本庶佑のPD-1と、薬価をめぐる騒動
1992年、京都大学の研究室で、死にかけたT細胞に出る遺伝子が見つかりました。名前は「PD-1」。7年後にそれが免疫のブレーキだと分かり、大阪の中堅の会社が薬にして、2014年、世界で最初の抗PD-1抗体として日本で承認されました。本庶佑のノーベル賞と、薬価729,849円が131,811円になるまでの騒動の話です。 肺がんで殺細胞薬より生存を延ばした2015年の2つの試験、日本が主導した胃がんの試験、17に広がった効能、間質性肺疾患・1型糖尿病・甲状腺機能低下という「自分の体を攻める」副作用の見つけ方、そして特許料をめぐる本庶と小野薬品の和解まで書きます。
この回の結論
- 1992年、京都大学の本庶佑の研究室で、死にかけたT細胞に出る遺伝子「PD-1」が見つかりました。7年後、それが免疫の「ブレーキ」だと分かり、2002年には「がんはこのブレーキを押して逃げている」ことがマウスで示されました。大阪の中堅の会社、小野薬品が薬にし、2014年7月、世界で最初の抗PD-1抗体として日本で承認されました。
- ニボルマブ(オプジーボ)は、悪性黒色腫から始まり、肺、腎、胃、食道、肝臓など17の効能に広がりました。イピリムマブ(第38回)より副作用が軽く、多くのがんで殺細胞薬より生存を延ばしました。本庶は2018年、ノーベル賞を受けました。
- 発売時の薬価は100mgで729,849円。肺がんに広がると「国の財政が持たない」と騒ぎになり、2017年に半額、その後も下がって、いまは131,811円(発売時の18%)です。副作用は免疫が自分の体を攻めるもので、家で見張るのは息切れ・咳(間質性肺疾患)、下痢、のどの渇き(1型糖尿病)、疲れ(甲状腺・副腎)です。
この薬のプロフィール
| 一般名(商品名) | ニボルマブ(オプジーボ点滴静注) |
|---|---|
| 薬の家族 | 免疫チェックポイント阻害薬(抗PD-1抗体)。T細胞のブレーキ PD-1 をふさぐ |
| 主に使うがん | 悪性黒色腫、非小細胞肺がん(進行・術前)、腎細胞がん、ホジキンリンパ腫、頭頸部がん、胃がん、中皮腫、MSI-High の大腸がん、食道がん(進行・術後)、原発不明がん、尿路上皮がん、皮膚がん、肝細胞がん(計17の効能) |
| 使い方 | 点滴(30分)。1回240mgを2週間ごと、または480mgを4週間ごと。イピリムマブと併用するとき(悪性黒色腫)は80mgを3週間ごとに4回、そのあと240mg。殺細胞薬と併用するときは360mgを3週間ごと。術後補助療法は12か月まで |
| 日本での承認 | 2014年7月(悪性黒色腫、世界初)。2015年12月 肺がん、2016年 腎がん・ホジキンリンパ腫、2017年 頭頸部がん・胃がん、2020年 食道がん・大腸がん、2025年6月 肝細胞がん など |
| 薬価の目安 | オプジーボ点滴静注240mg 311,444円、120mg 157,660円、100mg 131,811円、20mg 27,130円(薬価基準、令和8年8月13日適用) |
SECTION 01 生まれた日:死にかけた細胞の遺伝子から、世界初の抗PD-1抗体へ
1992年、京都大学の本庶佑の研究室で、大学院生の石田靖雅が「死にかけたT細胞に出てくる遺伝子」を探していて、新しい遺伝子を1つ見つけました。プログラムされた死(programmed death)の1番、PD-1 と名づけられました(Ishida ら、EMBO J 1992)。 何をする遺伝子かは分かりません。答えが出たのは7年後、PD-1 を持たないマウスを作ると、自分の体を攻める病気(自己免疫病)になったのです(Nishimura ら、Immunity 1999)。PD-1 は、免疫の「ブレーキ」でした。
2000年、米国の研究者と本庶の研究室は、PD-1 を押す相手(PD-L1)を見つけます(Freeman ら、J Exp Med 2000)。そして2002年、岩井佳子と本庶は、がん細胞がこの PD-L1 を表面に出して免疫のブレーキを押していること、PD-1 をふさぐとマウスのがんが抑えられることを示しました(Iwai ら、PNAS 2002)。 同じ年、米国の研究者も、人のがんの多くが PD-L1 を出していると報告します(Dong ら、Nat Med 2002)。がんが免疫から逃げる仕掛けが、見えてきました。
薬にしたのは、大阪の小野薬品でした。大手が乗らない中で本庶と組み、2005年、ヒト型抗体の技術を持つ米国のメダレックス社と共同で抗PD-1抗体(ONO-4538)を作ります。2009年、ブリストル・マイヤーズ スクイブがメダレックスを買い、日本は小野、海外はブリストルが担う形になりました。 2012年、296人の第1相試験で、悪性黒色腫の28%、肺がんの18%、腎がんの27%が縮み、効いた人は1年以上効き続けました(Topalian ら、NEJM 2012)。2014年7月4日、悪性黒色腫で日本が世界で最初に承認。オプジーボの名で9月に発売されました(オプジーボのインタビューフォーム)。
- 1992年京都大学の本庶研究室で、PD-1 が見つかる(Ishida ら、EMBO J 1992)。役目は不明。
- 1999年PD-1 を持たないマウスが自己免疫病になる。PD-1 は免疫のブレーキ(Nishimura ら、Immunity 1999)。
- 2002年がん細胞が PD-L1 を出してブレーキを押している。PD-1 をふさぐとマウスのがんが抑えられる(Iwai ら、PNAS 2002)。
- 2005年小野薬品とメダレックス社が、ヒト型の抗PD-1抗体を作る。
- 2012年第1相試験で、3つのがんに効くと報告(Topalian ら、NEJM 2012)。
- 2014年7月4日、日本で世界初の承認(悪性黒色腫)。9月発売、100mg 729,849円。
- 2015年12月、肺がんに承認。対象患者が数十倍になり、薬価の議論が始まる。
- 2017年2月、薬価を半額に(緊急薬価改定)。同年、キイトルーダ(第40回)の特許争いでメルクと和解。
- 2018年10月、本庶佑とアリソン(第38回)にノーベル生理学・医学賞。
- 2021年11月、本庶と小野薬品の特許料の訴訟が和解(第5節)。
- 2025年6月、肝細胞がんに承認。効能は17に。10年追跡で、併用療法の生存中央値6年(Wolchok ら、NEJM 2025)。
SECTION 02 どうやって効くのか:がんが押している「ブレーキ」を、押せなくする
T細胞ががん細胞に近づくと、がん細胞は PD-L1 という手を伸ばして、T細胞の PD-1 というブレーキを押します。T細胞は攻撃をやめ、眠り込みます。ニボルマブは PD-1 に先回りして結びつき、手を押せなくします。眠らされていたT細胞が目を覚まし、がんを攻めます。 イピリムマブ(第38回)の CTLA-4 が「リンパ節でT細胞を出発させるときのブレーキ」なら、PD-1 は「がんの現場で踏まれるブレーキ」です。現場のブレーキだけを外すので、全身の免疫を暴走させにくく、副作用はイピリムマブより軽くなります。
- 効く人を、ある程度は見分けられるがん細胞に PD-L1 が多い人ほど効きやすい傾向があり、肺がんでは PD-L1 の検査で薬を選びます。ただし PD-L1 が少なくても効く人はいて、検査は「目安」です。MSI-High(遺伝子の修復が壊れたがん)は、がんの種類を問わずよく効きます(第49回)。
- 効く人には長く効くイピリムマブと同じく、効いた人は何年も効き続けます。2年で投与をやめた試験でも、効き目が続く人が多く、「いつやめるか」が新しい課題になっています。
- 自分の体も攻めるブレーキを外されたT細胞は、肺、腸、甲状腺、下垂体、副腎、膵臓、肝臓、皮膚、心臓、神経も攻めます。頻度はイピリムマブより低く、併用すると高くなります(第4節)。
SECTION 03 なぜ17の効能に広がったのか:肺がんで殺細胞薬を超えた日
2015年、治療歴のない悪性黒色腫の418人で、ニボルマブはダカルバジン(それまでの標準)に対して1年生存率72.9%対42.1%、死亡のリスクを58%減らしました(Robert ら、NEJM 2015)。 同じ年、肺がんで決定的な結果が出ます。殺細胞薬のあとに進行した非小細胞肺がんで、扁平上皮がん272人では生存期間の中央値がドセタキセル(第10回)6.0か月に対して9.2か月(Brahmer ら、NEJM 2015)、非扁平上皮がん582人では9.4か月に対して12.2か月(Borghaei ら、NEJM 2015)。免疫の薬が、殺細胞薬より肺がんの生存を延ばした最初の証明でした。
日本が主導した試験もあります。2つ以上の治療を受けたあとの胃がん493人(日本・韓国・台湾)で、ニボルマブは偽薬に対して生存期間の中央値4.14か月を5.26か月に延ばし、1年生存率は10.9%から26.2%になりました(Kang ら、Lancet 2017)。数字は小さいですが、「もう薬がない」胃がんに効く薬が初めてできた試験でした。 2021年には、初回治療から殺細胞薬にニボルマブを足すと生存が延びることが示され(Janjigian ら、Lancet 2021)、胃がんの初回治療が変わりました。
腎がん821人では、それまでの分子標的薬エベロリムス(第30回)に対して生存期間の中央値19.6か月を25.0か月に延ばし(Motzer ら、NEJM 2015)、悪性黒色腫ではイピリムマブとの併用で生存中央値6年(第38回)。 この10年で、承認は17の効能に広がりました。
| 場面 | 使い方 | 決め手になった試験 |
|---|---|---|
| 進行した悪性黒色腫 | 単独、または イピリムマブと併用。術後補助療法(12か月)も | Robert 2015(1年生存42→73%)、Larkin 2015・Wolchok 2025(併用で生存中央値6年) |
| 進行した非小細胞肺がん | 殺細胞薬のあとに単独。初回から イピリムマブ+殺細胞薬との併用も。手術前の併用(3回)も | Brahmer 2015・Borghaei 2015(ドセタキセルより生存延長) |
| 進行した胃がん | 初回から殺細胞薬と併用。または3次治療で単独 | Janjigian 2021(初回)、Kang 2017(3次、1年生存11→26%) |
| 進行した腎細胞がん | 単独(2次)。初回は イピリムマブまたはカボザンチニブと併用 | Motzer 2015(生存19.6→25.0か月)、CheckMate 214 |
| 食道がん、頭頸部がん、MSI-High 大腸がん、中皮腫、肝細胞がん など | がんごとに単独・併用が決まっている | 各がんの第3相試験(添付文書の臨床成績) |
表1 ニボルマブの主な使われ方(添付文書と主な試験による)。効能は2026年9月時点で17。同じがんでも、初回か再発後か、併用か単独かで使い方が違う。
添付文書には、がんごとに「使ってよい条件」が細かく決まっています。肺がんでは EGFR や ALK の遺伝子変異(第27・28回)がある人は対象になりにくく、術後補助療法には使えない がん(悪性黒色腫と食道がんと尿路上皮がん以外)があります。 2018年8月に体重あたりの量(3mg/kg)から固定量(240mg)に変わり、同じ薬価で誰にも同じ量を使うようになりました。この変更が、薬価の再算定(第5節)のきっかけの1つになりました。
SECTION 04 副作用と、家でできること:息切れ、下痢、のどの渇き、疲れ
添付文書(単独/イピリムマブ併用)では、間質性肺疾患3.3%/5.4%、大腸炎1.2%/3.0%、1型糖尿病0.2%/0.4%、甲状腺機能低下8.0%/12.6%、甲状腺機能亢進4.2%/6.6%、下垂体炎0.4%/2.0%、副腎不全0.8%/3.2%、心筋炎0.2%/0.3%、重症筋無力症0.1%未満/0.1%、点滴中の反応3.5%/6.5%です。 肝炎、腎炎、皮膚の重い障害、脳炎、ぶどう膜炎も記されています。
免疫関連有害事象の基本は第38回と同じです。いつでも、どこにでも出る。早く気づけばステロイドで治せる。ニボルマブで特に大切なのは、次の4つです。
息切れと咳。間質性肺疾患は添付文書の警告に書かれた副作用で、階段で息が切れる、乾いた咳が続く、微熱がある、が合図です。風邪と思って何日も待たないこと。 下痢は第38回と同じで、1日3〜4回以上なら様子を見ずに連絡します。のどの渇き、水をよく飲む、尿が増える、急にやせるは1型糖尿病の合図で、数日で重くなる(劇症型)ことがあります。 疲れ、寒がり、むくみ、便秘は甲状腺機能低下(12.6%と最も多い)、動けない疲れ、吐き気、血圧低下は副腎不全の合図で、どちらも採血で分かり、ホルモンの補充で普通に暮らせます。
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こんなときは階段で息が切れる、乾いた咳が続く、微熱(治療中も、治療後数か月も)こうする間質性肺疾患の合図。風邪と思って待たず、その日のうちに治療した病院へ連絡する
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こんなときはのどが渇く、水をよく飲む、尿が増える、急にやせる、吐き気こうする1型糖尿病の合図。数日で命にかかわる。すぐ受診して血糖を測ってもらう
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こんなときは胸の痛み、動悸、息苦しさ、まぶたが下がる、物が二重に見える、飲み込みにくいこうする心筋炎・重症筋無力症の合図(まれだが急に進む)。救急に電話する
自己免疫の病気、間質性肺炎の既往、臓器移植の経験がある人は治療前に伝えます。治療の前と治療中は、甲状腺・下垂体・副腎のホルモン、血糖、肝臓と腎臓の採血が定期的に行われます。採血の予定を飛ばさないことが、副作用を早く見つける近道です。 副作用の治療で出たステロイドは、勝手に減らさず、飲み終えたあとも「使った」ことをお薬手帳に残します。患者カードは、他の科や救急で最初に見せます。
ニボルマブを使った人の在宅で、私たちが最も多く出会うのは甲状腺機能低下です。「がんが良くなったのに、なぜかだるい。寒い。むくむ」。採血でTSHが上がっていて、甲状腺ホルモンの補充を始めると、見違えるように元気になります。 この補充は、がんの治療が終わっても一生続くことが多く、その管理は在宅で引き受けられます。
1型糖尿病も、一度起こればインスリンが一生必要になります。「免疫の薬で糖尿病になった」ことを、本人と家族が理解しているかを確かめ、シックデイ(食べられない日)の対応を決めておきます。 息切れは、肺炎か、がんの進行か、心臓か。免疫の薬を使った人の息切れは、まず間質性肺疾患を疑って、早く画像を撮る。この順番を、在宅の医療者は覚えておく必要があります。
SECTION 05 薬価と自己負担:729,849円から131,811円へ。「騒動」の中身
オプジーボ点滴静注240mgは311,444円。2週間ごとなら月約62万円、年約810万円です(薬価基準、令和8年8月13日適用)。自己負担は高額療養費の上限までで、70歳未満・年収約370〜770万円なら月85,800円+(医療費−286,000円)×1%、4か月目からは44,400円。70歳以上・一般なら外来は月22,000円が上限です(第1回の表1)。
発売時(2014年9月)の薬価は100mgで729,849円でした。対象は年に数百人の悪性黒色腫で、その人数に見合う値段として決まったものです。ところが2015年12月に肺がんに承認され、対象が数十倍に増えました。体重60kgの人が1年使うと約3,500万円、「肺がんの患者全員に使えば年1兆7,500億円、国の財政が持たない」という試算が国の審議会で示され、騒動になりました。 2017年2月、通常の改定を待たずに半額(364,925円)へ。2018年11月には固定量への変更にともなう再算定で173,768円(発売時の24%)、2024年4月にさらに15%下がり、2026年8月時点で131,811円。発売時の18%です。
薬価の騒動は、この薬が悪いのではなく、「少数の患者のための値段」を「大勢の患者」に使ったときに起こる制度のひずみでした。この経験から、市場が急に広がった薬の薬価を年の途中でも下げる仕組みが作られ、以後の高額な薬(第43回のCAR-T細胞療法など)にも適用されています。
「発見者」と「薬にした会社」と「値段を決める国」。3つの物語が1つの薬に重なった。
本庶佑は、2020年に小野薬品を訴えました。特許の対価が低すぎる、と。2021年11月、小野薬品が本庶に50億円、京都大学に作る基金に230億円を出す和解で決着しました。基礎研究者の発見が薬になったとき、その対価をどう分けるか。日本の産学連携が初めて本気で向き合った問いです。 一方で、この薬を「世界初」にしたのは、大手が乗らない中で本庶と組んだ小野薬品の決断でもありました。
在宅の私たちが向き合うのは、3つ目の物語、値段のほうです。年810万円の薬を外来22,000円で受けている患者さんが、当たり前のように家にいます。その当たり前を支えている制度が、この薬の騒動を経て作られたことは、知っておいてよい事実です。
「この薬、家ではどう気をつければいいですか」と聞ける主治医を、持ってください。
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Q&A よくある質問
この回のチェックリスト(第39回ぶん)
- 階段で息が切れる、乾いた咳、微熱は、風邪と思って待たずにその日のうちに連絡する。
- のどの渇き、多飲、多尿、急にやせるは、1型糖尿病の合図。すぐ受診する。
- 1日3〜4回以上の下痢は様子を見ない。
- 甲状腺・下垂体・副腎・血糖の採血の予定を飛ばさない。だるさ・寒がりは採血で調べてもらう。
- 副作用で始まった補充の薬(甲状腺ホルモン、ステロイド、インスリン)は、がんの治療が終わっても続く。お薬手帳に理由を書いておく。
この回に関連する記事
連載の外にある、ふくろう訪問クリニックのコラムです。この回の内容をさらに掘り下げたいときに読んでください。
- 「標準治療」は最善の治療である:詐欺医療に騙されない対象が広がるにつれて薬価が見直された経緯の背景にある、「標準治療」が試験の結果で決まり更新されるしくみを説明しています。
- 根拠には強さの順番がある:詐欺医療に騙されないこの回の「決め手になった試験」が、体験談・動物実験・比較試験のどの段にあるかを、一枚の表で確かめられます。
- 臨床試験で確かめること第1相〜第3相の試験がそれぞれ何を確かめる段階なのかを、人数と期間まで含めて説明しています。
連載「優秀な抗がん剤」全50回
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- パクリタキセル——イチイの木を切り尽くす前に、葉から作れるようになるまで
- ドセタキセル——前立腺がんで初めて「延命」を証明した化学療法
- ゲムシタビン——抗ウイルス薬の候補が、膵がんの標準治療になるまで
- ペメトレキセド——蝶の羽の色素の研究から生まれた、肺がんと中皮腫の薬
- テモゾロミド——脳腫瘍の治療を変えた、家で飲める抗がん剤
- オキサリプラチン——名古屋で生まれ、フランスで育ち、日本に帰ってきた薬
- イリノテカン——中国の木の成分を、日本の乳酸菌の会社が薬にした
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- イピリムマブ——免疫の「ブレーキ」を外す最初の薬と、ノーベル賞
- ニボルマブ(オプジーボ)——本庶佑のPD-1と、薬価をめぐる騒動
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- アテゾリズマブ+ベバシズマブ——肝がんの一次治療を10年ぶりに変えた組み合わせ
- 二重特異性抗体——片手でがん、片手で免疫細胞をつかむ薬
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薬のこと・お金のことの相談先
電話番号や制度の内容は変わることがあります。最新の内容は各ページでご確認ください。治療中の方も、治療を終えた方も、ご家族だけでも相談できます。
- 治療を受けている病院の外来・化学療法室副作用が出たとき、まず連絡する先です。夜間や休日の連絡先は、治療の説明書や「治療日誌」に書かれていることが多いので、目につく場所に貼っておいてください。
- がん相談支援センター治療や薬のこと、お金や仕事のことを無料で相談できます。県内すべてのがん拠点病院にあり、その病院にかかっていなくても利用できます/福岡県「福岡県内のがん拠点病院がん相談支援センター」
- がん情報サービス(国立がん研究センター)がんの種類ごとの標準治療と、使われる薬の情報を、公的機関がまとめています/ganjoho.jp
- くすりのしおり(くすりの適正使用協議会)処方された薬の飲み方・注意・副作用を、薬の名前で調べられる患者向けの情報です/rad-ar.or.jp/siori
- 高額療養費制度の窓口(加入している健康保険)1か月の自己負担に上限を設ける制度です。会社の健康保険組合・協会けんぽ・市区町村の国民健康保険・後期高齢者医療広域連合など、保険証(資格確認書)に書かれた保険者に申請します。マイナ保険証を使えば、窓口での支払いが最初から上限額までになります/厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」
- かかりつけ薬局の薬剤師飲み薬の抗がん剤と、ほかの薬・サプリメント・食べ物との飲み合わせは、薬局で確かめられます。お薬手帳を1冊にまとめておくと早いです。
REFERENCE 参考資料
- 小野薬品工業「オプジーボ点滴静注20mg/100mg/120mg/240mg 添付文書」(販売開始2014年9月)(https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/180188_4291427A1024_1_75)、同 医薬品インタビューフォーム(開発の経緯:1992年PD-1発見、2014年7月4日承認、2015年12月17日非小細胞肺癌、2018年8月21日固定用量、2025年6月24日肝細胞癌)
- 厚生労働省「薬価基準収載品目リスト及び後発医薬品に関する情報について(令和8年8月13日適用)」(https://www.mhlw.go.jp/topics/2026/04/tp20260401-01.html);日本医事新報「「オプジーボ」の薬価を50%引下げへ―「16年度緊急薬価改定」」(https://www.jmedj.co.jp/blogs/product/product_5438);京都大学新聞「特許料訴訟 本庶氏と小野薬品 和解 京大基金に230億円寄付」2021年12月1日(https://www.kyoto-up.org/archives/3422)
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- 国立がん研究センター がん情報サービス「免疫療法 もっと詳しく」2025年11月6日更新(https://ganjoho.jp/public/dia_tre/treatment/immunotherapy/immu01.html)、同「肺がん」2026年8月26日更新(https://ganjoho.jp/public/cancer/lung/index.html)、同「胃がん」2026年1月13日更新(https://ganjoho.jp/public/cancer/stomach/index.html)

