傾向)。よくあるものは脱毛46.7%、発疹、かゆみ、味覚の変化、食欲低下です。 トロデルビは好中球減少69.4%、重度の下痢10.3%、感染症46.2%、脱毛46.7%。ダトロウェイは口内炎57.7%、悪心48.0%、脱毛38.4%、角膜の障害15.5%、間質性肺疾患3.1%です。
エンホルツマブ ベドチンで最初に出るのは皮疹で、多くは最初の1〜2サイクルです。かゆみと赤みなら保湿とステロイドの塗り薬で足りますが、広がる赤み、水ぶくれ、口や目の粘膜のただれ、発熱をともなう発疹は重い皮膚障害の合図で、すぐ受診します。 しびれは回を重ねるほど積み重なり、手の細かい作業(ボタン、箸)や足の感覚が鈍ります。転倒に注意し、階段や段差では手すりを使い、しびれで「靴下をはいた感じ」が続けば、減量や休薬の相談をします。
高血糖は1割に起こり、糖尿病のある人では急に悪化します。のどの渇き、多尿、だるさが合図で、血糖を測る習慣がある人は続けます。脱毛は5割。味覚の変化と食欲低下には、食べられるものを探し、体重を週1回測ります。 トロデルビでは下痢(止瀉薬を早めに飲む)と発熱(好中球減少)、ダトロウェイでは口内炎(口腔ケア、刺激物を避ける、海外の試験ではステロイド入りのうがい薬で予防)とドライアイ(人工涙液、眼科の受診)が家での見張りどころです。
-
こんなときは広がる赤い発疹、水ぶくれ、口や目のただれ、発疹と発熱こうする重い皮膚障害の合図(警告)。すぐ受診する。次回の点滴は延期になる
-
こんなときはのどが渇く、尿が増える、強いだるさ(特に糖尿病のある人)こうする高血糖の合図。その日のうちに連絡して血糖を測ってもらう
-
こんなときは38度以上の発熱、1日4回以上の下痢(トロデルビ)、階段で息が切れる・乾いた咳(ダトロウェイ)こうする感染・脱水・間質性肺疾患の合図。その日のうちに治療した病院へ連絡する
糖尿病のある人、もともとしびれのある人(糖尿病性神経障害、過去のパクリタキセル治療など)は治療前に伝えます。ペムブロリズマブとの併用では、免疫関連有害事象(第40回)も重なるので、下痢・息切れ・疲れの見張りも続けます。 皮膚の薬(保湿剤、ステロイド外用薬)は最初から処方されることが多いので、「かゆみが出てから」ではなく、点滴の日から使い始めます。トロデルビでは、UGT1A1 の検査結果を主治医に確かめておきます。
尿路上皮がんの患者さんは高齢の方が多く、腎臓の働きが落ちていてシスプラチンが使えない方も少なくありませんでした。この組み合わせは白金製剤を使わないので、そうした方にも初回から使えます。在宅で私たちが出会う患者さんが、「もう殺細胞薬は無理」と言われたあとに、この治療で年単位の時間を得ることが増えました。
訪問では、皮膚を見て、手足のしびれを聞き、血糖のある方は血糖の記録を見て、転倒の危険を確かめます。しびれは「治療をやめれば治る」とは限らず、残ることがあります。効き目と暮らしのつり合いを、患者さんと主治医と一緒に決めていく。それが ADC の時代の在宅の仕事です。
SECTION 05 薬価と自己負担:3週間で約83万円(ペムブロリズマブ併用)
パドセブは30mg 80,674円、20mg 54,059円。体重60kgなら1回75mg(30mg×2本+20mg×1本)で215,407円。ペムブロリズマブ併用(3週間に2回)では430,814円に キイトルーダ398,924円が加わり、3週間で約83万円、年約1,440万円。単独(4週間に3回)なら4週間で646,221円、年約840万円です。 トロデルビは体重55kgで1回3本(561,585円)を3週間に2回、年約1,910万円。ダトロウェイは体重55kgで1回4本(1,247,960円)を3週間ごと、年約2,120万円です(薬価基準、令和8年8月13日適用)。
自己負担は高額療養費の上限までで、70歳未満・年収約370〜770万円なら月85,800円+(医療費−286,000円)×1%、4か月目からは44,400円。70歳以上・一般なら外来は月22,000円が上限です(第1回の表1)。 ADC は、抗体医薬(第21〜25回)より一段高い薬価の薬です。表1の9つの薬の多くが年1,000万円を超え、日本の薬剤費の中で急速に伸びている分野です。
「部品を組み替える」という発想が、薬の作り方を変えた。
1つの分子を10年かけて探す時代から、抗体と積み荷とリンカーを組み替えて薬を設計する時代へ。表1の9つの ADC は、そうして生まれました。同じ TROP-2 に、違う積み荷の2つの薬(トロデルビとダトロウェイ)が並ぶのは、その象徴です。 副作用も「部品から予測できる」ようになりました。積み荷が MMAE ならしびれ、SN-38 なら下痢、DXd なら肺。運び先が皮膚なら皮疹、粘膜なら口内炎。この一覧を頭に入れておくと、在宅の見張りどころが決まります。
40年ぶりに膀胱がんの初回治療が変わったこと。それは、毒ガスから始まった殺細胞薬(第2回)が、抗体という運び屋を得て、かたちを変えて生き続けているということでもあります。次の回は、抗体ではなく「放射線を出す分子」を運び屋にする薬の話です。
「この薬、家ではどう気をつければいいですか」と聞ける主治医を、持ってください。
ふくろう訪問クリニックは、福岡市早良区の在宅医療のクリニックです。 ご自宅はもちろん、有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅・グループホームへも医師が伺います。 病院で抗がん剤の治療を受けながら、家での体調管理や副作用の相談をしたい。飲み薬の治療を家で続けている。 病院の治療を終えて、これからの暮らしを考えたい。どの段階のご相談でもかまいません。ご家族だけでのお問い合わせも歓迎します。
お電話:092-407-7337
メール:clinic@fukurou.fukuoka.jp
クリニックのご案内
お電話:092-834-8581(平日 9:00〜18:00)
メール:nurse@fukurou.fukuoka.jp
ステーションのご案内
訪問看護は、ふくろう訪問クリニック以外がかかりつけの方でもご利用いただけます。 主治医を変える必要はありません。
在宅医療の現場で、一緒に働く方を募集しています。
お電話:092-407-7337
メール:clinic@fukurou.fukuoka.jp
採用情報のページ
お電話:092-834-8581(平日 9:00〜18:00)
メール:nurse@fukurou.fukuoka.jp
求人情報のページ
入職祝い金は、クリニック・ステーションのどちらも20万円です。 人材紹介会社を通さず直接ご応募いただいた方が対象になります。 見学だけでも歓迎します。訪問の経験がない方、ブランクのある方もご相談ください。
Q&A よくある質問
この回のチェックリスト(第46回ぶん)
- 保湿剤とステロイドの塗り薬は、点滴の日から使う。広がる発疹・水ぶくれ・粘膜のただれはすぐ受診。
- 手足のしびれは、細かい作業や転倒の変化で記録し、減量の相談を早めにする。
- 糖尿病のある人は血糖の記録を続ける。のどの渇き・多尿はその日のうちに連絡する。
- トロデルビは下痢と発熱、ダトロウェイは口内炎・ドライアイ・息切れが見張りどころ。
- ペムブロリズマブ併用では、免疫の薬の副作用(第40回)も並行して見張る。
この回に関連する記事
連載の外にある、ふくろう訪問クリニックのコラムです。この回の内容をさらに掘り下げたいときに読んでください。
- 「標準治療」は最善の治療である:詐欺医療に騙されない40年続いた尿路上皮がんの標準治療が、比較試験の結果でどう更新されるのかを説明しています。
- 根拠には強さの順番がある:詐欺医療に騙されないこの回の「決め手になった試験」が、体験談・動物実験・比較試験のどの段にあるかを、一枚の表で確かめられます。
- 臨床試験で確かめること第1相〜第3相の試験がそれぞれ何を確かめる段階なのかを、人数と期間まで含めて説明しています。
連載「優秀な抗がん剤」全50回
- 抗がん剤80年の歴史——毒ガスから「自分の細胞」まで、80年でここまで来た
- シクロホスファミド——毒ガスの研究から生まれた、最初の抗がん剤
- メトトレキサート——白血病の子どもに、初めて「寛解」をもたらした薬
- フルオロウラシル(5-FU)——60年以上、消化器がんの土台であり続ける理由
- ビンクリスチン——糖尿病の薬を探していたら、白血病の薬が見つかった
- ドキソルビシン——アドリア海の土から生まれた「赤い薬」と、心臓の話
- シスプラチン——電極の実験の偶然が、精巣がんを「治る病気」に変えた
- カルボプラチン——腎臓と吐き気にやさしく設計された、シスプラチンの「弟」
- パクリタキセル——イチイの木を切り尽くす前に、葉から作れるようになるまで
- ドセタキセル——前立腺がんで初めて「延命」を証明した化学療法
- ゲムシタビン——抗ウイルス薬の候補が、膵がんの標準治療になるまで
- ペメトレキセド——蝶の羽の色素の研究から生まれた、肺がんと中皮腫の薬
- テモゾロミド——脳腫瘍の治療を変えた、家で飲める抗がん剤
- オキサリプラチン——名古屋で生まれ、フランスで育ち、日本に帰ってきた薬
- イリノテカン——中国の木の成分を、日本の乳酸菌の会社が薬にした
- S-1(ティーエスワン)——日本生まれの「飲む5-FU」が、世界の標準を変えた
- タモキシフェン——避妊薬の失敗作が、世界で最も使われた乳がんの薬になった
- アロマターゼ阻害薬——「女性ホルモンを作らせない」という発想の乳がん治療
- リュープロレリン——武田薬品の徐放製剤が変えた、前立腺がんのホルモン療法
- エンザルタミドとアビラテロン——前立腺がんのホルモン療法に「上乗せ」する時代へ
- リツキシマブ——世界初のがん抗体医薬。CHOPに「R」がついて何が変わったか
- トラスツズマブ——HER2という「敵の印」を初めて狙い撃ちした薬
- ベバシズマブ——「がんは血管を呼ぶ」という仮説から、30年かけて薬になった
- セツキシマブとパニツムマブ——皮疹が出る人ほど効く、大腸がんの抗体薬
- ゾルベツキシマブ——胃の細胞の「接着剤」を狙う、2024年の新しい胃がんの薬
- イマチニブ——「魔法の弾丸」が、死の病だった白血病を飲み薬で抑えた
- オシメルチニブ——イレッサの光と影から、第3世代の肺がんの薬へ
- アレクチニブ——自治医大の発見を中外製薬が薬にした、純国産の肺がん治療薬
- レンバチニブ——エーザイの研究所から生まれた、肝がん・甲状腺がんの飲み薬
- エベロリムス——イースター島の土から見つかった成分の子孫
- CDK4/6阻害薬——お蔵入り寸前の化合物が、乳がんのホルモン療法を変えた
- オラパリブ——「合成致死」という発想と、BRCA遺伝子検査
- RASの40年——「薬にできない」と言われた標的に、ソトラシブからダラクソンラシブへ
- レナリドミド——サリドマイド薬害から復活した、骨髄腫の薬
- ダラツムマブ——点滴8時間が皮下注5分になった、骨髄腫の抗体薬
- ベネトクラクス——「細胞の自殺」を止めるタンパクを外す、高齢者の白血病の薬
- トレチノインと亜ヒ酸——ビタミンAの仲間と「毒」が、最も治る白血病を作った
- イピリムマブ——免疫の「ブレーキ」を外す最初の薬と、ノーベル賞
- ニボルマブ(オプジーボ)——本庶佑のPD-1と、薬価をめぐる騒動
- ペムブロリズマブ(キイトルーダ)——開発中止寸前だった薬が、世界一売れる薬になった
- アテゾリズマブ+ベバシズマブ——肝がんの一次治療を10年ぶりに変えた組み合わせ
- 二重特異性抗体——片手でがん、片手で免疫細胞をつかむ薬
- CAR-T細胞療法——6歳の少女を救った「自分の免疫細胞を薬にする」治療
- mRNAがんワクチン——コロナワクチンの技術で、患者ごとに作る「オーダーメイド」
- トラスツズマブ デルクステカン(エンハーツ)——第一三共の「がんに薬を運ぶミサイル」
- エンホルツマブ ベドチンとADC——40年続いたシスプラチンの時代を終わらせた薬
- ルテチウム-177——「診断と治療を同じ分子で」放射線を出す薬が家に帰るとき
- がん遺伝子パネル検査——56万円で数百の遺伝子を読み、薬にたどり着くのは約1割
- 臓器横断的な薬——「臓器ではなく遺伝子で」薬を選ぶ時代
- リキッドバイオプシー——血液でがんの遺伝子を追い、再発の芽を見る
薬のこと・お金のことの相談先
電話番号や制度の内容は変わることがあります。最新の内容は各ページでご確認ください。治療中の方も、治療を終えた方も、ご家族だけでも相談できます。
- 治療を受けている病院の外来・化学療法室副作用が出たとき、まず連絡する先です。夜間や休日の連絡先は、治療の説明書や「治療日誌」に書かれていることが多いので、目につく場所に貼っておいてください。
- がん相談支援センター治療や薬のこと、お金や仕事のことを無料で相談できます。県内すべてのがん拠点病院にあり、その病院にかかっていなくても利用できます/福岡県「福岡県内のがん拠点病院がん相談支援センター」
- がん情報サービス(国立がん研究センター)がんの種類ごとの標準治療と、使われる薬の情報を、公的機関がまとめています/ganjoho.jp
- くすりのしおり(くすりの適正使用協議会)処方された薬の飲み方・注意・副作用を、薬の名前で調べられる患者向けの情報です/rad-ar.or.jp/siori
- 高額療養費制度の窓口(加入している健康保険)1か月の自己負担に上限を設ける制度です。会社の健康保険組合・協会けんぽ・市区町村の国民健康保険・後期高齢者医療広域連合など、保険証(資格確認書)に書かれた保険者に申請します。マイナ保険証を使えば、窓口での支払いが最初から上限額までになります/厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」
- かかりつけ薬局の薬剤師飲み薬の抗がん剤と、ほかの薬・サプリメント・食べ物との飲み合わせは、薬局で確かめられます。お薬手帳を1冊にまとめておくと早いです。
REFERENCE 参考資料
- アステラス製薬「パドセブ点滴静注用20mg/30mg 添付文書」(販売開始2021年11月)(https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/800126_4291459D1020_1_09)、同 医薬品インタビューフォーム(開発の経緯:2019年米国迅速承認、2021年9月日本承認、2024年9月ペムブロリズマブ併用)
- ギリアド・サイエンシズ「トロデルビ点滴静注用200mg 添付文書」(販売開始2024年11月)(https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/230867_4291472D1026_1_03);第一三共「ダトロウェイ点滴静注用100mg 添付文書」(販売開始2025年3月)(https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/430574_4291474D1025_1_03);武田薬品工業「アドセトリス点滴静注用50mg 添付文書」(販売開始2014年4月)(https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/400256_4291425D1021_1_14)
- 厚生労働省「薬価基準収載品目リスト及び後発医薬品に関する情報について(令和8年8月13日適用)」(https://www.mhlw.go.jp/topics/2026/04/tp20260401-01.html)
- Loehrer PJ Sr, et al. A randomized comparison of cisplatin alone or in combination with methotrexate, vinblastine, and doxorubicin in patients with metastatic urothelial carcinoma: a cooperative group study. J Clin Oncol. 1992;10(7):1066-1073(https://doi.org/10.1200/JCO.1992.10.7.1066);von der Maase H, et al. Gemcitabine and cisplatin versus methotrexate, vinblastine, doxorubicin, and cisplatin in advanced or metastatic bladder cancer: results of a large, randomized, multinational, multicenter, phase III study. J Clin Oncol. 2000;18(17):3068-3077(https://doi.org/10.1200/JCO.2000.18.17.3068)
- Younes A, et al. Brentuximab vedotin (SGN-35) for relapsed CD30-positive lymphomas. N Engl J Med. 2010;363(19):1812-1821(https://doi.org/10.1056/NEJMoa1002965);Challita-Eid PM, et al. Enfortumab vedotin antibody-drug conjugate targeting Nectin-4 is a highly potent therapeutic agent in multiple preclinical cancer models. Cancer Res. 2016;76(10):3003-3013(https://doi.org/10.1158/0008-5472.CAN-15-1313)
- Rosenberg JE, et al. Pivotal trial of enfortumab vedotin in urothelial carcinoma after platinum and anti-programmed death 1/programmed death ligand 1 therapy. J Clin Oncol. 2019;37(29):2592-2600(https://doi.org/10.1200/JCO.19.01140);Powles T, et al. Enfortumab vedotin in previously treated advanced urothelial carcinoma. N Engl J Med. 2021;384(12):1125-1135(https://doi.org/10.1056/NEJMoa2035807);Powles T, et al. Enfortumab vedotin and pembrolizumab in untreated advanced urothelial cancer. N Engl J Med. 2024;390(10):875-888(https://doi.org/10.1056/NEJMoa2312117)
- Bardia A, et al. Sacituzumab govitecan in metastatic triple-negative breast cancer. N Engl J Med. 2021;384(16):1529-1541(https://doi.org/10.1056/NEJMoa2028485);Bardia A, et al. Datopotamab deruxtecan versus chemotherapy in previously treated inoperable/metastatic hormone receptor-positive/human epidermal growth factor receptor 2-negative breast cancer: primary results from TROPION-Breast01. J Clin Oncol. 2025;43(3):285-294(https://doi.org/10.1200/JCO.24.00920);Verma S, et al. Trastuzumab emtansine for HER2-positive advanced breast cancer. N Engl J Med. 2012;367(19):1783-1791(https://doi.org/10.1056/NEJMoa1209124)
- 国立がん研究センター がん情報サービス「膀胱がん」2025年5月30日更新(https://ganjoho.jp/public/cancer/bladder/index.html)、同「乳がん」2025年5月30日更新(https://ganjoho.jp/public/cancer/breast/index.html)

